山川穂高が2本塁打「状態良くなったらどこまで行くのかって感じですよね」
ソフトバンクは6日、日本ハム戦(みずほPayPayドーム)で9-4で勝利した。今季初登板初先発となった和田毅投手は5回4失点ながらも、味方の援護にも守られて1勝目を掴んだ。打線では山川穂高内野手が2本塁打3打点。決勝点となったのは、5回に三森大貴内野手が放った1号2ランだった。試合後、小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。
○小久保裕紀監督
――和田毅投手が今季初登板。
「初回をかなり飛ばしている印象があって。2回は捕まりかけたというか、3点を失った後の満塁のピンチを1点でしのいだのが彼らしいというか、経験が出たなと思いましたね」
――1番・川村、2番・川瀬と入れ替えた狙いは。
「ちょっとあんまり言えない事情だったんで。川村の連続ヒットはストップしましたけど、1打席目にしっかりフォアボールを選んでからの先制点だったんで」
――山川穂高内野手が2打席連続本塁打。
「状態悪いと言いながら2冠王でしょ。状態よくなったらどこまで行くのかって感じですけど。まあ1打席目は真っすぐに振り遅れて、2打席目はバットを真上から降ろすというか、コンパクトに叩きに行ってますよね。そのへんの修正能力っていうのが、やっぱりタイトルを取る選手とか、1軍のレギュラーになる選手と、そうじゃない選手の差だと思いますね」
――勝敗を分けたポイントは。
「5回を毅がゼロで帰ってきたところじゃないですかね。もし勝ち越しても行かせようとしていたんで。5回までは今日は投げさせようという中で、あの5回を投げ切ったことがそのまま次の回の大量得点につながったと思いますね」
――きょうは和田を5回まで投げさせようと。
「『5回行かせえ』って言いましたよ」
――勝ちがついたことは今後に大きい。
「まあ、いろいろあの年齢になると勝利が騒がれるでしょうからね。今も言いましたけど、(4回に)3連打された後に水野を三振にとって、犠飛の1点だけで抑えたところがね。そこで大量失点してしまったら、今日のゲームは逆に向こうに決まっていたような展開だったので。そこはさすがだなと思ってみてましたけどね」
――野手の和田のためにという思いも伝わってきた。
「それも当然あったでしょうし。ただ向こうの北山もほとんど点を取られていないピッチャーだったんで。(初回の)山川の三振の後の近藤(健介外野手)の1点。連続無失点を止めたというのがまず一つ大きかったと思うし。三森(大貴内野手)も(4回無死一塁で)あれだけボール、ボールでなかなか振りに行けないところを、彼らしいですけどね。ボール球をファウルにした後のホームランですから。らしいっちゃらしいですね」
――4回の場面。三森の強硬策は迷いなく。
「バントの選択肢なんかまったくなかったです」
――周東(佑京内野手)はもともと出ない予定だった。
「今日はまあ、ちょっと。ちょっといろいろあって。休息を。接戦なら出してましたけど。接戦じゃなかったので、休息に充てようと」
――勝ちパターンの投手が使えない中で、代わりの投手も抑えてくれた。
「大量リードじゃなくても今日のメンバーで行く予定だったんで。しっかり仕事してくれました」
○倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)
――和田投手を5回のマウンドにも送った。
「5回は絶対にゼロで帰ってきてくれとハッパをかけて上がらせました」
――4回を終えて声をかけられていた時に?
「はい。次絶対にゼロで帰ってきてくれと言いました」
――展開的にも大事だと思った?
「はい。まだ(4回に打線が)点を取る前でしたし、勝ち越したから続投、ではなかったので。同点の状態で続投は決めていました」
――ブルペンの状況があったから? それとも和田投手に1勝目をつけたかった?
「白星というよりは、ブルペンの状況もそんなに関係なくて。投手は十分にやれるメンバーを揃えていたので、和田本人のため。あのまま4回に1点取られた状態で終わるのと、次の回に行って抑えて帰ってくるのは全然違う。そういう意味で、先発投手としてこの日まで準備をしてきた。最低限、ここは乗り越えてほしいという意図でした」
――今日の結果ももちろん、次回登板までの和田投手の心境を踏まえての決断。
「次回までは考えていないですけど、先発として準備してきたわけですから。あそこは意地でもどんな状態でも、球が本調子ではなくても、意地で抑えて帰ってくるのが和田のためになるというか。チームあってのものですけど、あそこは乗り越えていかないと、この先のことも考えるとね。そういう意味合いです」
――中継ぎ投手4人も無失点だった。
「接戦でも今日はあのメンバーだった。そういう意味で、みんなが0点で帰ってきてくれたので頼もしかったです。あの展開でゼロで抑えるというのは難しいので、そこを止められたのは本当に、投げてくれた投手の力だと思います」
――ロベルト・オスナ投手や松本裕樹投手を抜きにしても、状態のいい投手が揃ってきた。
「みんな現状に満足していない。みんなが『もっと上へ』『ポジションを上げてほしい』と思っているでしょうし、チーム内の競争がすごく激しい。そういう意味では切磋琢磨というか、いい環境になっていると思います」
――投げた4人は、投げるたびに評価が上がっている。
「本当にその通りですね。こっちとしては頼もしい限りで、誰を出しても不安なくというか。全く不安がないわけではないですけど、そういう意味ではすごく頼もしいと思っています」
――和田投手の次回登板は?
「色々を考えています。他の投手との兼ね合いを考えて、またどこかで先発すると思います」
――和田投手は5三振を奪ったが、そこについては。
「あんまり三振の数は気にしていないです。四球も粘られたあの1個だけだったので、繰り返しになりますけど、5回に意地でも押さえたっていうのが和田にとってもよかったと思います」
――和田投手の今後は、明日の反動を見て決めるのか、ある程度今後について決まっているのか、どうでしょう。
「他の投手との兼ね合いです。日程がどうしても緩やかなので、誰をどこにはめるのかは常々、いろんなパターンを考えています。体の状態も心配していないので」
――明日抹消する予定?
「それは他の投手との兼ね合いです。今ここでは決めていないです」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)