「球団がそういう考えなので、それに従うしかない」
22日に戦力外通告が発表されたソフトバンクの森唯斗投手、嘉弥真新也投手、高橋純平投手、古川侑利投手、上林誠知外野手が、首脳陣やチームメート、スタッフへ挨拶するため、PayPayドームを訪れた。5選手はその後、報道陣の取材に対応した。現役続行を目指す5人のコメント全文は以下の通り。
・上林誠知外野手
――昨日発表があっての心境は。
「まずは10年間、本当にありがとうございました、というところと、ここまで今の自分を作ってくれたのはホークスのおかげなので、本当にそこは感謝しています」
――この10年間はどんな10年だった。
「初めて出たのが2年目でしたけど、初ヒットはレフト前で、初ホームランが逆転満塁ホームランっていうところで、あのホームランをキッカケに覚えてもらったっていうのが大きかったと思います。はじめの5年間っていうのは、本当にいい思いをさせていただいて、あとの5年は怪我が多かったりとか、苦しかったですけど、それも含めていい思い出です」
――この数年は怪我との闘いでもあった。
「昨年、大怪我しまして、その怪我に勝って覆したかったという気持ちで今年やってましたけど、やっぱりアキレス腱というのは、そんなに甘くなかったというか。頭ではこう動きたいけど、動いてくれないっていうのがずっとでした。でも、本当に最後なんですけど、10月に入ったぐらいから徐々によくなってきて、これだったらというのはちょっと見えたので。その矢先だったんですけど、なので、来年どうなるかわからないですけど、自信はちょっとあります」
――最後は1軍にもいた。通告には驚いたのでは。
「ちょっとビックリしましたけど、球団がそういう考えなので、それに従うしかないなっていう感じです。現役は続けるつもりでいます」
――トライアウトもある。
「その辺はまだ全然決まってなくて、でも前向きにやっている感じですかね」
・高橋純平投手
――球団から戦力外と発表があった。現在の心境は。
「今年、もう今年だけじゃないですけど、もう最後の1、2年は覚悟して野球をしていたので、そんな驚いたとかではないですね」
――今後はどうしていく。
「自分でもよく考えて、まだ僕が投げられるマウンドがあるのであれば、挑戦したいなっていう気持ちが強かったので、現役を続行できれば、続行したいと思っています」
――トライアウトという選択肢もある。
「そこも視野に入れて、まだ何も決まっていないっていうのが現状なんで、いろんな人とも、球団の人とも話しながら、いろいろ話を聞いてやろうかなと思っています」
――2015年のドラフトで入団して、ホークスでの8年間は。
「本当にいいこともたくさんありましたし、でも、やっぱり思い返すと、苦しかった記憶だとか後悔が残るシーズンがほとんどだったので、でも、先輩方やコーチの方々に挨拶したんですけど、本当に携わってくださった方々のおかげで、8年間っていう短い期間ではあるんですけど、頑張れたかなと思います」
――今の自分の状態は。
「まだ課題はもちろんあって、制球力だったりとか、特に最後の方は結果を何とか出したくて変化球に頼るところが多かったので、投手コーチの(斉藤)和巳さんだったりとか、小久保監督と話す中で『投手は真っ直ぐだぞ』っていう話をいただいた。変化球で新しい球種に挑戦したりっていうことで、自分に自信がある程度戻ってきたっていうのもありましたけど、何より最後のシーズンは怪我なく、肩も肘も壊さずに投げ切ることができたので、体としては問題ないかなと思っています」
――今、自分がアピールできるところは。
「課題とちょっと背中合わせなところでもあるんですけど、やっぱりまだまだ真っ直ぐは150キロ以上出ますし、変化球もまだまだ負けてないと思っているんで、まだ勝負できる武器は持っているかなと思ってます」
――去年の秋に小久保2軍監督が高く評価していた。今年1年感じた難しさは。
「今年1年に限らずなんですけど、やっぱり一度、ああやって1軍でたくさん投げさせていただいた次の年に怪我をして、そこから、自分に自信が取り戻しきれなかったところが一番要因かなと思っています。でも、その中でも本当にこの最後の2年というのは、腐りそうになったところで、2軍の監督が小久保さんだったから、最後まで諦めずに挑戦し続けられたなと思っているんで、もちろんドラフトを引いてくださった工藤さんもそうだったんですけど、小久保さんには本当に感謝しています」
――NPB12球団以外の選択肢は。
「考えてはいますし、もちろんそれも選択肢の中に考えてはいますけど、希望は、12球団のユニホームを着て、また今ご挨拶させていただいた先輩方やスタッフの方と、またグラウンドで会えるのが一番理想かなと思っています」
・古川侑利投手
――通告と発表を受けての心中は。
「そうですね。現役ドラフトという形で入ってきて、この1年が勝負だと自分で思っていたんで、まず1軍で結果を残せなかったので、そこは悔しいですね」
――現役ドラフトという新しい試みで移籍してきて、どんな1年間に。
「本当、僕の中ではすごく学ぶことが多くて、すごくレベルの高い選手たちがたくさんいる中で、1人1人がすごく野球に対していろんなことを考えて取り組んでる姿だったり、いろんな話を聞いたり、コーチの方に話を聞いて自分のためになるように、レベルアップできるように日々取り組んでました」
