ベンチの最前列で全力で祈っていたキャプテン柳田の胸中は…
1枚の写真がSNSで反響を呼んだ。24日に本拠地PayPayドームで行われたオリックス戦。ホークスは2-2の同点で迎えた9回に、中村晃外野手の左中間への適時打で1点を奪って劇的なサヨナラ勝ちを飾り、二塁ベース付近でホークスナインの歓喜の輪が出来上がった。
初回に栗原陵矢外野手の中犠飛と柳町達外野手の左前適時打で2点を先制したホークスだったが、2回以降はオリックス先発の山岡らの前にゼロ行進が続いた。先発の東浜巨投手は3回に中川圭の適時二塁打、6回には頓宮の犠飛で1点ずつを失い、試合は同点のまま最終回にもつれ込んだ。
9回の守備をオスナが0点に抑えて攻撃を迎えると、先頭の三森大貴内野手が内野安打で出塁。甲斐拓也捕手の犠打で二塁へ進んだ三森はさらに中村晃への3球目で三盗に成功した。迎えた8球目。ワゲスパックのボールを中村晃が捉えた打球は左中間で弾み、接戦に終止符を打った。
注目を集めた写真はこの9回の攻撃、中村晃の打席でのホークスベンチの様子を写したものだった。上林誠知外野手、谷川原健太捕手、周東佑京内野手と共にベンチの最前列に立ち、両手を合わせて必死に祈っている人物がいた。何を隠そう、キャプテンの柳田悠岐外野手だった。
鷹フルのツイッターとインスタグラムにこの写真を投稿すると、ファンから「いい写真!」「キャプテンの姿、胸熱」「あなたやっぱりキャプテンだよ」「キャプテンカッコいい!」といった声が寄せられていた。チームの勝利を必死に祈るキャプテンの姿が、ファンの感動を誘っていた。
両手を合わせて懸命に祈った柳田。果たしてあの時、どんな心境で両手を合わせていたのか。後日、その時の心境を聞くと“ギータらしさ”満載の答えが返ってきた。
「『頼む、はよ帰らせてくれ』『延長は勘弁してくれ』。それしかなかったです」
もちろん願うのはチームの勝利。それと共に懸命に願っていたのは、試合の早期決着と延長戦の回避。選手だって帰れるのであれば家に早く帰りたいし、避けられるものなら延長戦は避けたいもの。“素直な”ギータはそれを全力で祈っていたことを明かしてくれた。
キャプテンの祈りが通じたのか? この直後、中村晃がサヨナラ打を放った。柳田は真っ先にベンチを飛び出し、中村晃のもとへ駆け寄って喜びを爆発させた。もちろんチームの勝利を第一に喜んだ。それと共に延長戦の回避と早く家に帰れることも喜んだのだった。