高校の先輩を「バレないぐらいにちょっとイジり出してます」
どんな世界や分野にも、上には上がいるもの。それはホークスの選手たちにとっても例外ではありません。野球のことはもちろん、私生活でも「アイツには参った」と思う瞬間があるようで……。チーム内には、いろんなナンバーワンが存在します。
グラウンド上だけではない選手の魅力を深掘りしている鷹フルでは、“敵わないと思ったチームメート”を調査。尊敬の中に、多少のイジリも!?中には約6年前の忘れられない思い出も飛び出しました。
・東浜巨投手
「ゼキさん(大関友久)のマイペースには参りました。マイワールドを持ってます。勝てません(笑)。自分のやることはすごい。ブレない。哲学者みたいな感じなんで、あの感じはちょっと勝てないっす。真似できない」
――特にマイペースだなと思ったことは?
「やっぱり野球界って先輩が先に集合していると、ちょっと焦って『早く俺も出よう』みたいになるじゃないですか。それがないです。我が道を道を突き進んでるんで。そのマイペース感が羨ましい。羨ましいって言い方がおかしいか(笑)。なんて言うか、自分を持ってる。あのストレートな感じが勝てないっす。ゼキさんは猪突猛進型というか。自分が思ったことに突き進む。いい方に出ればすごいと思います(笑)」
・山下恭吾内野手
「(福岡大)大濠高の先輩でもある仲田(慶介)さんです! やっぱ練習いっぱいするし、優しいですし、すごいなと思います。野球をしている時以外は結構優しく接してくれるんですけど、野球のことになったら熱心っていうか、コロッと変わります」
「初めて一緒に自主練習をさせてもらった時、すごいなって思って。夜8時半ぐらいからやるって言われたので、『何時ぐらいまでするんですか?』って聞いたら『11時ぐらい』って。チームの練習以外でも、夜にそんなに練習してるんだと思って。仲田さんって、真面目だけど、意外といじられキャラで。やっぱりそれも日々の姿があるからこそだと思うんで。ま、そういうところも含めて、ですかね」
ーー山下選手はプロ1年目ですが、もう仲田先輩をイジってる?
「いや、ちょこちょこバレないぐらいにちょっとイジり出してます(笑)。(仲田先輩に緊張は?)それはないです。はじめに挨拶に行った時から優しくしてくれた。結構話しやすいというか」
――話は変わりますが、山下選手は9月に4軍から“飛び級”で2軍に昇格。初打席の緊張はありました?
「いや、あんまり。思いっきりいけました。まあ、失敗してもいいやろっていうぐらいの気持ちで。やっぱり3、4軍でやることが多いんですけど、言い方悪いですけど、こんなとこでやってる場合じゃないなっていうような気持ちにはなりました。結果も出たんですけど、あとは送球の精度などを上げていけば、難なくできるのかなとはちょっと思いました」
・田上奏大投手
「井上朋也です。アイツ、中学校の時から知ってて、もう日本代表とか行ってたバケモンでした。ちょうど同じボーイズリーグで、支部は違ってアイツは奈良県のチームにいたんですけど、関西のセレクションみたいなので知り合いました。もうその時からオーラがあって、すごくて。仲良くなってLINEを交換しました」
「僕らが中3になる頃に、僕のチームが主催する南大阪大会っていう大会があったんです。僕ら弱いんで、すぐ負けたんですけど、アイツらめっちゃ強いチームだったんで、残ってて。準決勝、決勝が僕らがいつも練習してるグラウンドだったんです。僕らは手伝いみたいなのがあったんですよ。途中から行ったんすけど、生駒ボーイズにエグいバッターがいるみたいな話になってて。井上って聞いて、『自分、友達!知ってるわ〜』みたいな」
「何がエグいのかって、まず僕がどんだけ頑張っても3年間で1回も放り込めなかったグラウンドで、準決勝、決勝で5ホーマーしたんですよ。準決勝の時点ですでに4本ホーマーしてるって聞いて。嘘つくなよみたいな。もうええってたいな。僕はその時、どんだけ頑張っても放り込めなかったんで。で、決勝を見に行ったら、ちょうど朋也の打席やったんすよ。見てたら、いきなりパーンって振って、逆方向の右中間にフライ上がったんですよ。あ、ライトフライやって思ったら、そのままホームラン入って。伸びたんです。朋也たちが優勝したんですけど、準決勝、決勝で5ホーマー。それ見たときは、もうちょっとコイツにはかなわへんなと思いました。ちょっと笑っちゃいました。凄すぎて」
「のちのちプロに入ってからその時のことを話しました。(2020年のドラフト会議で)ホークスのドラ1が朋也やと思ってたら、自分も。自分がまさかプロに入れると思ってなかったので。LINEとか持ってたんで、すぐ仲良くなりました。朋也は当時からバケモンだったから、今も何しても驚かないですね。1軍ですぐヒット打ってたけど、それも驚かなかったです」
(取材・米多祐樹、上杉あずさ / Yuki Yoneda,Azusa Uesugi)