新しい背番号が自分だけのものになるように、球春を過ごしている。ソフトバンクの川瀬晃内野手は2024年から背番号を「00」から「0」に変更した。「慣れるもなにも、自分の中で変わったものはないです」というが、憧れてきた1桁を身につけることができた。自分にとっても、節目の1年になることはわかっている。
昨オフの契約更改の場で、球団に背番号を変えたい意思を伝えた。2023年は今季は102試合に出場して42安打、打率.236、0本塁打、15打点。守備面でも一塁15試合、二塁27試合、三塁26試合、遊撃43試合と、ユーティリティプレーヤーとしてチームに貢献し続けた。今季が9年目。「ゼロを1つ減らしたいというのはずっと思っていた」という願いが形になった。
キャンプイン前日の1月31日。福岡から宮崎に移動し、そこで選手は新年のユニホームと初めて出会う。自分の部屋に入り、0番のユニホームを手に取る。「見ただけで、着ていないですけど」と照れ笑いするが「入団当時、背番号を初めてもらった時の気持ちを思い出しました」と気持ちは新たになった。
大分商業高時代は4番や6番、他にも「20番も付けたことありますし、いろんな番号を付けたことありますよ」という。1桁=レギュラー、というイメージが強い高校野球。プロに入って、高校時代には存在もしていなかった00番を付けることになった。「決められた背番号でしたね、球団から『これです』って言われたものでした。(00番は)あんまり見たことがなかったので特別な印象がありました」と、新鮮な気持ちを抱いたことは今も覚えている。
00番から0番へ。具体的な気持ちの変遷があったというよりは、かなり早い段階から1桁への思いはあったそうだ。「この00番をいつか1つ減らしたいという思いでやっていたので。1桁っていうんですかね。いずれはっていうのはありました」。今オフでは大関友久投手が42番から47番へ。近年でも栗原陵矢外野手や三森大貴内野手らも背番号の変更を経験している。憧れだった番号を背に、キャンプの競争の中でアピールしていきたい。
新しい背番号をお披露目して数日しか経っていない。反響については「周りはまだまだ高田(知季2軍内野守備走塁コーチ)さんってイメージがあるみたいです」と話す。2013年から現役を引退する2022年まで着用していた高田コーチの印象が、ファンの中でも根付いていることを川瀬も感じ取っている。「早く自分の背番号だと認識されるようにやっていきたいです」と、まずは開幕1軍入りを見据えていた。