3月31日にロッテとの開幕戦…藤本監督にとっては2度目の舞台
ソフトバンクは30日、PayPayドームで全体練習を行った。31日のロッテ戦から、2023年のシーズンが始まる。開幕投手は4年目左腕の大関友久投手だ。練習後、藤本博史監督が取材に応じた。一問一答は以下の通り。
(テレビインタビュー)
――いよいよ開幕を迎えますけども今のお気持ちから。
「いよいよ始まるかなというところと、オープン戦の各選手の好不調というところはあったのでそこは少し不安ですけど。投手陣の方はね。先発の方は嬉しい悩みになってきたんでね、これはありがたいところですね」
――何度経験しても開幕は特別。
「選手時代も開幕は14回ありましたけど、すごく緊張した覚えがありますね。その緊張を逆に良い方向に持っていけばね、いい結果が出ると思うんですよ。僕、開幕戦は4本ホームランを打っていますけど、やっぱりすごい緊張の中でやっていたんですけど、なんか無我夢中になってしまってホームランが出たっていう感じで」
「そういう形で去年は僕が神輿に乗って、ある意味選手は緊張ほぐれたらいいなと思って、恥ずかしながらやりましたけど、今年はそんなこともないそうなんで。なんとか選手の緊張をほぐすためにね、僕ら首脳陣がなんとか声をかけてやったらどうかと思っています」
――開幕前の演出に関しては。
「聞いていません。やるかもわかりませんけど、やらないと思います」
――去年は開幕前に赤飯を食べたと言っていたが、今年は開幕前の特別な食事などありそうですか。
「毎年開幕前ははとんかつと赤飯です」
――競争がテーマだと伝えてきた。
「そうですね。7人のレギュラーというのはね、ほぼ決まりましたけど、2つのポジションいうところでね。4人、5人というところでとりあえずは2巡目、3巡目くらいまでは日替わりになるかな。ある程度、去年のデータとか見ながら、相性とか見ながら日替わりになってくるのかなとは思ってます」
――先発の6番手争いは。
「そこが一番今ここで嬉しい悩みなんですよね。高橋礼もいいピッチングをしたし、板東が今から投げるんですけど。この2人のうちの1人だと思います。外れたから2軍にいくわけじゃなくて、外れた人は中継ぎでいってもらいます」
――野手ではセンター、セカンド、ファーストあたりの競争は。
「現状、ファーストは中村晃がね、オープン戦で調子が良かったので、中村晃でいこうと思ってます。セカンドも牧原大でいこうと思っています。センターのところですね」
「当然WBCにいった周東、そして右の正木、上林。この辺が競争になってくるんじゃないかなと思っていますけど。うちの打線は左が多いんでね。左バッターにいい選手が多いんで。1年を考えたら右の若い選手に出てきてもらいたいなという意味では、何とか正木に頑張ってもらいたいなと思っています」
――そこらへんは蓋を開けてみてのお楽しみ。
「いろいろバリエーション広く使えるんでね。DHも空いてるんでね。DHにも、例えばアストゥディーヨが入るのか、例えば柳田が入ったらライトのポジションに上林、周東、正木、3つのポジションに2人入れられるってこともできますから。そういう意味ではある程度バリエーションを広く使えていくのかなとは思ってます」
――WBC組も戻ってきまして、打順の組み方も楽しみになる。
「明日は1番牧原大でいきます。2番は近藤。世界の近藤ですからね。3番柳田、4番栗原。それ以降はわかりません」
――充実の戦力だと思うが監督の中での手応えは。
「手応えはね、オープン戦はあんまり成績的には良くなかったんですけど。みんな試すっていう意味では、いろいろ試せたんじゃないかなと思うし。その辺は開幕に入ったら関係ないので。去年の悔しさをぶつけるだけなので、思い切ってやってくれたらいいと思います」
――開幕投手は大関選手。どんなピッチングを期待する。
「最後(24日の広島戦)に投げたね、ああいうふうに闘志があふれる投球をしてくれれば。もう信じています」
――選手層として全体的にはどう見ている。
「全体的には本当ね、層は厚いんですけどね。本当、若い選手が抜け出さなかったなというところですね。若い選手が入ってくると思ったんですけど、みんなずるずる落ちていきましたね。シーズンは長いので、当然途中から上がってくることを信じています」
――リリーフに関して、モイネロ選手はどうなっていきそうか。
「モイネロは開幕には入りません。3カード目、4カード目になるのかなと思っています。急いでくれとは言っていますけど。あまり急がせて怪我でもされたら困るので。本人の体調もあるだろうし、そこはうまく筑後の方にいって、いい調整をして早めにこっちに合流してくれというのはお願いしています」
――オスナ選手までどうつないでいくかが大事。
「そうですね。7回、8回というのが固定じゃなくて状態のいい選手を使っていこうと。また相手打者とね、データとか相性を見ながら使っていきたいと思います」
