滲んだ悲壮な覚悟「今はキャンプのことしか考えられない」 山川穂高のコメント全文

自主トレを公開したソフトバンク・山川穂高【写真:竹村岳】
自主トレを公開したソフトバンク・山川穂高【写真:竹村岳】

同級生・嶺井博希とリチャードの存在が「すごく心強い」

 ソフトバンクにFAで加入した山川穂高内野手が27日、福岡・筑後市にあるファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」で報道陣に自主トレを公開した。約2時間ほどの練習では軽いノックと打撃練習を行って汗を流し、2月1日から始まる春季キャンプに備えた。練習後に報道陣の取材に応じたコメントは以下の通り。

――ここまでの自主トレの手応えは?
「例年とちょっと違う流れの自主トレになっていたので、暖かいところではできなかったので例年に比べるとちょっとだけ汗をかく量が減ったかなと思いますけど、量的にも質的にもしっかりできたかなと思います」

――新たなチームで迎えるシーズン。今の気持ちは?
「最初は慣れたりするのに少し時間がかかりますし、苦労するかなとも思いますけど、自分のできることは決まっていますので、そこをしっかりやっていって、毎日1つ1つのことを一生懸命やろうと思っています」

――筑後に来るのは何回目?
「1度来たことがあります。ただ結構前なので。練習で使いましたけど、あまり覚えてはないです」

――筑後の施設の印象は?
「すべての面でいい。プレーしやすい、野球が上手になる環境が整ってると思います。筑後は2軍の施設なので、あまり来ないように頑張りたいなと思います」

――嶺井選手やリチャード選手など同郷の選手がいると心強い?
「もちろん。嶺井は昔から仲良くしていますし、リチャードも自主トレをずっと一緒にやっていたので、そういう人がいると、コミュニケーションも取りやすい。いろんな人の紹介だとか、あの人はこういう人だよとか、いろんなコミュニケーションが取れるので、すごく心強いです」

――自主トレをやっていたリチャード選手と同じチームになる。
「僕より飛ばす力がありますし、何か掴んだ時にはライバルになると思っているので。バッティングで聞かれた事は教えたり、アドバイスしますけど、基本的にはライバルだと思っています。リチャードだけではなく全員がライバルだと思っているので、普段仲良くしたりするのと、野球はまた違うのかなと思うので、そこはメリハリをつけていきたいなと思っています」

――筑後に来るまではどこで自主トレを?
「いつもは後輩たちを何人か誘ったりして、沖縄とかでやりますけど、今回は空いてる球場が栃木の方にあったので、そこで1週間(やりました)。あとは東京の社会人のグラウンドをお借りしてやっていましたので、福岡に来てからも社会人野球のグラウンドを借りていました。筑後は今日で最後になると思うんですけど、そうやって色んなところを転々としながらやっていました」

――SNSでは元日から練習する様子をアップしていた。
「元旦は、基本的に何かしら、日付が変わる時に走ったりとか、そういうのをやるのが恒例ではあったので、今年は元旦、日付が変わった瞬間に打ち始めて、またイチからスタートしたいなっていう気持ちでしたね」

――キャンプはA組スタート。体の状態は?
「(状態は)良いとは思うんですけど、ソフトバンクのキャンプに入って今までと違う流れになると思いますので、体の張りであったりとかランニングであったり、バッティングの量も含めて、自分のペースではいかないのかなと思っています。でも、それは覚悟しているので、なんとか食らいついていきたいなと思っています」

――今年の自主トレはどのようなことをテーマに取り組んできた。
「バッティングを基本的にはメインでやるんですけど、ランニングもここ何年か怪我があったりとか、全部の試合に出れないことが多かったので、もう一回体作りを見直しました」

――バッティングの部分で新たな取り組みは?
「そんなに……。今までやってきたことをまた丁寧にやるということで。ホームランをしっかり打つのは、体も大事ですし、再現性が高くないといけないので、新しいことに取り組むというよりは、より正確にタイミングを取ったり、構え方を安定させたりとか、そういうことが大事になってくると思うので、そこは意識してます」

――去年は実戦から離れていた。今年の自主トレで変化を感じたか。
「実戦から離れるのは普通にシーズンを行っていても、3か月近く離れますので、そこで感覚はゼロになる。少しでも早く感覚を取り戻したいなっていうのはありますけど、これは自主トレでどうにかできる話ではないので、実戦に入ってからしっかり取り戻していきたい」

