まさかの9連敗で折り返し 貯金6でパ・リーグ3位…フロントが下す前半戦の評価は?

ソフトバンク・三笠杉彦GM(左)【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・三笠杉彦GM(左)【写真:藤浦一都】

木村光を支配下登録した“投手事情”「どちらかというと投手の方を」

 ソフトバンクは43勝37敗2分けで前半戦を終えた。終盤には痛すぎる9連敗を喫したものの、貯金6の3位、首位のオリックスと5.5ゲーム差でオールスター休みを迎えた。後半戦は2位ロッテ、オリックス、ロッテといきなり上位との8試合が控えているだけに、今のゲーム差は“デッドライン”とも言える。チームの良さも課題も出た前半戦の戦いをフロントトップの三笠杉彦取締役GMはどう見たのか。

 1軍のチーム打率.246はオリックスの.254に次いでリーグ2位。得点数298も同じくオリックスに続いて2位と、現在は8戦連続2得点以下と苦しんでいるものの、一定の結果を打線は出していると言える。課題が出たのは、長打の面。二塁打、三塁打、本塁打を足した数字は、ホークスは「174」。西武の171に次いで、同ワースト5位だった。外国人選手に本塁打が出ていないのも、12球団でホークスだけだ。

 投手陣はどうだろう。チーム防御率3.19はリーグ4位、失点数281も同5位だった。開幕以降は劇的な改善が見られていた四球だが、236個を数えて同4位の多さで折り返した。リーグ上位だった数字は被安打620(1位)、73ホールド(2位タイ)と、中継ぎ陣の踏ん張りも数字に表れている。ホームランテラスのあるPayPayドームを本拠地とする影響もあるが、被本塁打70はパ・リーグで一番多かった。

 三笠GMは前半戦を「大事なことはオールスターブレーク前に貯金があって、優勝を狙える位置にいることを評価するべきだ、と。一方で独走して首位を走っているわけではない。1試合1試合というよりは、やっぱり全体を見ながらやっていくことが大事で、ここ最近は打てていないですけど、得点力はリーグトップクラス。どちらかというと投手の方を整備しないといけない」

 冷静に現状を受け止め、内容についてはこう評価していた。5.5ゲーム差も「優勝を狙える位置」と表現する。その中で、育成選手だった木村光投手を支配下登録するまでは68人だった支配下の枠。投手陣に課題が出ていると分析し、1枠を投手に使うという結論になったようだ。

 木村光は2022年育成ドラフト3巡目で佛教大から入団した右腕。ウエスタン・リーグでは15試合に登板して1勝4敗、防御率3.14という成績を残し、三笠GMは「相手を見ながらピッチングができるというところ。ファームで打たれた時もありましたけど、試合を作ったり役割に応じてピッチングができるのが持ち味」と、その力を評価する。起用方法を決めるのは現場だが、「今年がどうなのかわからないですけど、将来的には先発としてっていうタイプ」と語った。

 木村光の昇格で支配下登録選手は69人となった。残り1枠となった支配下の枠について三笠GMは「まだ期限まで時間があるので、色々と考えていきたい」と話す。今回の木村光は、育成からの昇格となったが、“外”からの補強の可能性について「いろんな可能性があります」と話していた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)