終盤戦の苦境に背負う責任「投手に負担を…」 近藤健介が語る現状、仙台の連敗でチームの空気は

ソフトバンク・近藤健介【写真:竹村岳】
ソフトバンク・近藤健介【写真:竹村岳】

仙台で連敗を喫してこの日は移動ゲーム 初回から特大の23号3ラン

 真っ直ぐに、チームの現状を受け止めていた。ソフトバンクは21日、ロッテ戦(PayPayドーム)に4-2で勝利した。初回に近藤健介外野手が放った勝ち越しの23号3ランが決勝点となった。勝負の9月という中で、仙台での楽天戦は連敗。移籍1年目ではあるが、打線を担う主軸としてチームの空気をどのように感じているのか。率直な思いを打ち明けた。

 先発の有原航平投手が初回にポランコの一発で先制を許し、その直後の攻撃だった。先頭の周東佑京内野手が中前打で出塁。川瀬晃内野手が四球でつなぎ、柳田悠岐外野手の右前適時打で同点とした。打席に入った近藤は3球目のスライダーを振り切った。右翼ポール際に舞った打球の行方を見つめ、身を乗り出す。「飛距離は気にしていないですけど、いい一発だった」。本塁打を確信すると、高々と拳を掲げた。

 18日には日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)で勝利するも、優勝の可能性がなくなった。20日にはオリックスがロッテを破り、リーグ3連覇を達成。2位に14.5ゲーム差をつける独走を許してしまった。19日からの4位・楽天戦では連敗。移動して迎えたこの日、チームの雰囲気をどのように感じていたのか。

「昨日は昨日で、流れ的には良くないですけど。ミヤさん(今宮健太内野手)も帰ってきて、三森も帰ってきた。ある程度形にもなって、有原さんが先発でしたし、全員で勝ちたい気持ちはみんなが持っていたと思います。早い段階で逆転できてよかったです」

 日本ハムから海外FA権を行使して、ホークスにやってきた。7月に12連敗を喫するなど、夏場から失速。シーズン成績では65勝65敗2分けの勝率5割、9月も9勝9敗。130試合以上を消化して、クライマックス・シリーズ進出を争っている状況だ。チームの空気を「僕よりも勝ちを知っている選手ばかり。そういうのについていきながら僕はやらせてもらっている。足を引っ張らないようにと思っています」と言う。

 16日に今宮や三森が体調不良を訴えた。特例2023で離脱者が続き、比例するように負けが続いてしまった。柳田との両輪でグラウンドに立ち続けたが、近藤も9月打率.250と調子を上げられずにいた。「なかなか、思う打撃はできていなかった。そこは試行錯誤というか、日々の準備をしながら。僕とギータさんの調子が上がっていなかったので、投手にも負担をかけていたと思う」と責任を背負って戦っている。

 この日3ランを放った後、球団広報を通じたコメントでも「負けられない試合」と話していた。言葉の意味に踏み込まれると「もちろんここからが大事になる。上も下もどうなってもおかしくない状況だと思うので。1つ1つ、目の前の試合を勝つように。それにつながる1本を打てれば」と前だけを向く。4位楽天とは1.5ゲーム差に広がり、2位ロッテとは1差にまで迫った。泣いても笑っても、残り11試合だ。

「9月は数字もついてきていなかったので。感じはだいぶ良くなってきましたけど、大事な時には結果を求められる。結果が出るように試行錯誤をしながら。必ず2位になって、このPayPayドームで(CSを)第1戦を戦えるように頑張りたいと思います」

 1つでも上の順位を必死に目指す。近藤健介のホークス1年目も、あと少しだ。

(竹村岳 / Gaku Takemura)