生海は「悠長にリハビリしてる場合じゃない」 見据えるべき“上の状況”…小久保2軍監督コメント

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:竹村岳】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:竹村岳】

高橋礼は5試合連続で無失点 「配球いらない」というほど秀でている部分とは

 ソフトバンク2軍は5日、ウエスタン・リーグの広島戦(タマスタ筑後)に7-1で勝利した。先発した高橋礼投手が3回無失点の好投。2番手で登板した板東湧梧投手は6回1失点だった。打線では井上朋也内野手が3安打。生海外野手が7回にソロ本塁打を放った。試合後の取材に応じた小久保裕紀2軍監督の一問一答は以下の通り。

――1軍でも実績のある投手が投げた。
「板東は1軍でローテーションも入っているし、あれくらいは投げるでしょう」

――東浜巨投手が抹消となった。森唯斗投手や高橋礼投手も含めて、(昇格の)候補になる。
「そうですね。今の2軍の中ではガンケルよりは、彼らの方が全然(候補として近い)。ガンケルが明日ビシッといったらわからないですけど」

――高橋礼投手は5試合連続で無失点。
「走者がたまって、三塁まで行った時も粘り強く投げていたので。今日に限らずなんですけど。今日はそんなにピンチはなかったですけど、三塁に行ってからも(点を)与えないというのを継続できている。2軍ではずっとあの姿なんで。1軍でも同じ姿を出して、それでやられたら仕方ないんですけど。(これまでは)1軍に行ったらあまりにも変わってしまうような登板だったので」

「ピンポイントで勝負をかけに行くのは難しいと思いますけど、やってきたことをそのまま出せるようにやってほしいですね」

――7月に無失点が続いていた要因は、マウンドでの落ち着き方なのか。
「そうですね。でも、一番いい時よりは落ちていますけどね。一番いい時は143キロくらい出ていた。それはもう配球いらないですよね。高めに構えていたら、2軍の打者は、1軍でも多分、あの下からの143キロはなかなか打てない。今日はそこまでは出ていなかったんですけど、下からの武器。高めの真っ直ぐで打たれたら(仕方ない)。そこは生命線ですよね」

「どちらかというとね、アンダースローの速球派の投手なので。高めを狙ってファウル、フライを打たせる。空振りを取る投手。ゴロを打たせるタイプのアンダースローではないですね」

――野手では井上朋也内野手が3安打。1か月ほど3軍に行っていたが、その経緯は。
「守備コーチから話があって。打っている時と打っていない時、あまりにも守る姿、集中力が違うので。打てない時に守りのエラーが続いていたので、本多コーチ(2軍内野守備走塁コーチ)の方から『このまま置いていても彼のためにならない』っていうことで」

「たまたまその時に大樹(野村)が落ちてきたので、どっちにしても行かせる予定だったんですけど。本当は大樹が来たから落ちたんじゃなくて、その前に落ちている。理由はそれです。でも昨日の練習の取り組みを見たら、全然違う姿だったので。それはそれでよかったと思います」

「今日の3安打もそうですけど、僕は『.280(打率)は絶対に打て』と話をしている。.280のために3本目(6回無死にはセーフティバントで出塁)を貪欲に取りに行っているわけで。送りバントも決めて、ゴロも全部さばいて。めちゃくちゃいい日でしたね」

――今季は2軍と3軍の入れ替えが活発だが、戻ってきた選手の表情は変わっているものなのか。
「課題は与えているので。でも打つのは、3軍に行ったら打つので。打っているところに変化を求めないですよね、人間って。成功しているのに、そこからもっと良くしようっていう変化は難しいと思う。失敗したから変わろうと思うわけで」

「ただ川村(友斗)にしても、今回上がってきた時には対応ができているので。(笹川)吉康とかは下に行って上がってきたら、1試合は捨てゲームみたいな感じ。全然当たらないですもん。じゃあ1軍に行ったらどうなるんですかって話にもなるんですけど、それくらい2軍と3軍でも違うっていう話です」

「(1~3軍の投手の違いは)やっぱりキレとコントロール。変化球がきそうっていう時の変化球が甘いとか、それが2軍ならコーナーになる、1軍ならボールになっていく。どんどん良くなっていくわけで。ただ、他の球団の2軍の首脳陣よりは、3軍があることによって選手の危機感とか、そういうものは我々は恵まれていると思います」

――生海選手も7回にソロ本塁打。
「150キロ以上投げられる左投手(塹江)ですけど、カウント3-1から見え見えの真っ直ぐを打つから1軍に行ける。ほとんどの人がファウルにしているじゃないですか。あのくらいの選手が1軍クラスだっていう見方をした方がいい。あれをミスショットしている選手は、永遠にレギュラーになることはない。見え見えの真っ直ぐでね」

「それがホームランになるのはね、長打力があって、生まれ持ったものがあるかもしれないですけど。あれを芯で、ヒットゾーンに運べないようでは、1軍に行ったら難しいですね」

――今日は右翼での起用だった。1軍でも右翼起用があっただけに、そこを見据えた。
「井出コーチ(2軍外野守備走塁コーチ)に『ライトでスタメンで使ってくれ』って話をしたので」

――守備、走塁に課題のある選手だと思うが、バッティングはそれだけ秀でている。
「そうですね。本来はもうちょっと、この週末くらいまでは(2軍に)呼ぶ予定ではなかったんですけど。僕がもう(呼んだ)。『痛い』とかじゃないので、体調不良だったので。試合の調整はするから、早くこっちに寄越せって言って。無理くりこっちに呼んでいるので。だから昨日も今日も途中で代えています」

「だって今の上の状況で、今日は勝ったけどね。上の状況を考えたらちょっと打ったらすぐにほしいと思う。悠長にリハビリをしている場合じゃない。あとは体力だけなので。体力は1日経てばどんどん回復していくわけですから。リハビリして肩が悪い、足が悪い、腰が悪いっていうのではないから。『やれ』って言って、やらせました」

(竹村岳 / Gaku Takemura)