2軍降格に素直な思いを語った。ソフトバンクの野村勇内野手が18日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグのオリックス戦に「5番・遊撃」でフル出場した。降格後初打席となった2回の第1打席には左翼への1号ソロを放ったが、その後は2打席連続三振に終わった。
「(本塁打は)プラスなんですけど、あと2打席三振してるんで、全然良くないかなという感じです。ここで打てていたら、(2軍に)落ちてきてないんで。打てないから落ちてきてるんで、こんな感じかなと思います」
試合後の表情は浮かなかった。今季、1軍では28試合に出場して49打席に立ったのみ。そのうえ打率.179と成績も振るわなかった。8月は5試合の出場で3打席(3打数無安打)だけ。スタメン出場は7月23日のロッテ戦にまで遡り、出番がない状況に置かれていた。
自身の今季について「たまにしか(試合に)出ることがなかったんですけど、出た時に結果を残せないと1軍にいられない。そういうところで、あからさまに打てない球があったりで、しっかり克服するために(2軍で)っていう感じ」と分析する。
自身も打撃面の課題を受け止めている。その一つが左腕のチェンジアップ。以前、長谷川勇也打撃コーチは「もう見逃すことで精一杯で打ちに行けなくなる。打ちに行ったら、見逃すことができなくなる」と話していた。相手の術中にハマらない技術を身につけることが、求められていた。
1軍では吉本亮打撃コーチと課題克服に向けて取り組んでいた。「バットの軌道だったり。ダイレクトでバッといっちゃって、スライダーとかに飛びついちゃう。そこを見られる“間”っていうのが欲しいですね。スイングの中で我慢できる間が作れるようにっていう感じです」。1、2軍の打撃コーチの間でもコミュニケーションを取ってもらっており、1軍でやってきたことを2軍でも継続して行っている。
「実戦を重ねてみないと」という上で「このまま継続で、モノにできるように、みたいな感じです。感じ的にはいいので、投手の球を見て慣れてきたら、いい感じになるんじゃないかなと思っています。わからないですけど……」とも。小久保裕紀2軍監督は「どうしてもヘッドが下がって打ちたい子なので、それをもうちょっとだけ修正できた方が僕は良いと思う」とも話していた。
出場機会の少ない中でもアピールしていかなければならないのがプロというもの。難しい状況にあった野村勇だが、2軍降格をどう受け止めたのか――。
「あのまま1軍にいても無理やなと思ったんで、ここでもう1回作り直してっていう感じです」
ベンチで控えている時間が長くなると、運動量的にも落ちてしまう。PayPayドームと違い、筑後の暑さは尋常ではなく「そもそも暑くて、体力的に練習どころじゃなくなるぐらいしんどいですね。体力ないんで、やばいです。死にそうです。今日めっちゃ疲れてます」と、試合後は疲労困憊の様子だった。小久保2軍監督も「やっぱり試合出てない。ショートの動きにしても、本来のスピードが出てないなっていう感じなんで」と指摘していた。
1軍でベンチを温める日々に「モチベーション、保てなかったです。ベンチばっかりやったんで。やっぱり難しいですね。高いモチベーションを持ちながらベンチにいるのは」と思わず本音もこぼれる。ただ、こうも続ける。「ここでしっかり打てたら希望もあるんで、上がったらいけるんじゃないかなと思うんです。(状態も気持ち的にも)いい感じになって上がりたいと思います」。前を向き、現状を打ち破っていくつもりだ。