――ティーバッティングで足の上げ方など様々な打ち方をしていた。
「シンプルにドライブラインに行ったので、そこで教わったメニューというか、自分の体の使い方でアドバイスしてもらったことを今やっています。ただ、それが全部ではないので、教わったことは教わったことでやって、あとは自分の感覚もあるので、ミックスさせながらやっています」

――足の上げ方などがどういったことに繋がるか。
「話すとすごく長くなるんで、また今度お願いします」

――練習で1番大切にしていることは。
「合理的にやることです。量ももちろん大事ですし、質も大事にはしていますが、結局、サッカーの練習をして、野球がうまくなることはないので。野球の練習をしたり、バッティングの練習をする時に、ホームランを打つにはホームランを打つ練習があると思っていますし、守備でもそうだと思う。やっぱりより答えに近づけれるような練習を意識しながら、頭で考えながらやるっていうことは意識しないといけないと思うので、そういう意味で合理的な練習を、より質の良い練習を数多くやるっていうのを大事にしています」

――練習量のこだわりは?
「休んでいる時間も長いので、僕は。バッティングして休憩してる時に、みんなで話して、ああだよね、こうだよねっていう話をするのも、これはこれで練習ですし、夜に食事しながら、自分の考え方とか、頭を鍛えるっていうのも練習なので。それを全部含めると、丸々練習してることになるので。特別、誰よりも練習するとか、そういうのはあまり今は考えていないです。ちゃんと自分に必要な練習を、自分が好きな時間やる。早く切り上げることも全然あるんで、そこはバランスを取りながらやっています」

――バッティング練習中に嶺井選手と話し込むシーンもあった。
「嶺井はもう昔から仲いいっていうのもありますけど、対戦している相手でもありましたし、同級生ですし、同期ですし、野球に対する考え方、見ている視点もまた違う。そういうのを僕は吸収して、嶺井も僕にバッティングを聞いてくれるので、僕ならこうするとか、いいバッターはこういう風に打ってるよねっていう話は常々しています」

――どんなキャンプにしたいか。
「自分のペースでここ何年かはできていた部分もあるんですが、そうはいかないと思っていますので、1日1日を必死にやっていくだけです。どちらかというと、頭で考えながら練習するというよりは、体をいっぱい使う練習になると思っていますので。もう1回、若くなれるようにというか、若々しくいけるようにしっかりやっていきたいなと思います」

――今シーズンの意気込み。
「いつもなら正確なホームラン数とか、打点はこれぐらいあげたいとか、そういうのも考えるんですが、新しいチームですし、まずはキャンプ初日を迎えること。初日が終われば、2日目という感じでいくだけなので。明確な目標、先の目標は考えていないので、まず明日頑張ります。明日というかキャンプ初日に向けて頑張ります」

――佐々木朗希投手の印象と今年の対戦への思いは。
「(バットに)当たらないので。速いのでとにかく。もし対戦する機会があれば、まずは当てたいなと。いっぱい三振を食らってますので、そこはやり返したいなっていう気持ちもあるんですが、どうしても今は佐々木朗希くんよりは、キャンプ初日しか見えていないところがある。そこは対戦する時が来たら言いたいなと思います」

――ドライブラインの話をしていたが、シアトルに行っていた?
「日本に来ていましたので、そのタイミングで行きました」

――ファンにどういう姿を見せたいか。
「シーズン終了のことは、ちょっとまだ考えれないんですが、僕はホームランを打つことが1番だと思ってますし、明るくというか、元気を出してチームを盛り上げていくっていうのも僕のできることなのかなと思っています。そこは1つ1つやっていきたいなと思っていますので、そういう姿を是非見てもらえたらと思います」

――前のチームとの対戦の時にはブーイングを浴びる可能性も。そこをどう力に変える?
「力に変えるという考えも……。なんて言うんですかね、今はキャンプのことしか考えられていないので、そこは、まだ先の話なので、ちょっとまだわからないです。いろんな選手を見てきましたけど、プレーする時には目の前にあることを全力でやっていますし、僕たちもそうしてきたので、周りの環境とかそういうのが先ではなくて、打席に入れば、今、目の前にあるボールを全力で打ちに行く、守備の時も勝つためにプレーするだけだと思っていますので、自分のできることを1つ1つやっていきたいなと今は思います」

――現在の体重の増減は?
「体重はちょっと測っていなくて。いつもだったら家に体重計があって毎日測るんですけど、感覚だと108キロぐらいだと思います」

――最新で103キロぐらいの発表だったはず。
「あれはそうですね、サバを読んでいますので気をつけます。でも、103にしたいわけではないです。107、108ぐらいが僕のベストだと思いますので、108に変えてもらいます」

(取材・竹村岳、飯田航平)