増田珠はヤクルトで「ウケる」 正木、仲田と食事会…まさかの“ボケ殺し”をするのは誰?

ソフトバンク・仲田慶介(中央)【写真:本人提供】
ソフトバンク・仲田慶介(中央)【写真:本人提供】

増田珠と再会するも「なんかよくわからないことを言っていました(笑)」

 それぞれの分岐点を経て、また1軍のグラウンドで会うことができた。ソフトバンクは5日と6日、ヤクルトとのオープン戦を戦った。ホークスナインが再会を喜んだのは、昨季までチームメートだった増田珠外野手だ。正木智也外野手、仲田慶介外野手は今回福岡で食事にも出かけたという。川村友斗外野手も含めて、同級生の3人が増田との再会を語った。まさかの“ボケ殺し”をしているというのは誰?

 増田は2017年ドラフト3位で横浜高からソフトバンクに入団。2023年にはキャリアハイの35試合に出場して、プロ7年目こそホークスでレギュラーを奪うつもりだったが、オフに戦力外通告を受けた。ヤクルトに加入し、相手チームとしてPayPayドームに帰ってきた。

 明るいキャラクターで、みんなから愛された増田。福岡に来るとあって、今回一緒に食事に出かけたのが正木と仲田だった。その舞台裏に、鷹フルが単独取材で迫った。

 3月3日、日曜日の夜だ。お店は増田が決めたそうで、海鮮系の居酒屋に3人で行ったという。正木は「珠が仲田を誘って、僕も誘われました。普通に楽しかったです」と経緯を明かす。ホークスのキャンプ地は宮崎で、ヤクルトは沖縄。話題の多くが近況報告だったそうで「ヤクルトのことだったりとか、どういう雰囲気でやっているとか、今の状態だとか。野球の話もしつつ、プライベートの話もしていました」と話に花を咲かせた。

 正木が嬉しそうに語ったのは、増田のキャラについて。「ホークスで笑ってくれなかったことが、ヤクルトだとめっちゃウケるって言っていました」とフフフと明かす。増田もホークス時代、塁上でのパフォーマンスを考案しても「僕がやる時はあまり流行らない」と、自分のキャラを受け入れていた。正木も「素が明るいですし、場を和ませてくれます。一緒にご飯を食べていても笑わせてくれます」と、何も変わっていないキャラを久しぶりに見られたことも嬉しかった。

 増田に対して“ボケ殺し”をするのが、仲田だ。「ヤクルトではめっちゃウケるらしいです! 言い方は良くないですけど(ホークスの時は)空回りすることがありました(笑)」と正木と口を揃える。誰よりもひたむきに練習し、常にユニホームを汚してプレーする仲田だが、実は少しふわふわして天然な一面もある。「珠がめっちゃボケてくるんですけど、自分がそれをスルーしちゃうことが多いんです(笑)。僕がボケに気づかないので『ボケ殺しすんなよ!』ってめっちゃ言われます。僕がきっとツッコまないといけないんですね」と、増田の“すべりキャラ”は仲田の影響もあったようだ。

 久しぶりに、食事の場で再会することができた。ふざけてくる増田は相変わらずだったそうで、仲田は「なんかよくわからないことを言っていました(笑)」と苦笑いで話す。正木の反応も「半笑いでした。僕は結構笑うんですけどね」と代弁するのだから、3人の関係が輪郭づいて見えてきた。正木も、2024年になってからは初めて増田と会ったそうで「でもヤクルトではウケているらしいですよ(笑)」と、ニッコリ笑う。

ヤクルト・増田珠(左)とソフトバンク・川村友【写真:竹村岳】
ヤクルト・増田珠(左)とソフトバンク・川村友【写真:竹村岳】
ヤクルト・増田珠(左)とソフトバンク・正木智也【写真:竹村岳】
ヤクルト・増田珠(左)とソフトバンク・正木智也【写真:竹村岳】

 2月中は、それぞれがキャンプ地で過ごしていた。正木も「タイムリーを打ったのはXで回ってきたりしていました」と、SNSでも動向を見守っていた。正木も仲田も、2月中に増田からは電話がかかってきて近況報告をしたという。仲田も「どんな感じ? って、結構話すことも多かったです。珠からかかってくることも多かったですね。(鷹時代は)特に宮崎で行動を一緒にすることが多かったので、今年に1人で宮崎で行動している時に『やっぱりいないんだ』って思うことが多かった」と少しだけ寂しそうに話す。

 昨年12月には仲田と正木が中心となって“送別会”も開いた。田浦文丸投手も含めた5人の写真は、その時のものだ。参加した川村は「AMI PARIS」(アミパリス)のニット帽をプレゼントしたといい「自分が欲しいと思ったんですけど、あげました。『え! ありがとう!』って喜んでくれました」とリアクションを代弁する。1999年組の中でも「結構、珠が『ご飯行こうよ』って呼びかけてお店も決めてくれたり、珠がいつも発信源でした」と増田が中心の世代だった。

 仲田は増田を「珠」、正木を「智也」と呼ぶ。リチャード内野手やカーター・スチュワート・ジュニア投手らも含めて、個性派が揃う世代だ。「みんな意識も高くて、お互いに刺激し合っている関係だと思います」と、いつも同級生の存在もモチベーションに変えてきた。今年25歳になる世代で、秘めているのは無限の可能性。それぞれの地で活躍することを、最大の近況報告にしたい。

(竹村岳 / Gaku Takemura)