CSのキーマンに即答…継投も「早ければ2回から」 藤本監督が考える短期決戦の“策”

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

10日にロッテが勝ち、鷹の3位決定…14日からZOZOマリンでCS開幕

 ソフトバンクは11日、PayPayドームで全体練習を行った。10日の楽天-ロッテ戦(楽天モバイルパーク)でロッテが勝利したことでロッテの2位、ソフトバンクの3位が決定。14日からはクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージを敵地のZOZOマリンで行う。藤本博史監督が取材に応じ、戦いの見通しを語った。即答でキーマンに挙げた選手とは。

 チームは9日のオリックス戦(京セラドーム)で敗れ、全日程が終了。引き分け以上で2位が決まるシチュエーションだったが自力で決めることができず、結果的に3位となった。指揮官も「受け入れるしかない。決められるところで決められなかった自分の責任」と受け止める。その上で「CSに行くということは、まだ日本一のチャンスはある。選手にハッパをかけながらやっていきたい」と前だけを向いた。

 ファーストステージは最大3試合。3位のホークスにとっては2勝が必要となる。「先のことを考えずに、まずは第1ステージを突破することだけを考えてやればいい。第2ステージには強いオリックスが待ち受けていますから」。あっという間に終わってしまう短期決戦。キーマンを問われると、即答だ。

「当然、周東ですね」

 そして「塁に出てかき回してくれれば相手バッテリーにとっても脅威だろうし。3番4番がうちの看板なので、そこで返すことができれば理想」と続けた。36盗塁で3年ぶりのタイトルに輝いたスピードスター。9月、10月は打率.330とチームを引っ張った。9月29日の西武戦で左足を痛めて、この日も打撃練習は行わなかった。「だいぶ良くなってきている。明日は普通にやるんじゃないですか」と指揮官が状態を代弁する。

 投手陣に関しては「全員です」と言う。守護神のロベルト・オスナ投手は49登板で26セーブ、防御率0.92と絶対的な安定感を誇る。それだけに「オスナまで繋ぐこと。オスナをキーマンにしても、オスナまで行かなかったらどうしようもないからね。全員がオスナまで繋ぐことを考えてくれたら」と、投手をつぎ込んででも、リードして終盤を迎えるのが理想的だ。

「いい中継ぎはたくさんいるので、早い回から。5回、6回候補の投手を“止め役”として注ぎ込むとか。先発投手が80球から100球を全力で行ってくれたら、いい投手をつぎ込んでいくということ。7、8、9回は変わらないですから。6回、5回、4回、3回……。早く行けば2回からでもいい投手をつぎ込んでいきますよ。全員で行く形でね」

 宮崎で行われている「フェニックス・リーグ」に、野村勇内野手や井上朋也内野手、板東湧梧投手らがこの日は参加。指揮官は「まだ2軍から、投手なんかも候補がいれば呼びますよ」と入れ替えも示唆する。短期決戦での大事なことも「先手必勝じゃないですか。先取点を取ることが一番大事になってくる」と言うように、主導権を握って、ホークスの流れに持ち込んでいきたい。

 宮崎にいる1軍管轄のメンバーは12日も試合に出場し、13日から関東で合流する予定。結果が全ての短期決戦。まずは全員で、大阪への切符を勝ち取る。

(竹村岳 / Gaku Takemura)