5試合続けて先発投手が5回持たず…「チーム事情とか流れもある」
ソフトバンクは24日、PayPayドームで投手練習を行った。25日の楽天戦(北九州)の天気も心配される中、森唯斗投手が合流し、斉藤和巳投手コーチは「(天気は)関係なく投げるよ、投げる」と近日中の先発起用を明言した。その他にも和田毅投手、東浜巨投手、石川柊太投手、武田翔太投手が練習に参加していた。
森はウエスタン・リーグで3試合に登板し2勝1敗、防御率0.48と圧巻の成績で1軍切符を勝ち取った。2月には左内転筋を痛めて出遅れたが、斉藤和コーチも「内容も結果も、ボールの質も良くなっている。楽しみですよ、本当に楽しみ」と期待を込める。森自身も「一発勝負だと思うので、しっかりとそこでやるしかない」と闘志を燃やした。
チームは5連敗中で、いずれも先発投手が5回を持たずに降板している。斉藤和コーチも「先発が長いイニングを投げきれない、各々の投手が(全て敗戦の原因)ってわけではない。チーム事情とか流れもあるし、自分が監督と話をして、逆に監督に我慢をしてもらう、そういう状況を作れていないのもある」と分析する。今の状況だからこそ、投手陣に大切にしてほしいのはどんなことなのだろうか。
「流れが悪い時とか、結果が出ない時っていうのは、当たり前のことをどれだけ当たり前にできるかという作業。特別なことをする必要はない。当たり前のことをできていないっていうのが多い。周りからは打線が打てない、先制点を取れないって言われますけど。じゃあ先制点を取られないようにどうするのか、とか。試合には絶対に流れがあるので」
チームの雰囲気が良ければ、自然にできているようなことをもう一度意識することが大事だと強調した。先頭打者を打ち取ること、打線が得点した次のイニングを無失点に抑えること……。「そういうところは連勝中でも連敗中でも(大切なのは)変わりはない。ポイントを試合の中で抑えていけば、そんなに大事にはならないので」と続けた。相手打線を抑えることは常に同じだが、試合の状況を踏まえて、特にここは取られてはいけないイニングだと理解することが大切だ。
現役時代、2度の沢村賞に輝くなど“負けないエース”と呼ばれ投手陣を引っ張った。連敗ストップを託されてマウンドに上がった経験は何度もあるだろう。自身の経験を振り返れば「この言い方をするとどう思われるかわからないけど」と前置きした上で「連敗中の方が楽だった」と言う。もちろん、言葉通りの意味ではない。連勝中なら「連勝を止めてはいけない」という重圧があるが、連敗中はその試合の先発投手が全ての責任を背負うわけではないからだ。
今の投手陣にも「それくらいでいてほしい。1人で連敗しているわけじゃないんだから」と背中を押す。「先発投手の責任だけとは思っていないですけど、結果も内容も含めて先発がもう一度気を引き締めてというか。気持ちを切り替えながら頑張ってもらいたいところです」と、自身にも言い聞かせるかのように語った。しっかりと足元を見つめることで、必ず結果はついてくる。
(竹村岳 / Gaku Takemura)