勝ちたい思いは選手も同じ「みんな自分の仕事をしようとやっています」
ソフトバンクは24日、敵地ZOZOマリンスタジアムでのロッテ戦に7-6で競り勝った。初回にキャプテン柳田悠岐外野手の適時打で先制すると、勢いに乗ってこの回一挙に5得点。ロッテの猛反撃で1点差まで迫られたものの、辛くも逃げ切った。これで66勝66敗2分けの5割に戻し、2位ロッテと並んだ。
キャプテンの一打がチームを勢い付けた。初回、先頭の周東佑京内野手が右前安打で出塁。すかさず盗塁を決め、川瀬晃内野手の犠打で三塁へ。ここで柳田は相手先発・横山のボールに詰まりながらも、左前へ。先制の適時打となると、その後、今宮健太内野手、三森大貴内野手にも適時打が出て一挙に5点を奪った。柳田は6回にも貴重な7点目となる犠飛を放って、この日2打点。試合後は「良かったです」と安堵の表情を浮かべた。
ロッテ、楽天との熾烈なクライマックスシリーズ争いが続く終盤戦。勝って2位に並んだものの、もし敗れていれば、4位の楽天にゲーム差なしで並ばれるところだった。リーグ優勝は逃したものの、まだ、選手たちはギリギリのところで戦っている。それはキャプテンの柳田であっても同じだ。
リーグ優勝の奪還を目指した今季だけに、この成績に決して納得できるわけではない。ただ、どんな時でも応援してくれるファンのためにも、目の前の1試合1試合を必死に戦うしかない。柳田はキャプテンとしてチームの思いを代弁する。「みんな自分の仕事をしようとやっていますし、こうやって接戦を取れたのは大きいかなと思います」。
だからこそ祈った。1点差に迫られた終盤。8回は松本裕樹投手が招いた2死満塁のピンチをなんとか脱した。9回も守護神のロベルト・オスナ投手が2死一、二塁と一打同点の場面を作られたが、なんとか切り抜けた。ベンチで戦況を見守った柳田は「『もう頼む』『みんな頑張れ』っていう感じでしたね」と、チームメートに思いを託した。イニングが終われば、真っ先にベンチの前に出て仲間を迎えた。
どれだけ苦戦したとしても1勝は1勝。この日の白星は大きい。ロッテと肩を並べて、残りは9試合だ。「もう残りは少ないですし、みんなでまた力を合わせて、最後まで戦い抜きたいなと思っています。また明日頑張ります」。誰よりも勝ちたいと思っているのは選手たちだ。決して多くを語らない柳田の言葉に、チームみんなの思いが詰まっていた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)