離脱中の藤井皓哉がなぜPayPayドームへ? 気になる状態と後半戦に向け首脳陣と話したことは…

ソフトバンク・藤井皓哉【写真:竹村岳】
ソフトバンク・藤井皓哉【写真:竹村岳】

斉藤和巳投手コーチ「久々に会うから話はしたよ」

 早期復帰してくれるのなら、こんなにも心強いことはない。ソフトバンクは15日、オリックス戦(PayPayドーム)で2-3で敗れた。引き分けを挟まずに7連敗となったのは2008年以来、15年ぶり。藤本博史監督は「抜け出せないね、なかなかね。9回が一番見せ場だったかなというところで。こういうつながりを、明日は早い回からできたら」と必死に前を向いた。そんな中で、リハビリ組のある選手と首脳陣がPayPayドームで顔を合わせていた。

 先発は有原航平投手。初回2死一、二塁から頓宮裕真に右前適時打を許すと、6回2死には左中間にソロアーチを許した。相手先発は山本由伸で、8回を終えて1得点。9回に三森大貴内野手の適時打で1点差に追い上げたが、最後は川瀬晃内野手の痛烈な打球が一直となってゲームセットになった。

 指揮官は「デスパ(アルフレド・デスパイネ外野手)がブレーキになっているというか。あそこ(9回)で同点よりも、考えたら逆転を狙ったから打たせたんだけど。しっかり捉えたんですけどね。連敗中でツイていないのか、正面をついてしまった」と苦悩を漏らす。6連敗中で迎えたこの日の試合前練習。首脳陣が一斉にベンチ裏に引き上げていくシーンがあった。ドームを訪れたリハビリ中の選手とは――。

 それは、藤井皓哉投手だった。6月11日の巨人戦(PayPayドーム)で先発したものの、3回を終えて緊急降板。「左内腹斜筋の肉離れ」と診断されて、競技復帰まで4~5週間の見込みとされていた。今季は開幕ローテーションに入り、ここまで9試合に登板して5勝3敗、防御率2.35の成績だった。藤井が来訪した具体的な目的はわからないが、リハビリ中の選手が荷物の関係で訪れることはあるという。

 姿を見せたのは、午前10時45分ごろだった。ホークスは試合前練習中だったが、藤本監督も森浩之ヘッドコーチも、同じタイミングでベンチ裏に引き上げていく。少しして、斎藤学投手コーチ、斉藤和巳投手コーチも同じくベンチ裏へ向かっていった。斉藤和コーチは「来たからさ、久々に会うから話はしたよ。(状態の確認ですか、という問いに)そうそう。もう下でも投げているからね」と明かす。

 藤井はすでに14日の4軍戦で実戦復帰。1回無安打無失点に抑えていた。まだまだリハビリ管轄ではあるもの順調に復帰へのステップを歩んでいる。森ヘッドコーチは「これからどうするのかっていう、スケジュールの(確認)をちょっとしただけ。下でもしっかり投げているから、どうするかやね」と説明した。藤本監督を含めた首脳陣の4人が、藤井と顔を合わせたようだ。

 森ヘッドコーチは慎重な姿勢で「とりあえずもう1回か2回投げて、しっかり調整させてからやね。慌てさせても仕方ないから」と話す。次回登板は22日のウエスタン・リーグのオリックス戦(タマスタ筑後)で登板する見込み。当然、藤井の今後を考えても、今ここで無理をさせるわけにはいかない。リバン・モイネロ投手も登録抹消中と苦しい投手事情。正しいステップを踏んで、1軍を救ってほしい。

(竹村岳 / Gaku Takemura)