ソフトバンクの2軍は19日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの広島戦に2-1で勝利した。先発のカーター・スチュワート・ジュニア投手は5回1失点(自責0)。最速157キロをマークするなど圧倒し、4回までは走者を1人も出さない完全投球だった。2番手の高橋礼投手も3回無失点と好投。打線は4回にリチャード内野手、渡邉陸捕手の連打から相手のバッテリーミスで先制。8回に井上朋也内野手の本塁打で勝ち越した。左太ももの怪我で離脱していた牧原大成内野手は実戦に復帰し「1番・DH」で3打数1安打だった。試合後の小久保裕紀2軍監督のコメント全文は以下の通り。
――先発のスチュワート投手が2軍で今季初登板。
「2軍で今年初めてっていうか、俺が見た中で1番よかったね」
――去年も含めてですか。
「ヘッドコーチの時も含めて1番よかったですよ。2回表に3ボールになった時に、いつものスチュワートかなと思ったんですけど、あんなにストライクが入るピッチングを見たことがなかったんで、あの球威であれだけストライク先行でいけば、なかなか打てないですよ。ボール、ボール、ボールで、もうストライクを取らざるを得ないから打たれるわけですから。しょうもないミスで1点取られましたけど、今までで1番よかった」
――去年からの変化は感じられましたか。
「あんまりそんな込み入った話をしたことはないから、人生観はしゃべったことないからわかりませんけどね。クイックはやっぱりあまりタイムはよくない。でも、クイックを意識し過ぎて、ストライクが入らないぐらいなら、あのぐらいの走力の選手(末包)の時だったら、あのぐらい(のタイム)までは許せるかな、みたいな。(足を)バーンって高く上げるわけじゃなかったんで。まあ、一塁に出たランナーがそれほど速いランナーじゃなかったんで、ちょっと大きめにしていましたけどね。小さく投げられるに越したことはないですけど、それでコントロールがバラけてしまうんであれば、意味がないんで」
「欲を言えば、もうちょっと(クイックの)タイムが速くなればいいですけどね。でも、ずっとパーフェクトに抑えていて、内野安打が出た後、セットになってもすぐにボール、ボールと荒れることがなかったので、良かったんじゃないですかね。今日良くなかったらもう良い日はないでしょうから。それぐらい今日の内容は悪いわけがない」
――6回の振り逃げで渡邉陸選手が悪送球。その後に渡邉陸選手は交代。
「まあ当然でしょう。出す価値なしです」
――何か話はしたんですか?
「したけど、まあまあ、それはいいです。今日はいろいろあったゲームなので」
――井上選手が勝ち越しホームラン。
「井上は素晴らしかったです。その前までの3打席はカスみたいなバッティングしよったけど」
――井上選手は少しずつ状態が上がってきている。
「上がるとか下がるっていう言葉、あんまり2軍じゃ使わないですよね。要は技術を習得している中で、明らかにいいものが出始めているっていうことですね。だから、ある程度の数字を残せる人が、その数字に届かない時に、初めてスランプというのであって、そうでなければ実力がないだけなんで。だから、その辺は去年よりもだいぶ良いバットの出方になっていますね」
――バットの出方の問題だった。
「全部滑って、ヘッドが下がった状態で真っ直ぐをさばけない状態だから、だんだん閉まってくるようなバッティングに変わって。それこそ中西太さんのバッティングですけど、ヘソの前でバチンって、バットのヘッドが返るような感じでずっと練習している。それがだいぶできてきていますね。楽しみといえば、楽しみですね」
――笹川選手は苦手としている左投手からヒット。
「いやいや、左も右も数字変わらないでしょ。そんな左が苦手とかいう問題じゃないです。まだまだそのレベルに達してないです。本当に」
――笹川選手はちょっとコンパクトにと話していた。小久保2軍監督からはどんなことを伝えている。
「それは明石コーチも含めて、そういう話はしていますけど、ゲームの中ではなかなかそんな姿には変わってきていないですよね。同じミスと同じ空振り。空振りが多いんで、あの空振り率が下がらないと。なんであんなに空振りするのかっていうところですよね。ヘッドがちょっと寝すぎてしまっているのがあるんで」
「あと左肩が出すぎていますね。全部その空振りでしょう。普通に接点ないですよね。多分ほんと全然接点がないと思う。バッターってインサイドアウトが大事だと言われるんですけど、あれだけ後ろの肩が出るとなかなかね。だから、同じミスを繰り返して…」
「今ちょっと外野手が多すぎて7人もいて、まとめて試合に出し続けるのはちょっと無理なんで。正木は戻ってきたら、増田もおるし、上林もおるし、優先順位的には(笹川は)もうだいぶ下になるんで。そうなると、また入れ替えというか、打席を立たせに行かないといけないかもしれない。それよりも練習から、もうちょっと極端に変えた方が僕はいいと思います。だって、ロマン砲と言われながら、ホームラン0ですよ。打率2割でも、ホームランを今頃8本ぐらい打っていたらまだいいですよ。1割台でホームラン0だったら、根本的になんか変えた方がいいでしょう。もう3年目やから、クビになることはないとか言っている時間って実はなくて、そのぐらいの危機感持ってやってほしいですけどね」
――古川投手が調整のため2軍で登板。
「古川ね、初めて見ましたよ、1軍から中継ぎで投げに来るなんて。1軍が試合してるのに、珍しいこと。しかも、あんなしびれる場面で。今日って連敗していて、いきなり(勝ち越し)ホームラン打って、1点差でマウンド上がったから、ええ緊張感で投げられたんじゃないですかって(本人は)言っていましたけどね」
――登板間隔が上で開いていた。
「コントロールで崩れるタイプじゃないですけど、場面が場面なんで。ホームランで同点だっていう場面で上がっているわけですから。高村コーチからは『1軍だったらホームラン打たれていたフォークのすっぽ抜けがあった』とは言われていましたけど。まあ、あんな場面で投げると思って来てなかったでしょうね。7回ぐらいでひょこっと投げるぐらいのイメージで来たと思うんですけど、まさかね。カーターが3回の予定で、高橋礼が3回で、7回ぐらいに行きましょうかみたいなところを、カーターが5回まで行ってしまったんで(9回になった)」
――高橋礼投手は今後中継ぎで。
「中継ぎで行くみたいですよ。まあアイツにとってはどこで投げようが、1軍に行くことが全てなんで。行ったり来たりしますね。その原因はいつまでたっても、ピッチャーゴロをああいうこと(捕球ミス)をする選手なんで、あそこから変えないといけない。もう毎回なんで。普通のピッチャーゴロをほぼほぼ、目が悪いんちゃうかなと思うぐらい、素人の人でも多分捕れるぐらいなヤツをあんなミスする。その話はまだしていないんですけど、そういうのは疑わないといけないですよ。乱視が入っているんかな。あれだけコーチから言われたら、普通は意識するじゃないですか。意識しても無理ってことはそういうことなのかな」
――上林選手はどうですか?
「いや、変わってこないです。全然変わってこない。もう今更キャラは変えられないですよね。キャラを変えろって言えるのは、やっぱり高卒3年目までかな。大卒はなかなか難しいし、もう人間が形成されてしまっているんで。高卒はまだ可能性はあって、声の出ないやつが声を出していくとかってことはあるかもしれないですけど、ああいうタイプなんで。ガツガツ行くわけでもなく。でもなんでもいいんですよ、そういうプレースタイルでもいいんで、結果さえ残せればいい。結果が出てないんで、そりゃ上からお呼びはかからないですよね」