打率1位も「めちゃくちゃいいわけではない」 山本由伸を攻略…牧原大が極める“早打ち”

ソフトバンク・牧原大成【写真:竹村岳】
ソフトバンク・牧原大成【写真:竹村岳】

昨季は2勝3敗…山本由伸に6回無得点で開幕連勝は「5」でストップ

 ソフトバンクは6日、敵地・京セラドームでオリックスと戦い、2-7で今季初黒星を喫した。相手先発の山本由伸投手に6回無失点の好投を許し、開幕から続いていた連勝は5でストップ。藤本博史監督は「ヒットは出ていなかったけど、去年よりは、上林以外の打者は案外、対応できている。あのボール球のフォークをどれだけ見られるかだと思う」と一定の手応えを口にしていた。

 昨季は文字通り、あと一歩で優勝を逃した。5試合で対戦した山本からはシーズン前半に2勝を挙げたものの、シーズン後半から終盤にかけて3つの白星を献上した。今季から左足を高く上げないフォームへと変わった難敵に、藤本博史監督は試合前「侍の時(2月)に対戦しているので、その辺(新しいフォーム)は全然問題ないです」と話していた。結果にはつながらなかったものの、キラリと光るものはあった。

 2回無死一塁、打席に入ったのは牧原大成内野手だ。156キロを弾き返すと、ライナー性の打球が遊撃手の正面へ。1つアウトを奪われたものの、しっかり捉えた内容ある打席だった。4回2死でも151キロを中前に運んだ。「(状態は)めちゃくちゃいいわけではないですけど、しっかり振って、それがヒットゾーンに飛んでくれているので。それがいいのかなと思います」と振り返っていた。

 牧原大は昨季、山本から15打数6安打、打率.400を記録した。3月のWBCでチームメートとなった右腕との対戦に「本当にいい投手なので、追い込まれたらキツい。それまでになんとか仕留めようという気持ちで入っています」と語る。今季ここまで打率.462で、出塁率も全く同じ。どんどんと振っていく持ち味が、結果に表れている。

 この試合前、打率は.455だった。山本との対戦にも関わらず、4打数2安打でさらに上昇させ、依然としてリーグ首位打者に立つ。「ヒットが出ているので、このまま続けばいいですけど。いつ悪くなるのかわからないので、打てる時に打っておきたいって感じです」。近藤健介外野手、柳田悠岐外野手、栗原陵矢外野手の後の5番を打つだけに、牧原大の調子は打線においても大きな意味を持つ。

 昨季は3勝11敗と苦しんだ敵地・京セラドームで、今季最初のカードは勝ち越した。指揮官は「去年の山本なら簡単に終わっていたと思うけど、今年はつないで、つないでいこうっていう気持ちが出ているんじゃないですか」と語り、長谷川勇也打撃コーチも「カーブに対してはみんな振れていたので、そこはよかったと思います」とうなずく。3年ぶりのV奪回のためには越えないといけない高い壁。山本攻略のキーマンに、牧原大がなっていくはずだ。

(竹村岳 / Gaku Takemura)