――ロッテのイメージは。
「いやらしいチームなので。しっかりと1点1点、泥臭い1点を取っていくことが勝つ秘訣かなと考えています」
――相手は吉井新監督を迎え入れた。
「監督が変わったからといって、ロッテの野球がそんなに大胆に変わるわけではないと思うので。こっちは対ロッテとやるという気持ちでやるだけ。吉井監督とやるわけではないので、こっちはこっちの野球をやるだけです」
――相手先発は小島選手
「いい投手なので、なんとか早い回に点を取って、去年もそうでしたけど先行逃げ切りの野球ができたらと考えています」
――昨季は開幕8連勝でスタートした。
「当然去年はね、8連勝しましたけど、できれば最高ですけど、そうは簡単ではないと思います」
――143試合の1試合でも当然勝っていきたい。
「開幕ダッシュといきたいですね」
――最後にファンにメッセージを。
「去年の悔しさをチーム全員で、リーグ優勝、日本一を目指して頑張っていきます。今年も応援よろしくお願いします」
(ペン囲み)
――開幕前日になった。
「もう明日開幕なので、バタバタしていないと思いますよ」
――練習前の円陣では選手にはどんなことを伝えた。
「キャンプからオープン戦で状態のいい、悪いはあったでしょうけど、明日からはもう関係ないんで。今までやってきたことをしっかりとね、明日からの試合にぶつけていってくれたらいいんじゃないかなということですね」
――31日のスタメンはもう頭の中に。
「昨日決まっています。ただね、スターティングメンバーはやっぱり、今7人ぐらいレギュラーという形でね。しっかり話をして決めてますけど、2つのポジションというのは日替わりになるかな。これは昨日、王会長も言っていたけど、3巡目、40試合までと言っていたけど。40試合はなかなかね。2巡か3巡で固定メンバーになってくれたらと思っています」
「そういう意味ではセンターの上林、周東、正木。セカンドには当然2軍に三森がいる、牧原大がいる。そういうところが固定できたらいいんじゃないかな。当然1年間ね、晃(中村)なんかもレギュラーで考えてますけど。晃の場合、ファーストも外野もできる。柳田が疲れた場合、DHで休ませる、近藤をDHで休ませる、っていう意味では外野のポジションは1つ空くので。そういうバリエーションを広く使えるかなっていうのは、考えています。出るメンバーは一緒です。ポジションが変わります」
――期待は大きいのでは。
「そうですね、期待感は大きいですね。ただ一番期待するのは、期待するっていうか、何とか1年間頑張ってもらいたいなというのは正木ですね。やっぱり正木が、キャンプから言っていましたけど右の大砲という意味で、右が育たないとね。うちは左バッターはたくさんいいバッターが多いので。そういう意味では正木が間くらいに入ってくれたらいいんじゃないかなとは思ってます」
――2017年の1軍打撃コーチ時代に上林選手を固定して起用した。
「そういう形で正木も使っていこうと思ってます。それでダメだったら外れていくわけですからね。当時、上林の場合は工藤監督に、僕はバッティングコーチだったから『50打席ください』って言ったんです。正木にもそれぐらいはしっかり与えたい。その中で休むとかあるかもわかんないけど。50打席はとりあえずやりたいと思っています」
――基本的に投手の右左関係なく。
「ですね、うん」
――打順の間というのは、ちょっと楽なポジション。
「左だったらちょっと上がるかもわかんないし、右だったらちょっと下がるかもわかんない。うちは左バッターが多いので、正木がいい、悪いじゃなくて、左バッターにいいバッターが多いんで。それと相手ピッチャーの相性ですね。去年1年しかないけど、その中の相性ですね」
――それだけ期待させるものは。
「右を育てないと。やっぱり左ばっかりはね。なかなかね、困りますからね。かといって、なかなか使いたいけど使えないという選手が出てくるのも困るんで、その辺は3巡目、2巡目くらいまではうまくいい形で使えたらいいなと思ってます」
――成長を感じる部分は。
「当然ね、上林の時だったら50打席あげて、2割7分か8分打って、ホームランも出ていたんです。それぐらいの感じで見てます。それでも内容も当然ありますからね。変わる選手はたくさんいると思うので」
――将来的には、例えばホームラン王を争うぐらいの選手までなってほしいとか、どんなイメージを。
「将来的にはどっちかというと井口(井口資仁)タイプじゃないかな。逆方向にもホームランが打てる。打率がまあね。井口はそんな高くなかったか…。まあ、井口タイプ!」
――オープン戦の間は柳田選手の状態を心配していた。
「話し合ったけどね、自分でしっかり中(室内)でも打ってるし。オープン戦はいろいろね、今日はこういうことをしたいとか、自分で考えて試したところがあるんでね。それをもう開幕で試すことなく、自分の“これだ”というもので入れるんだったらそれでいいよっていう話をしました」
