栗原陵矢とデスパイネが1軍合流…藤本博史監督は「足の状態は問題ない」
登録抹消となった理由に迫った。ソフトバンクのリチャード内野手と野村勇内野手が14日、出場選手登録を抹消された。リチャードは17試合に出場して打率.146、0本塁打、1打点。野村勇は28試合に出場して打率.179、2本塁打、5打点に終わっていた。2人が再調整となった背景を、藤本博史監督と、森浩之ヘッドコーチの言葉から紐解く。
代わって1軍に合流してきたのが栗原陵矢外野手とアルフレド・デスパイネ外野手。栗原は7月29日のロッテ戦で左膝を痛めたが、抹消されている間に2軍戦では6試合に出場した。藤本監督は「栗原は『2軍だとこれくらいやるでしょう』というところ。足の状態は問題ない」と状態を説明する。「デスパは状態がいいということで、小久保(裕紀2軍)監督から連絡は来ている」と続けた。残り43試合を駆け抜けるため、2人にもう一度大切なピースになってもらう。
栗原が登録抹消となったのは、7月30日。以降の11試合で先発三塁を務めたのは周東佑京内野手が1試合、リチャードが10試合だった。数字以上に内容を評価されてきた大砲候補のリチャードだが、突き抜けた結果を出すことはできず。「最初の3試合はよかったけど、残りはまた去年に戻った」と分析する。それでも、もう一度使いたいと思うようなものを見せてくれたことは確かだった。
「よかったら残りの43試合で、10日間でもどんどん入れ替える。もうちょっと(リチャードを)使いたいのはあったけど、増田と野村大樹も状態がいいからね。そこを替えるわけにはいかないからね。増田、野村(大)に関しては(相手投手の)右左、関係ないですからね。特に大樹の場合はチャンスにも強い。増田もいいところで打っているわけですから。これからちょこちょこ使うと思います」
野村勇は7月23日のロッテ戦(ZOZOマリン)を最後に、スタメン出場から遠ざかっていた。8月はチーム10試合のうち、5試合出場にとどまり、打数はわずか「3」。無安打と結果を残せずにいた。森ヘッドコーチは、抹消の理由を「今のバッティングじゃ、なかなか。足から、守備固めからしか使うところがなかったので」と説明する。打席数を重ねさせるためにも、首脳陣としてもここで2軍降格を決めるしかなかった。
昨季に10本塁打10盗塁を記録するなど、思い切りの良さが最大の持ち味でもある。一方で、長谷川勇也打撃コーチからも「今は相手の術中にはまりやすい状態ですよね」と表現されるなど、相手先発が左投手の時も先発を外れることもあった。森ヘッドコーチの目からも打撃の状態について「やることがうまく行っていない状況。去年と同じというか、バッティングが良くならないと、レギュラーを取ってもらわないといけない選手なので、その決断です」とバッティングが最大の理由となったようだ。
抹消前はほとんどの試合で三塁を託されていたのは栗原だった。藤本監督は「まだ使うか、使わないか決めていない。今日(15日)のバッティングは、打撃コーチに『しっかり見といてくれ』と。悪かったら周東も使えるし、開幕当初は一番、1番とか2番にハマってくれたらよかった選手だから。(栗原が1軍に)来たからといってすぐに使うかはわからない」と話すにとどめる。残り43試合。総力戦になることは間違いない。
(竹村岳 / Gaku Takemura)