長谷川勇也コーチが開幕直後から“危惧”していた低迷 つながらない打線の打開策は…

ソフトバンク・長谷川勇也打撃コーチ【写真:竹村岳】
ソフトバンク・長谷川勇也打撃コーチ【写真:竹村岳】

4連敗で首位陥落…藤本監督は「今日はなし」と取材対応せず

■ロッテ 6ー0 ソフトバンク(22日・ZOZOマリン)

 ソフトバンクは22日、ロッテ戦(ZOZOマリン)に0-6と完敗し、4連敗となった。打線は今季3度目の零封負けで、試合後に藤本博史監督は「今日はなし」とだけ言い残し、今季初めて取材に対応しなかった。2番に増田珠内野手を据え、近藤健介外野手を3番に入れるなど打線のテコ入れを図ったが、結果にはつながらなかった。

 チームはこれで4連敗。本塁打は今週4試合で、増田の1号ソロの1本だけに終わっている。連敗の間、柳田悠岐外野手こそ打率.286と奮闘しているが、栗原陵矢外野手が.200、近藤に至っては14打数1安打で.071と苦しんでいる。中軸として打線を引っ張ってもらわないといけない2人が下降線を描き、比例するようにチームも苦しい状況が続いている。

 この状況を以前から危惧していたのが、長谷川勇也打撃コーチだった。開幕して数試合、近藤も栗原も打率4割台と好スタートを切り、ファンも今季の打線に手応えを感じていた時だった。柳田も含めた並びについて「基本的には変わらないようにしますけど、落ちてきた時に早くサポートできるようにしないといけない」と話していた。現状に満足しない長谷川コーチらしい考えがそこにはあった。

「今はみんないいタイミングで、栗と近ちゃんが同じ時期に状態がいい。この先、どっちかの状態が落ちたり、どっちも落ちてくる可能性がある。そこも見据えながら、今はいいですけど、その先も考えないといけないと思っています。逆にね」

 打線は水ものと言われるように、打撃には誰しも波が存在する。長谷川コーチはいつか必ずくる下降線を想定して、選手へのアプローチを考えていた。「逆に僕はそういう感じで見てしまいます」と事前にこの事態を想定していたのだから、こうしている今もきっと、選手とともに打開策を考えているはずだ。

「僕はこの先々を読んでいくと、調子が落ちてきた時には食い止められるようにっていう見方しかできていないですね。そこを見極めて、いいところに持っていくための準備はしておかないといけないなと思います」

 首脳陣は、柳町達外野手の今季初の1軍昇格も決断した。いかに次の一手を早く打てるのか。長いシーズンの中で潜在する永遠の課題を、今のホークスは突きつけられている。

(竹村岳 / Gaku Takemura)