“8回の男”候補は4投手…モイネロ不在が悩ませる選択肢の多さ「固定に至らなかった」

ソフトバンク・又吉克樹【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・又吉克樹【写真:藤浦一都】

藤本博史監督は「開幕には入りません」とモイネロの不在を明言

 リバン・モイネロ投手を欠いたまま、開幕を迎えることが決まった。ソフトバンクは30日、PayPayドームで全体練習を行い、藤本博史監督が「開幕には入りません」と明かした。この日、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のキューバ代表としての戦いを終えてチームに合流したばかり。今後はファームでの調整となる。

 モイネロは昨季まで守護神を託されていたが、オフにチームはロベルト・オスナ投手を獲得した。オスナが守護神となったことで、モイネロは「8回の男」となるはずだったが、藤本監督も「2カードか3カード」と、調整期間を与えることに決めた。代役となる8回についても「状態のいい選手を使っていこうと思います」と続けた。

 開幕1軍に入ったリリーフ投手は9人となった。加えて、開幕ローテーションの6番目を争う板東湧梧投手と、高橋礼投手に藤本監督は「外れた人は中継ぎに入ってもらう」とも明言している。斎藤学投手コーチも「8回はブルペンの判断になる。人がいないわけではないので、日替わりになるけど、いい選手から使っていくことになる」と指揮官の考えに同調する。8回の筆頭候補について、具体的な名前を挙げた。

「ここにきて又吉がだいぶ良くなっているのは事実ですし、それ以外でいうと松本とか、嘉弥真、津森。この中でうまく回せればと思っています。(モイネロ不在の間は)我慢というか、うまく回せるんだろうなと思いつつ、結果はどうなるかやってみないとわからないので」

 又吉克樹投手は昨年7月に右足首を骨折した。今年のオープン戦では6試合に登板して防御率3.18だったが、ここにきて状態の上昇を感じていると斎藤学コーチは強調する。昨季に中日から国内FA権を行使してホークス入りした当初も「8回の男」として期待されていた実績ある右腕。嘉弥真新也投手や津森宥紀投手の存在をしっかり感じつつ、怪我明けの今季も重要な局面を任されることになる。

 とはいえ、決して高いレベルで悩んでいるというわけでもなさそうだ。斎藤学コーチは「できれば飛び抜けてほしかったんですけど、それはないものねだり。十分な戦力ではあると思いつつ、固定したいという中で見てはいたので。そこまでは至らなかった」と苦悩を明かした。投手交代で選択肢が多いことは、時には決断を遅らせることにもつながるかもしれない。固定したい考えは、開幕直前となっても変わっていない。

 当然、7回のリリーフだって固定したいはず。モイネロについて、斎藤学コーチは「いうことはいいました。長いシーズンを考えれば、無理は絶対にさせない」とした。昨季終盤は7回から松本裕樹投手、藤井皓哉投手、モイネロの必勝リレーが完成していた。今季も“勝利の方程式”が完成するまでは、ブルペンが一丸となって白星を拾うしかない。

(竹村岳 / Gaku Takemura)