7月の変則日程を乗り切るために必要な“頭数”…石川柊太の次回登板について首脳陣が言及

西武戦に登板したソフトバンク・石川柊太【写真:荒川祐史】
西武戦に登板したソフトバンク・石川柊太【写真:荒川祐史】

2日の西武戦で4回2/3を投げて3失点「今は悪いところが目立っている」

■ソフトバンク 9ー3 西武(2日・ベルーナドーム)

 自分で居場所を勝ち取れなければ、他の選手に譲っていくしかない。変則的な日程だからこそ、先発陣にとっては7月が勝負だ。ソフトバンクは3日、PayPayドームで投手練習を行い、取材に応じた斎藤学投手コーチが、石川柊太投手の今後の起用について言及した。現在は苦しんでいる先発右腕だが、中継ぎへの配置転換が果たしてあるのか。

 石川はここまで12試合に登板して3勝3敗、防御率4.62。5月19日の西武戦(PayPayドーム)を最後に白星から遠ざかり、3登板連続で5回持たずに降板している。2日の西武戦(ベルーナドーム)では4回2/3を投げ3失点。3回2死から連続四球を与え、呉に右越えの3ランを浴びた。斎藤学コーチは「いいところもあれば悪いところもあった。今は悪いところが目立っている」と内容を語る。

 石川は中継ぎとしての実績、経験も豊富で、2018年にはシーズン13勝を挙げた。この状態が続くようなことがあれば、中継ぎへの配置転換はあるのか。斎藤学コーチは即答で、キッパリと言い切った。

「考えていないです。先発として、あくまでもダメなら外れるだろうし、よければ使うというところはハッキリとしています。今の中継ぎは本当に充実している。ロングが足りないという若干の不安がありますけど、そこは武田(翔太)が頑張っていますので、今の時点ではそういう考えはないです」

 6月18日に石川は1度、1軍登録を抹消された。28日のウエスタン・リーグの中日戦(タマスタ筑後)で2回無失点という調整登板を挟み、7月2日の西武戦に挑んだ。今回はローテーションを外れる予定はなく「次も投げます」と斎藤学コーチが明言。中継ぎ陣の充実ぶりを思えば、自分の居場所を勝ち取るためにも、先発で結果を残すしかない。

「できればですけど、先発を回しながら入っていきたいので。どうしてもピースとして(石川は)は必要。調子自体もちょっとですけど、持ち直してはきていると思うので。本人も昨日(2日、西武戦)投げた感想としては手応えの部分と、もちろん反省の部分もある、と。自分で『こうなっているからこうなる』と、少しずつ理解しているので。今度はもっと良くなると期待はします」

 7月は3度、月曜日に試合がある変則的な日程。ここまでローテーションを守っている42歳の和田毅投手に、斎藤学コーチは「時間を取ってあげて。体と気持ちの整理をしてもらう」とオールスターの前後で1度登板を飛ばす考えを示している。8月8日の楽天戦(PayPayドーム)からは5週連続で6連戦がある。「中継ぎに負担がくるので、ここは1人(先発を)削らないといけない」と8月にはもう一度ローテーションを固める考えだ。

 今は登録抹消されているカーター・スチュワート・ジュニア投手も、この日の投手練習に参加するなど1軍に帯同している。「どうしても今8人ほど先発がいる。変則的な日程をうまく回すのに、ローテーション的にはもう組み込んでいるので。そこを大きく変えないようにしながら」と、7人以上の投手で7月を乗り切ることになる。言い方を変えれば、7月に結果を出せなければ8月の戦いからは外れていくことになりそうだ。

“先発で結果を出すしかない”という意味では、石川にとっても道筋はシンプルなはず。石川自身も「次に投げる機会があれば、もっと良い投球ができるようにしないといけない」と前だけを向いていた。どんな状態だろうが、1軍のマウンドに立つ以上、チームの勝利のために全力を尽くすしかない。

(竹村岳 / Gaku Takemura)