栗原陵矢が溢した本音…連敗は「自分の責任」 復調のヒントはガルビスとの“空港打撃談義”

ソフトバンク・栗原陵矢と野球談議を行うフレディ・ガルビス【写真:竹村岳】
ソフトバンク・栗原陵矢と野球談議を行うフレディ・ガルビス【写真:竹村岳】

24日の月曜日に休日を返上…不調でも栗原が貫いたルーティン

■ソフトバンク 5ー3 楽天(27日・PayPay)

 ソフトバンクは27日、楽天戦(PayPayドーム)に5-3で勝利した。6回1死満塁で栗原陵矢外野手が右翼席に4号グランドスラムを放ち、一気に試合を決めた。0-0から試合を動かしてみせて久々のお立ち台へ。「本当に森さんがすごい熱いピッチングをしていたので、なんとか森さんに勝ちをという気持ちでやっていました。最高の結果になってよかったです」とうなずいた。

 今季初登板初先発となった森唯斗投手が6回まで無失点。安打を浴びながらも要所を締め、何度もガッツポーズでチームを鼓舞していた。迎えた6回1死満塁のビッグチャンスで楽天・鈴木翔の151キロを払うようにとらえると、角度がついた打球は右翼席に着弾した。4日のオリックス戦(京セラドーム)以来の一発で、主導権をガッチリと握った。

 試合前の時点で打率.236と不調の中にいたが、準備は一切怠らない。24日の月曜日、野手は休日だったものの、栗原の姿はPayPayドームにあった。直前まで3カード続けてビジターゲームだったこともあり「やりたいことがあったのと、遠征続きでトレーニングができていなかった。やれることをやろうと思った」。不調のきっかけを探す目的もあるが、自分の準備の中の1つとして休日を返上した。

 先週は5連敗と苦しんだが、長谷川勇也打撃コーチは「本当にやるべきことをやって駄目だったら、しょうがない」とルーティンを貫くことが大事だと強調していた。栗原自身も試合への入り方を「変えていないです」と自然体を貫く。試合のない月曜日にドームを訪れることも珍しくはない。「やりたいことがあれば来ますし、何もなければ休みますし。トレーニングメインできたので」とあくまでもルーティンの延長だった。

 楽天戦が雨天中止となった25日の全体練習中、ずっと言葉を交わしていたのはフレディ・ガルビス内野手だった。「千葉から帰る前に空港で話をしていたんです。一緒に並んで、動画も見ながら」。飛行機を待つ時間。スーツの2人は椅子に並び、1台のスマートフォンで打撃映像に目を凝らした。画面の向こうは自分の映像に限らず、メジャーリーガーのものもあった。ヒントはあったかと問われ「もちろん」と即答した。

「自分自身が球にしっかりと入って、インパクトで強く入っていく入り方を聞いていました。すごく打撃練習ではいいと思いましたし、いいきっかけになっていると思います」

 ガルビスが入団した昨季から頻繁に言葉を交わしてきた。「去年のオープン戦から色々話はしてきましたよ」と親交は深い。昨オフには米国で自主トレに励んだ。ガルビスの技術論には当然、興味津々で「メジャーリーガーだからというよりは、一野球人として、1人のバッターとして、あれだけメジャーで打っているバッターなので何かあるはず」と常にヒントを探す。

 5連敗中、栗原はこう漏らしていた。「絶対的に僕が打たないと……。この負けっていうのは自分の責任なので。僕がチャンスで回ってくる回数は勝っている時と変わらない。そこはしっかりと受け止めています」。満塁弾という最高の結果には、ガッツポーズも生まれた。自分を見失うことなく、真っ直ぐに復調のきっかけを探してきた栗原だから、打てたグランドスラムだ。

(竹村岳 / Gaku Takemura)