――今の表情などは。
「明日からは迷いなく、これでいくというものを決めてやってくれると思います」
――打順に関しては。
「教えません」
――どんなイメージですか。
「左が並んでもいいんじゃないですか。うちの左はデータを見ても、明日は小島ですけど、打っているので。小島だけじゃなくて、対左に対しても、去年の中村晃は良くなかったけど、今年のオープン戦では打っていますからね。そこは全然、気にする打者じゃないし。WBCも1番から5番まで左だったし。1番ヌートバー、1番牧原大って合わせましたよ」
「牧原とヌートバーかって、見比べましたよ。2番の近藤は一緒やなとか」
――近藤の打順は。
「基本は2番ですけど、3番もあり得ますよ。2番か3番。世界の2番ですから」
――当初のイメージ通り、柳田と引っ付ける。
「そこはまだ。明日はくっついているかな。栗原も状態がいいので、状態がいい選手を近藤の後ろにしようかと考えている。柳田も開幕になったら変わってくると思うので、オープン戦の状態のままじゃないと思いますから。うちの看板ですから、やってくれますよ」
――大関選手はどんな投球を。
「こないだよかったじゃないですか。どっちかと言ったら、闘争心を全く見せないタイプなので、淡々とするタイプなので。開幕には向いているんじゃないですか」
――“番付”はどうなりますか。
「もう番付はいいでしょう(笑)」
――長いイニングを期待したい。
「当然、投手コーチは長いイニングを投げてもらうことをキャンプから言っているので。できるだけ引っ張りたいと思いますけど、9回のオスナは決まっていますけど、8回、7回は誰がいくのかわからないので。状態のいい選手を2人作って、どっちがいいのかという形でいくのか。はめることは現状では難しいので。それなら先発がいいなら引っ張りたいですよね」
――モイネロ選手と話は。
「本人の要望を聞いたらえらいゆっくりしているからさ。それは困るから急いでくれと言っています」
――2カード、3カードはかかりそう。
「そんなものやね」
――開幕6番手に関しては。
「(高橋礼は)文句なしやったね。和田もよかったし、武田もよかったし。ここにきて投手は嬉しい悩みですね。武田の場合は本当にイニングなんですよ。4イニング以上投げていないでしょう。武田の場合はイニングだから、4月後半、5月頭に入ってきてくれたらと思っているので。本人ともそれは話しました。本人もわかりましたということで調整してくれているので」
「6番目ですね…ね!」
――まだ悩んでいる。
「本当に決まっていないんだもん! (板東か高橋礼)どっちか、よ。どっちかが入ったら、どっちかが中継ぎ。礼が中継ぎに入ったらサイド(津森)、サイド(又吉)、アンダースローになってしまうからね。そこをどうなんやって。投手のことはわからないけど、打者目線でいったら同じようなタイプが投げられたら嫌じゃないよっていう。そういうのも当然考えているし、だからといって高橋礼が6番手に決まったわけでもないし。今日の板東の投球次第ですね」
――昨季は開幕8連勝でスタートした。
「去年はね、うまく行っただけ。そんな簡単じゃないです。2巡目、3巡目までは野手のオーダーは2つのポジション、あるいは3つのポジションは日替わりかもしれないけど。そこはなんとか、2巡目、3巡目までに勝ち越していたらいいなと思っています」
――王会長が2023年の戦いを早く見つけてほしいと話していた。
「40試合が終わってから固定で頑張れということでしょう」
――メンバーも多少変化したが、どんな戦いを。
「先行逃げ切りです。8回と9回がしっかりしているので、去年と一緒ですね。去年よりも接戦をものにする。会長が言われている戦いができると思います」
――いかに点を重ねるかも大切。
「去年も言っていたけど、泥臭い1点。そういうものを必死に取っていきたいと思っています」
――試合前の登場が気になる。
「何もしないらしいよ。聞いていないので。何もしないよな?(隣の西田哲朗広報に)」
――監督となって2度目の開幕。
「去年よりはマシですね。落ち着いています」
――アストゥディーヨ選手に関してはいかがですか。
「オープン戦の前半は15打席ノーヒットで2軍の試合にいってもらってからはバッティングの内容は悪くないと思うし。相手も初球打ちというのはある程度わかっていると思うので。スコアラーの方から初球を逆に難しい球から入ってくる可能性はあるというのは教えてあげないと。なんでもかんでも打たれたらね。ヒットになったらいいけど、凡打になったら困るからね」
――打順のサプライズは。
「ない。順当なメンバーです。正木がどこに入るかくらいでしょう」
(竹村岳 / Gaku Takemura)