――九州のチームでプレーできた。
「もう本当、入団したときからすごく嬉しかったですし、ホークスファンの皆さんの前でもっともっと活躍できる姿を見せたかったんですけど、そういう姿を見せることができずに、本当に悔しいですね」
――今後についての思いは。
「もちろん現役続行でやっていきたいと思っています」
――12月のトライアウトも視野に。
「ちょっとそこはまた考えながらっていう感じです」
――トラウトから這い上がった経験もある。2回目の通告で1回目と違う気持ちは。
「いや、別に気持ちは変わらないですね。『来たか』という。こういう世界なんで、しょうがないって、また気持ちを改めて頑張るしかないなという気持ちですね」
――進化した1年で、まだ自分に期待している。
「そうですね。ここで学んだことが本当にすごく僕の野球人生の中でたくさんあって、それを自分のものにして、次のステップで生かせていけたらなって思っています」
――他球団に自分をどうアピールしたい。
「まずは体が元気ですし、真っ直ぐの平均スピードだったりとかも、上がってきているし、まだまだ上がっている。本当、僕の真っ直ぐを見てほしいですね」
――去年よりもスピードが上がった。
「上がりましたね。トレーニングだけじゃないですけど、本当いろんな人の感覚だったり使い方の話だったりとか、いろいろ自分の中で学んで、そういうのも含めて、トレーニングも含めて上がってきたんじゃないかなと思っています」
――12球団以外の選択肢は。
「そこも正直あんまり考えてなくて、まずはNPBで活躍したいっていうのがあるので、僕の中で。そこだけ考えています。今のところは、あんまり自分の中で、明確に固まっているような感じじゃないので、まず気持ちの整理をする段階ではあるので。でも、現役を続けるっていうのは変わりないです」
・森唯斗投手
――来季の契約を結ばないと発表があった。
「ここ何年か成績も出ていないですし、そこはまあ頭に多少はあったので。そこは受け入れるだけ、受け止めるだけかなと思います」
――まだまだできるという思いは。
「まだ、体も元気ですし、まだまだ野球もやりたいんで、現役は目指していきます」
――正直言われたときは驚きがあった。
「いや、そこまで、びっくりしたっていうのは正直なかったです。まあ、これが現状なので」
――ホークスのユニホームを脱ぐ寂しさは。
「そうですね。そこはやっぱりありますし、10年間やった球団なので、寂しい気持ちはありますし、かといって野球人生はまだ終わっていないので。まだまだ勝負したいですし、勝負できるようにしていきます」
――ファーム選手権でもいい投球していた。自分の状態は。
「もうちょっとレベルアップはしたいなと思います。欲しがってくれる球団があれば、是非行きたいですし、その準備っていうのはやらないといけないなと思っています」
――小久保監督からの言葉は。
「まあ、そうですね。お話はしました」
――どんな言葉だったか
「まあ、色々話はしたので。ここでは、まだいいかなと」
――小久保さんが1軍監督になって一緒にやりたかった。
「そこは、やっぱり一緒にやりたいという思いはありましたけど、こういう結果なので、そこは受け止めて、また違うステージでやれたらなと思っています」
――ホークスファンにはどんな言葉を伝えたいか。
「本当に1年目からすごい声援をいただきましたし、本当に福岡の応援っていうのは、すごく僕の中でも力になりましたし、もう本当に感謝しかないです」
――トライアウトについて
「そこは自分の中では考えてないので。そこの準備はしないかなと思っています」
・嘉弥真新也投手
――通告を受けて現在の心境は。
「悔しいですね。まだ投げられるし、投げたいし、僕の経験を見て拾ってくれる球団があればなと思います」
――現役を続ける。
「はい、現役続行で」
――シーズンの最後の方は手応えがあった。
「はい(手応えが)あったんで、まだまだ体も元気なんで、投げたいなと思います」
――通告された時の心境は。
「ちょっと驚きはしましたけど、こういう世界なんで、しっかりまた切り替えて、次があれば、次頑張るしかないなと思います」
――トライアウトもある。
「そうですね。現役を続けたいので、取ってくれる球団がないと続けられないので。何かしらアピールできる場所があればやりたいなと思います」
――功労者でもあり、想像していなかったのでは。
「悔しいがもう1番ですかね。こっちも若くていい選手がいるんで、切り替えて前に進むしかないなっていう感じです」
――今年はなかなか難しい年。そういう悔しさもある。
「自分にもありますし、思い通りにいかなかったので。『今年は駄目だ』と思ったんですけど、またしっかり鍛え直して、また来年できる自信もあるんで、そこ目指して頑張りたいなと思います」
――誰かに報告の連絡は。
「工藤さんとかには連絡して『まだまだやるんだろ、頑張れ』と。あとはもうほぼほぼ野球の話だった。達川さんにも連絡して、電話とった瞬間に『おお、クビか』って言われて。達川さんもいろいろ励ましてくれました」
(鷹フル編集部)