「馬も一生懸命走ってる」 “走ること”の重要性…柳田悠岐が痛感する加齢による変化

契約更改交渉に臨んだソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】
契約更改交渉に臨んだソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

「キツいこと、やるのがイヤなことをやろうって思っています」

 ギータなりの“決意表明”だった。ソフトバンクの柳田悠岐外野手が9日、本拠地PayPayドームの球団事務所で契約更改交渉を行い、5000万円減の年俸5億7000万円(金額は推定)でサイン。7年契約の4年目が終わり、来季、そして契約の残る3年に向けて「個人的には納得いってないシーズンが続いているので、まだまだ頑張ります」と意気込んだ。

 35歳となったプロ13年目の今季は、9年ぶりに全試合出場を果たし、リーグ3位の打率.299をマーク。自身2度目の最多安打のタイトルを獲得し、本塁打数はリーグ5位、打点はリーグ2位の成績を残した。全試合出場の要因は「DHじゃないですか?」と笑わせつつも「体的には意外にまだいけるなっていうのも思う」と手応えを口にした。

 当然、30代も半ばに差し掛かり、加齢による肉体の変化は感じている。「今までは頑張らんでもできたんですけど、今は頑張らんとできないので。それぐらいですかね。まだ、頑張ったらできるんで耐えているかな、と思います」。衰えこそ感じるものの、トレーニングでカバーできている。このオフも自らを徹底的に鍛えるつもりでいる。

 重視するのは走る量だ。「やっぱり走れなくなったら終わりなんで、走ることは絶対にやります。キツいんで。キツいこと、やるのがイヤなことをやろうって思っています。トレーニングで1番キツいのが何かと思ったら、やっぱりランニングなんで」。長距離、短距離問わず、ランニングにはこだわって、自主トレのメニューにも組み込む。

 偉大な“元祖・超人”からのアドバイスもある。かつて自主トレを共にした糸井嘉男氏だ。弟子入りがブレークのキッカケとなった大先輩からも「膝を怪我して走るトレーニングが減ってから、動きが悪くなった。それがバッティングとか守備にも繋がって、ちょっとパフォーマンス落ちた。お前は走れる内はずっと走れ」と説かれた。柳田も「自分もそれは感じている」と同調。だからこそ走る。

 競馬好きで馬主にもなった柳田らしく「やっぱり馬も、一生懸命走っているんで」と“ギータ節”でランニングの重要性を語る。来季は背番号「9」の先輩である小久保裕紀監督が指揮を執る。「小久保監督を胴上げしたい」。4年ぶりのリーグ優勝へ、柳田はオフもガンガン突っ走る。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)