なぜ5回途中に突然の捕手交代? 首脳陣の説明は…代えられた嶺井は「分からないです」

ソフトバンクの嶺井博希(左)と甲斐拓也【写真:竹村岳】
ソフトバンクの嶺井博希(左)と甲斐拓也【写真:竹村岳】

勝ち越しを許した5回1死で突然キャッチャーを交代させた藤本監督

 ソフトバンクは20日、敵地・楽天モバイルパークでの楽天戦に1-6で敗れた。先発の大関友久投手が4回1/3を投げて2失点。5回にはイニング途中でキャッチャーを嶺井博希捕手から甲斐拓也捕手に交代させたが、楽天打線を止められずにリードを広げられた。首脳陣はなぜ、突然に嶺井から甲斐に交代させたのだろうか。

 先発の大関は、立ち上がりから制球に苦しんだ。3回まで無失点も、ボール先行が目立ち、2つの四球を与えていた。4回は無死から島内、浅村に連続四球。続く岡島には初球が頭上付近を抜けていく暴投に。結果的に点は与えなかったものの、本人も「四球が多くリズムの悪い投球になってしまった」というほどだった。

 そうして迎えた5回だ。先頭の太田に四球を与えると、犠打で1死二塁に。ここでベンチは大関を諦めて津森にスイッチしたが、村林に勝ち越し適時打を浴びた。続く伊藤にも中前打を浴びたところで、藤本監督が立ち上がりベンチを出た。告げたのは嶺井から甲斐への交代。甲斐はすぐさまキャッチボールをして、なお1死一、三塁のピンチでマスクを被った。

 突然の捕手交代も結果的に裏目に出た。島内、浅村にも連打が出て2点を追加されてリードを広げられ、一気に敗色濃厚に。なぜ、あのタイミングでの捕手交代に踏み切ったのか。

 試合後、藤本博史監督は「津森で止めに行っているから。津森を嶺井は受けていないから」と説明した。津森が連打を浴びたことが捕手交代に至った理由だと言う。森浩之ヘッドコーチも「抑えに行っている投手があそこで2本打たれたら、こっちも考えることになってしまう」と説明した。

 今宮健太内野手、中村晃外野手、三森大貴内野手らを欠く今のチーム状況。結果的に打線はこの日も7安打1得点に終わっただけに、5回で一気に離されるという展開だけは避けたかった。森ヘッドコーチは「抑えに行っているんだから、あそこで打たれていたら話にならない。そこはバッテリーで反省してね、明日に繋げてもらいたい」と続け、代えられた嶺井は交代をどう受け止めたか問われて「分からないです」と呟いた。

 何よりも大きいのが、4位の楽天に喫した2連敗という結果だ。これで楽天モバイルパークでは4月16日の対戦で勝って以来、8連敗となり、ついに0.5差にまで詰め寄られた。対楽天はこれで8勝14敗となり、残り3試合。離脱者も相次ぐ中でも、時間は待ってくれない。ホークスはここから意地を見せることができるのか。

(竹村岳 / Gaku Takemura)