笹川の打球速度は「メジャー選手に見劣りしないと言われていた」
ソフトバンクは15日、野手が宮崎、投手が筑後で行う秋季キャンプ第4クールの2日目を迎えた。キャンプも残り3日となる中で小久保裕紀監督は笹川吉康外野手らのバッティング練習で打撃投手を務めた。前夜にはコーチ陣でミーティングを行い、来春キャンプに向けた大まかな方針を決定。その中身についても明らかにした。小久保監督のコメント全文は以下の通り。
――笹川選手の打球がすごかった。
「今日ね、俺が(今まで)投げた中でも多分3番目ぐらいによかったと思います。あれくらいの力はあるんですけど、確率が悪いんで。でも、今日は良かったですね」
――驚きの声も。
「もう打球速度はメジャー選手と並べても匹敵する、見劣りしないと言われていたんですよ。もう芯に当たったら、それくらいになる」
――ドライブラインのフィードバックの日でも変わった、と。
「そんなすぐにはアレですよ。ティーとかだったら変わるけど、でも、今この肩の入りをずっと意識しているんで、今日も足をちょっとオープン気味でも、昨日はオープンでも肩が入っていたかな。いっそのことそのまま行ったらっていう感じでやっていて、それでもまだ入っていますけどね。入りすぎっていうフィードバックだったんで」
――それでもアレだけ飛ばせるから凄い。
「飛ばす能力は親から授かったもので、自分の努力じゃないです。親に感謝です」
――あとは確率を上げていく努力。
「守備と走塁は本当にものすごい良くなってきているんで、まずはファームで3割3分打って、やっと1軍の2割8分くらいの選手になるって、数字ではっきり出ているんで、それを言うと夢も希望もなくなるかもしれんけど、ほとんどの選手はファームだったら、3割4分近く打ってます。まとめて出たら、ね。それで初めて5分ぐらい下がって、2割8分ぐらいっていうのは大体もうそうなんで。まずは、3割と言わず、3割3分ぐらい打って、1軍に殴り込みをかけるぐらいまでの数字をまず残すのが先決なんでね」
――今年はずっと3割と話していた。
「それで2割2分くらいでしょ、今年ね。そのぐらいじゃないと上では勝負できないです」
――水谷選手も飛ばしていた。
「ジェシーは自分の形がもう出来上がってきている感じなんで、あまり変えない方がいいですよね。あのまま固めてしまう方がいいかなっていう話をしているんですけど、オフになって突拍子もないバッティングに変えて来る時があるんで。今の子は結構それが多いんですよね。いろんなところに習いに行って、せっかく良かったのにっていうのがあるんですけど、好奇心、向上心なんであんまり否定できないですしね。でも、もう8月ぐらいがあの形なんで、あのままいってほしいですね」
――午前中のロングティーで柳町くんに声をかけていた。
「真ん中周辺の打率が4割超えてて、ちょっと外れたところになると落ちるのと、2ストライク後にガタッと落ちる。それは誰でも落ちるんですけど、アイツの場合、練習のときから僕らが投げているボールでも、ちょっと四隅に行ったら見逃すんで。練習はベース板の上の球は全部振れって言いました。いっぱいぐらいでも全部見逃すんですよ」
「練習のわかっているボールの、ベース板上のボールを全部芯に当てられへんかったら、試合じゃ3割残らないじゃないですか。練習から真ん中付近しか打たなかったら。練習は四隅までは打て、ここ(ベース板から外れたところ)までは打たなくていい。幅のいっぱいにかかるボールを見逃すんですけど、それを打て、と。練習でわかってる110キロいかないようなボールやったら全部芯に当てて、初めて試合では3割に届いてくると思うんで。その練習の取り組みの考え方を話しただけです」
――柳町選手は今年は三振も多かった。
「出塁率とか投げさせた球とかも考えているんで。そりゃ三振減らせって言ったら、初球からポンと打って凡打になるんで、それは三振減りますよ。でも、それでいいのかってなるんで。一概には、今調べてる数字では、三振数はあまりチームの得点貢献には関係ないです。実は。そうなんですよ。僕も初めて知ったけど」
――来春キャンプの話し合いは。
「絶対に外せない選手っているじゃないですか。その確認をしたぐらいと、あとスケジュールですね。いつぐらいにどういう練習するっていうスケジュールと、休日の設定はもう早めにしようと思っているんで、4月1日までの休日を全部決めて、11月中にはアプリで選手に送ります、練習メニューと休日を。第1クールどんな練習、第2クール、第3クールはこんな感じで進みますよっていう。プラスランニングメニューを含めて、11月中にはもう全選手がアプリで見られるようにしようと」
――年によっては柳田選手ら主力がB組スタートになることもあった。
「来年はもう全員、1軍の選手は全員A組ということでいきます。僕が監督に代わっているのもあるし、そっちの方がいいだろうっていう話になりました」
――紅白戦の時期であったり実戦形式は。
「第4クールぐらいから始まりますかね」
――4月までの休日を先に出すと言うのは。
「例えば、休日にしかできない予定を入れるじゃないですか、1軍になればなるほど。歯医者行ったり、メンタルトレーニングに行ったりとかいろいろ。そのためには設定してあげた方が予定を組みやすいんで、栄養士さんところに学びに行ったりとかね。ちょっと離れたところに治療に通ったりとかは、もうそれ休みじゃないと行けないんで。上に行けば行くほど、休日にそういう予定は組むんで」
――台湾のウインターリーグには正木選手ら9人が参加。
「実戦に行く子たちは当然、実戦の中でつかめるものもあるでしょうから。あと試合数が今年少なかった選手が主に選ばれているでしょうからね。正木も入っていたでしょ? 来年の春のA組スタートに向けて、そこでの活躍とか状態ってのは判断材料になりますね」
――今年は開幕で5番。それ以上の立ち位置になるためには。
「圧倒的なバッティングです。だって、守備に誰が期待しているんですか。守備は期待しないです。肩が直らないと無理ですけど、だからといって守備はそんなに期待していないんで、僕が入団したときのように打って飯を食うっていう、とことん打つ」
――それができるだけの能力はある。
「スイングスピード、打球速度は、もうシモンと正木と(笹川)吉康ぐらいは抜けているんで。なかなか120キロぐらいのスイングスピードが常時出るバッターはなかなかいないですから。出てましたよ」
――FA選手が公示された。ホークスとしては山川選手と山崎福選手を調査する、と。
「選手の能力としては、2人とも高いものがありますよね。選手の評価としては高いものがあります。その先はもう球団が判断して決めることなんで」
――明日も打撃投手で投げる?
「明日、川瀬が名指ししてきやがったんで。血マメできてんのに(笑い)。明日で最後なんで。今日投げる予定なかったんですけど、明日は400メートルがあって、アイツらみんな終わったら絶対に打つ気力ないからって、今日みんな集まってきました。読みやすいんですよ、動きが。400メートルしたあとって大体みんな動かないんで。その分、今日打っておこうって、メーンでもサブでもで10人くらい打ちに来たんで。今日は投げる予定なかったんですけど、明日は名指しなんで投げますよ」
――走ったあとでも打つという意欲がある。
「400メートルのあとなんで、どのぐらい出来るかわかりませんけど、って言っていたけど、最低40分ぐらいは投げてヘロヘロにしてやろうかな(笑い)舐めてるでしょ」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)