ソフトバンクのロベルト・オスナ投手が29日、2月1日からの春季キャンプに備えて来日、福岡入りした。昨季、ホークスに加入し、今季が2年目。本人の口から語られたのは、新たに4年契約を結んで残留した“最大の決め手”。チームメートへの愛着、家族への思いが、その決断を後押ししてくれた。
オスナは2022年6月からロッテに入団。NPBでのキャリアがスタートすると、2023年からホークスに移籍した。昨季は49試合に登板して3勝2敗、26セーブ、防御率0.92。守護神として圧倒的な存在感を示してきた。小久保裕紀新監督も、開幕に合わせて調整してもらう投手の1人にオスナの名前を挙げていた。
オスナが自分のコメント、すなわち“肉声”として最後に言葉を発したのは昨年10月17日。2023年のシーズンが終わり、帰国前に応じた鷹フルの単独取材が最後だった。年が明けて、今月8日には球団から正式に再契約が発表。誰もが喜んだ「オスナ残留」について、初めて自らの言葉で語った。一体、何が最大の要因となり、残留することを決めたのか。
「やっぱりチームメートの存在です。チームメートが素晴らしいですし、雰囲気もとてもよかったので戻って来たいと思っていました。このチームなら絶対に優勝できるということもあったので、それが一番の理由かなと思います。雰囲気もいいですし、チームメートです」
オスナは昨シーズン中から「ファミリー」と表現するチームメートへの愛着を何度も語ってきた。「ホークスに来て、みんな素晴らしいチームメートだし、新しいチームになって、新しい家族ができることはすごく幸せなことなんだ」。単年契約だった昨季を終え、メジャーリーグ復帰や国内移籍など、さまざまな可能性を含めて自分のキャリアと向き合い、考えた。結果的にホークスと4年契約を結んだが、契約としてこだわりたかったことも「特にない」という。最後の最後にホークスを選んだのは、もう1度この仲間たちとプレーしたかったからだ。
今月8日、球団から残留についてのコメントが発表された時。オスナは福岡を「第2の故郷」と表現していた。その真意についても「僕もそうですけど、家族もすごく福岡のことが大好きです。福岡に戻ってくるもう1つの理由として、福岡の地が大好きだったことです」と明かす。昨季中、母国から弟を含めて家族が来日した期間もあった。家族を幸せにするため、家族を守っていくために、NPBでプレーすることをオスナは望んでいた。
「福岡というのも大事なんですけど、日本という国がとても素晴らしい。メキシコから来た時に、メキシコは安全じゃないですし治安も良くない。そこに比べると日本は素晴らしい国ですし、家族も大好きなので、本当にいい国、福岡が故郷だと思います」
熟考を重ね、チームを決めた。気になる体の状態についても「2日間、移動だったので体は疲れているんですけど、体調としては問題ないです。最初の1週間でもう1回食事と気候に慣れていきたいです。メキシコは暑くて、日本は寒いので、それに慣れるのに1週間くらいかかると思います」と言う。3月29日の開幕まで、ちょうど2か月後。時間をしっかりと使って、プロフェッショナルとして最高の状態にして開幕を迎えるつもりだ。
4年という長期の契約を結び、キャリアとしても脂が乗っているこの時期を、ホークスで過ごすと決めた。「時間があるので、いっぱいお話しましょう」と呼びかける。愛する家族とチームメートのため、ホークスを優勝させるため、そしてファンのため。全てを背負い、オスナが福岡に帰ってきた。