小久保監督って「そこまで見えているの?」 高谷コーチも驚く“視野の広さ”と人間力

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:福谷佑介】

現役時代も含めて計8年間、小久保監督を見てきた高谷コーチ

 4年ぶりのV奪還を目指す2024年に向けて、新生ホークスが動き始めている。小久保裕紀監督が2軍監督から昇格、就任し、11月2日から始まった秋季キャンプは、配置転換だけでなく、新たなコーチングスタッフも加わり、新体制で来季に向けた準備をスタートさせている。

 2006年の大学生・社会人ドラフトの3巡目で白鴎大から入団した高谷コーチ。ルーキーイヤーに小久保監督は巨人からホークスに復帰し、指揮官が現役を引退するまでの6年間はチームメートとしてプレーした。高谷コーチが現役を引退し、2軍バッテリーコーチに就任した2022年から小久保監督は2軍監督に就任。今度は監督とコーチという間柄で、2年間を共に過ごした。

 現役で6年間、そして指導者として2年間、小久保監督を見てきた高谷コーチは「現役の時と変わらないんですけど、視野がめちゃくちゃ広いんですよね。そこまで見えてるの、みたいな。常に周りを見ること、いろんな方を見ているなっていうのは感じます」と指揮官の“凄み”を語る。

 2軍監督に就任した当時から指揮官が苦言を呈してきたのが、練習中に飲んだペットボトルがベンチなどで散らかっている“ペットボトル問題”や、筑後の玄関にスリッパが履き散らかされていた“スリッパ問題”だ。選手、首脳陣、スタッフが使う共用スペースの散らかりっぷりを正すように、口酸っぱく唱えてきた。

「皆の生活の場なんで、僕らも気づきますけど、そういうのも含めてやっぱりいろんなところを見ているなっていうのは感じます」と高谷コーチ。人間性を重んじるところは常に一貫しており「そういう自分の経験も含めて、みんなが納得しますよね。頭ごなしに言うわけでもないので」と、その人柄に触れている。

“勝利”が必ずしも大事ではない2軍監督時代は、ほぼ選手起用はコーチ陣に一任していた。それはバッテリーについても同様で、高谷コーチは「起用に関してはほぼほぼ任せてもらっていました。ココイチで監督がコイツを使ってくれとか、配球に関してあのタイミングではアレだからっていうのは話すことはありましたけどね」という。

 監督として大切にしてきたのは「コーチを飛び越えないこと」。それは就任会見を含め、ことあるごとに口にしてきた。常に“スジ”を大切にする小久保新監督。高谷コーチの言う“視野の広さ”で、秋季キャンプはあらゆるところに目を光らせている。

(鷹フル編集部)