“大津森”で合わせて7勝…2人で積み上げていく勝ち星
2人で達成したい目標がある。ソフトバンクの大津亮介投手は、今季から先発に転向し、4試合に先発。12日の試合終了時点で3勝1敗、防御率1.89の好成績を残し、首位を独走する原動力になっている。
大津も「もう4試合投げて、体の疲労とかスタミナ面はついてきたかなと思っています」と手応えを感じている。先発転向によって不安に感じていたスタミナ面だったが、登板を重ねる度に、体力がついてきたことを実感し始めている。
そんな大津には、自身が先発に転向したことで実現可能になった1つの目標がある。「2人で1試合投げたいなみたいなのはあります」。チーム内でも特に親しくしている津森宥紀投手との共同作業によるものだ。
「僕が8回まで投げて、9回津森さん、みたいなことをやりたいなみたいな話はしました」
普段から仲の良い2人。大津が先発転向を言い渡された昨年の時点で、このようなやり取りがあったそうだ。先発として活躍していることから、大津から津森への継投は、4月14日の西武戦ですでに実現している。大津が先発し、7回1失点で交代。バトンを津森が受け取り、最後はロベルト・オスナ投手へ繋いで、大津は勝ち星を手にした。
セーブを記録したオスナへの感謝の気持ちを伝えつつも、いつかは実現させてみたいと願う2人の目標を、大津は楽しそうな表情を浮かべながら語る。「勝ちを消さんように頑張るわ」。津森からはこのような言葉がかけられているという。そんな今シーズンの2人の間には勝敗に関する不思議な関わりが存在している。
「結構、勝敗について話しますね。この前津森さんが負けた試合も、僕が前日に負けてて『なんで俺らって連続で負けるん』みたいなことがLINEですぐ来てました(笑)」
津森からLINEが送られてきたのは、大津にプロ初の黒星がついた3日の西武戦の翌日。津森が延長10回にサヨナラ負けを喫した試合だった。チーム本隊よりもひと足先に飛行機で福岡に戻った大津に津森からメッセージが届いた。「津森さんからメッセージが来て『え、負けたん?』と思って、そこで(翌日も)負けたこと知りました」。津森からのLINEによって連敗したことを知ったという。
お互いに1敗を喫したが、津森は中継ぎながら、現時点で4勝を挙げており、大津よりも勝ちが1つ多い。「マジでもう勘弁してくれって思います。いっつも! 見てて、これ絶対勝つやんって。だけど、今のところ全部僕が追っかける状態なので。先に1勝もされましたし、今4勝されてて、僕は3勝なので」。津森の勝ち数が上回っていることを悔しそうにしながらも、勝ちを競い合うことを楽しんでいるようにも映った。
「勝ったらいつも『待ってるわ?』みたいなことを言ってきます。次の登板で追いついて、その次は抜けるようにしたいなと思っています」。試合展開によっては、早ければ次回の登板で、2人だけで1試合を投げ切るという目標が実現するかもしれない。そして、今後のホークスの勝利に、2人の勝ち星がどれだけ貢献していくのか楽しみにしたい。
(飯田航平 / Kohei Iida)