ソフトバンクは29日、ロッテと31日に本拠地で行う開幕戦に向けて、PayPayドームで全体練習を行った。世界一に輝いた野球日本代表「侍ジャパン」からチームに復帰した甲斐拓也捕手、牧原大成内野手、周東佑京内野手はタマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの広島戦に出場。全体練習後の藤本博史監督のコメント全文は以下の通り。
――足が魅力だけにベンチには置いておきたい。
「いやいや、できればスタメンで出てもらいたいですよ。(周東が)1番を打てば相手の脅威になるし、四球でも何でも塁に出れば二塁打と同じですから。バッティングの状態が上がれば、1番も考えるし、そういうバリエーションは多いですよ」
――明日(31日)の練習を見て開幕スタメンを決める。
「もう決めていますよ。教えませんけどね」
――明日の練習で全員合流。
「(2軍には)参加しているだけですからね。3人とも当然、1軍の選手ですから」
――正木選手を「使ってみたい」と。スタメンの可能性もある。
「皆さんが世代交代とよく書いてくれているんで、その中で一番若い選手ですから。レギュラーになる可能性の一番高い選手じゃないですか、今。オープン戦も後半しっかり結果を出せて、最後は右の栗林からも(本塁打を)打てたのでね。左投手は去年である程度打てるのは分かったので、今年の最初は右投手も苦労していたけど、右からも(オープン戦の)後半、ちょっと打てた。何試合かしか打ってないんで分からないけど、一番レギュラーに近い選手じゃないですか」
――ポジションはセンター?
「それは分かりません。教えません」
――開幕スタメンを決めるにあたっての考え方は?
「何人かはレギュラーというところはあるけれど、ポジション的なところで回る可能性はありますよね。近藤なんか絶対に外せないし、柳田はウチの看板(選手)ですから、これも絶対に外せないし。うまく1年間使うためにDHを活用しようということで考えているんで。ただ、柳田なんかはDHばかり入れていたら動きが悪くなって、キレがなくなる可能性があるので、開幕当初、当分の間は守ってもらうということでDHは空ける形にしています。ポジション的に、センターでも守る選手がたくさんいる。周東もいれば、上林もいれば、正木もいる。(中村)晃も外野を守れると考えたら、正木を一塁に回すこともできるし、柳田をDHにやってライトにもう1人入れることもできますよね」
――どこを回す?
「回すところっていうのはセカンド守れる選手、センター守れる選手、外野守れる選手ですね。あとファーストか。まあ、晃は当分ファーストでいこうと思っていますけど、外野も守れるから。レギュラーというのはポジションのレギュラーじゃなくて、両サイド守れる、牧原(大)でもそう。三森(の状態)が悪いからセカンド入ってもらいますよ、って言ったけど、セカンドとセンターのレギュラーですから。ポジションのレギュラーじゃないってことです。そういう意味では6人、7人は(開幕スタメンに)決まっていますよ」
――牧原大は便利な存在で助かる。
「便利というか貴重ですよね。貴重な選手だと思います。本人は『センター1本で』と言っていたらしいけど、話をしたら『セカンドでもいいですよ』という話をしてくれていましたから、その辺は問題ないし。周東は逆に『外野1本でいきたい』というのがあるみたいだけどね」
――捕手については。
「捕手は甲斐の大事さがオープン戦で分かったんじゃないですか。3人(嶺井、谷川原、海野)併用で使ってきたけど、なかなかリード面でも、谷川原は下(2軍)に行ったけど、股の下とか、横とか後ろに逸らすとか、そういう意味じゃ甲斐の大事さって分かりますよね。ずっとやっていたら甲斐を批判しているみたいな感じだけどね。批判はしてません」
――併用というよりは。
「メインは甲斐でしょうね。あれだけのブロッキングができる、あれだけの肩を持っている。開幕戦はロッテですけど、足が速い選手が多いんでね。なかなか甲斐だったら走りづらいのもあるでしょうし。バリエーションはたくさんあるので、開幕スタメンは決まりましたけど、うまく2つ、3つのポジションをうまく回せたら、状態の良い選手をハメていけるかなというところですね」
――栗原選手が「全試合出ます」と。
「出てもらったらありがたいですよね。去年ケガしているんだから、当然1年間やったら足の張りとか、かばうところとかが出てくるから、そこはDHをうまく活用しようということですよ。栗原をDHなんて考えてません。栗原の状態を見て、オープン戦でも1番打ったわけですから、あの状態が続くのであれば、アイツの体調を考えて、DHイコール試合には出るけど休み、守りをなくすということで休ませるということを言っている。全試合出てもらいたいですし、打点をたくさん稼いでもらいたい、柳田にも打点をたくさん稼いでもらいたい、近ちゃん(近藤)には出塁率を今まで以上に頑張ってもらいたい。前後を打つバッターがどれだけ頑張ってくれるかですね」
――上林選手はオープン戦の最後に足を気にするところがあった。
「ああいうのはマイナスになるよね。本人がやろうと思ってやったわけじゃないけど。オープン戦の打率は2割8分か9分でしょ(.277)。成績的にはレギュラークラスだけど、その中の内容もありますよね。打てる投手は打つけど、打てない投手はまったく打てないではレギュラーとは言えない。そこが上林の課題ですよね。僕も打撃コーチの時から見てきているけど、打つときは3本、4本打つけど、打たない時はバットに当たらない。そこの差をもっと縮めていかないと、本当のレギュラーにはなれないし。こっちも期待しているんで、回すポジションに入っている1人です」
――パ・リーグは明日開幕。キャンプ、オープン戦での手応えは。
「オープン戦の手応えは何人かくらいしかいません。オープン戦と開幕は違うということを、先日も選手に話をしたんですけど、オープン戦の結果は関係ない、開幕したら去年の悔しさをぶつけるだけなので、そこはまた全員がイチから『今日から始まる』という気持ちでやってくれたらいいんじゃないかな、と。そのための調整がこの3日間の練習なんでね。今宮も特打していたし、柳田も中で打っていたし、その辺は開幕に向けてみんないい調整してくれているんじゃないかなと思います」