去就への影響「少しはある」 “回跨ぎ拒否”報道を巡るオスナの胸中…全容公開

ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真:荒川祐史】
ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真:荒川祐史】

「自分は素直な人間なので、嘘とかはつかないです」 鷹フルに明かした真実

 ソフトバンクのロベルト・オスナ投手が17日、単独取材に応じた。16日に行われたロッテとの「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第3戦で、右腕は9回に登板して1回無失点に抑えた。「延長10回への続投打診を拒否した」という一部の報道について、語った全てとは――。自らの去就についても言及したインタビューの全容を掲載する。

――まずはオスナ投手から話したいことは。
「まず、昨日の試合の前、2日前ですね。(藤本)監督とちょっと話す機会があって『もし必要だったら2回でも、何回でも投げます』っていう、フォーマルな感じで言ったんです。昨日になって、いざ、ああいう状況になったけど、誰からも『もう1回行ってくれ』っていう話は一切なかった」

――打診すらもなかった。
「昨日は、状況的に自分でも『もう1回あるかな』って思っていたので、ダグアウトに残って、ちょっと様子を見ていた。でも、ピッチングコーチが近づいてきて『今日はもうこれで終わり』って言われたので終わりました」

――まだ15球。もちろん余力もあった。
「チームが必要なのであれば、何回でも何球でも投げる気持ちはあった。準備はできていましたし」

――シーズンとプレーオフが違うことも理解していたと思うが、2イニング目に行く気概も当然、持ち合わせていた。
「自分が契約したことに関しては、まずチームが優勝するということを目標として契約してくれた。自分もそういう意思で来たので、そういう準備をしてきましたし、楽天との試合(10月7日、楽天モバイルパーク)でも『自分は2回でも3回でも投げます』と監督に言っていた。『投げてくれないか』っていうのに対して『投げない』と言ったことはないです」

――監督と話をしたのはいつ?
「試合の後ですね。2試合目が終わった後に、ヒーローの選手が部屋に呼ばれて『おめでとう』みたいなのがあるんですけど、自分もセーブをしたので呼ばれて、その後にちょっと話す機会があって、その時です」

「仙台、僕らが勝ったら(2位が)決まる試合の時も言いました。『もし必要だったら2回でも3回でも投げます」ということは」

――シーズンを戦って、体も当然キツかったと思う。
「自分はそのために連れてきてもらったと思っている。優勝する、プレーオフで勝つということにフォーカスしていたので、本当に何回でも、必要なら投げられた。投げたい気持ちもあった」

――野球選手としてのプライドが傷つく報道だった。
「自分は素直な人間なので、嘘とかはつかない。でも、ああいった感じで記事が出ると、誰が言って、誰が書いているのかもわからない。それは選手のことを傷つける記事になってしまうと思います」

(オスナ投手から続けて)
「でも、実際に、特にファンの方に理解していただきたいのは自分は、そうやって聞かれていなかったですし、もし仮にチームが『5イニング投げてくれ』と言われたら、5イニング投げるくらいの気持ちはありました」

――自身のSNSでも釈明はできたと思う。あえてメディアに話そうと思った理由は。
「自分はプロフェッショナルでもあるので、物事を正すためには、正しいやり方で正すのが必要だと思った。今は嘘のことが載っているので、これを正すために一番いい方法は、これなんじゃないかと思ったからです」

――改めてファンの人に伝えたいことは。
「自分はチームメートに対してもそうですし、ファンの方々に対しても、チームを助けるために100%でやってきました。自分が発言したこと、有言実行じゃないですけど、自分が言ったことは確実にやります。もちろん、特にチームメートの方々が、自分のその意思はわかってくれていると思うので。常にチームが勝つためにやってきました」

――ファンの反応を見ていると、オスナ投手を擁護する声もあれば、外国人選手に対して、ビジネスライクのように捉えているような声もある。
「実際に、自分は事実を話すことしかできない。コメントに対してもそうですけど、実際に聞かれてもいないし、自分は投げないとも言っていない。でも、その瞬間に聞かれていたら、間違いなく自分は投げていました、というのが事実としてあるだけです」

――去就にも影響があるかもしれない。
「実際、少しはあるかもしれないですね。まずは、彼らがプロフェッショナルではないということ。それと、責任を取らないというのは良くないと思う。自分はプロフェッショナルなので、自分がミスをしたらもちろん自分で責任を取ります。自分が投げている場面とか……。そういったことができない人がチームにいるということは、いいことだとは思わない」

――今後については時間をかけて考える。
「そうですね。まだ段階としては決めるのは早いと思うので、ゆっくりと、帰ってから考えようと思います」

(竹村岳 / Gaku Takemura)