ソフトバンクの柳田悠岐外野手が9日、本拠地PayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、今季から5000万円減の年俸5億7000万円(金額は推定)プラス出来高払いで契約を更改した。交渉後の会見では「給料は少し下がりましたけど、出来高が少し変わったという感じ」と明かした。
今季は9年ぶりに全試合出場を達成し、163安打と264塁打は共にリーグトップ。自身2度目となる最多安打のタイトルを獲得し、打率.299はリーグ3位、22本塁打はリーグ5位、85打点はリーグ2位と打線の核としての役割を果たした。にも関わらず、来季の年俸はダウンに。それは一体なぜだろうか?
柳田は2019年オフに7年契約を締結した。4年目が終了したところで、2020年から2023年までの4年間の成績を加味し、2026年までの3年の契約内容を決めることになっており、このオフがそのタイミングだった。柳田はこう語る。
「4年間の成績というか、今年だけではなくて、ですね。4年間のトータルの成績で、っていう感じです。(ダウンに関しては)もちろん(納得)です」
7年契約の1年目だった2020年は打率.342、29本塁打86打点、2021年は141試合で打率.300、28本塁打80打点をマーク。昨季は怪我による離脱もあり117試合の出場にとどまり、打率.275、24本塁打79打点。柳田自身はこの4年間を「もっとできたな、と思う部分もありますし、よくできたなっていう部分もある。そんなに『良かったです』という風には思わない。微妙な感じです」と言う。
決して今季の成績だけでの評価ではなく、当初の4年間の契約によって定められていた条件によって、5年目の年俸が決まった。決して悪くない成績だが、2019年オフに結んだ条件でのダウンのようだ。「出来高が少し変わった」と明かす通り、基本の年俸が下がった分、年齢も36歳となる5年目以降は、活躍に応じて支払われるインセンティブの割合が厚くなっていると見て間違いないだろう。
2019年オフの7年契約を結んだ際、球団からは条件の見直しのない契約も提示されたが、交渉の中で4年、3年の“分割型”契約にまとまっていた。柳田は当時「4年まずやって、その後の3年が決まる。モチベーションとしても下がることはない。36歳、37歳、38歳で読めない部分もあったので」と“モチベ”を理由に挙げていた。
また「『辞めてもいいんですか?』と聞いたら『いい』と」と、柳田が希望すれば、4年終了時点で残り3年を破棄して引退することもできたが、流石にそれもせず。この日も「4年、あっという間やったなっていうのも思いますし、もっとできたなって思うところもある。体的には意外にまだいけるなって思うので」と語った。
「個人的には納得いってないシーズンが続いているので、まだまだ頑張ります」というのが柳田の本音。3年続けて逃しているリーグ優勝のため、キャプテンという職務から離れても、チームを引っ張る存在ではあり続ける。