大のプロレス好きで「三沢光晴選手が一番好きです」
ソフトバンクに新たに15人の戦力が加わる。10月のドラフト会議で指名した支配下7人、育成8人のルーキーたちが12月4日の新入団選手発表会見でお披露目された。投手が10人、野手が5人。多士済々の顔ぶれを1人ずつ紹介していく。
ドラフト4位で指名されたのは明大の村田賢一投手。コントロールを武器に東京六大学リーグ通算15勝をマークした右腕で、担当の宮田善久アマスカウトは「精密なコントロールで球を動かして打ち取るスタイルは、今年の大学生ナンバーワンの精密機械」と評価する。村田自身も「コントロールとボールに動きをつけられるっていうところが一番」と、胸を張る。
コントロールをより磨こうと思ったキッカケは大学2年の秋のリーグ戦にある。2021年9月26日の慶大戦。5回途中からマウンドに上がっていた当時2年生の村田は1点をリードしたまま、9回のマウンドにいた。2死まで持ち込んだものの、ここで代打で出てきた選手に痛恨の同点弾を浴びた。
「9回まで勝っていたんですけど、確かあと1球まで行って、あと1人打ち取れば終わるっていうところで同点ホームラン打たれたんです。結果的にそれが優勝に繋がりましたし、そこが一番、自分的には辛くて……。そこから本当に低めを徹底しようっていうところはありました」。この秋のリーグ戦は慶応が優勝。明大はあと一歩の差で頂点を逃したのだった。
目標とするのは阪神の西勇輝投手。コントロールを武器に、右打者のインコースにもどんどん突っ込んでいく投球スタイルだ。「インコースって、なかなかずっと投げ続けられるピッチャーっていないと思うんです。西投手のように、ああいうことをしていかないといけないんだなっていうような意味も含めて、ああいう選手になりたいと思います」と掲げる。
大のプロレス好きでプロレスの話題になると、目を輝かせて話す。「三沢光晴選手が一番好きですね。団体的にはゼロワンとかNOAと言いたいところはありますけど、最近結構ハマっているのはDDT。面白系のプロレスをしているところで、一番好きです」。プロで活躍してトップレスラーに会うことも密かな目標だ。
プロレスだけでなくゴルフ、車、自転車、サバイバルゲームと多彩な趣味を持つ村田。大学時代、チームメートたちからは「ナセル」と呼ばれ「2年生くらいからだったと思うんですけど、なんかもう気づいたら定着していたんです。本当に理由が分からないし、誰が言い出したかも分からないんです」。由来も何も分からない謎のニックネームだ。
契約金の使い道に「投資だと思います」という独特の回答も繰り出した村田。「投球スタイル的に早く打ち取れるところは打ち取ろう、という気持ちでいるので、三振にはそこまでこだわってないですね」。かつてエースとして君臨した摂津正氏のようなタイプ。偉大な名投手のようにコントロールで打者を手玉に取る姿を見せてもらいたい。
(鷹フル編集部)