近藤健介がWBCで出塁率.500を残せたワケ 「後ろに翔平」がいて打席で感じたことは

ソフトバンク・近藤健介【写真:竹村岳】
ソフトバンク・近藤健介【写真:竹村岳】

近藤健介がチームに合流…練習前の円陣では拍手で迎えられる

 ソフトバンクの近藤健介外野手が28日、PayPayドームで行われた全体練習に参加した。練習前に取材に応じ、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を振り返った。全7試合で「2番・右翼」で出場し打率.346、1本塁打、5打点。出塁率.500と活躍した。一問一答は以下の通り。

(テレビインタビュー)

――大会を振り返って。
「約1か月ちょっと、侍での生活を送りましたけど、やっぱりレベルの高い選手の中で自分もやらせていただいて。濃い1か月になりましたし、またこれから野球人生につながる大会になったかなと思っています」

――優勝の瞬間はどんな気持ちでしたか。
「最高のチームメートと最高の場所にいけたというのは本当に嬉しく、あんなに喜んだのは久々かなという感じです」

――あの喜びは今でも思い出す。
「そうですね。まだ実感が湧かないというか。本当に日本に帰ってきて、優勝したんだなという不思議な感覚です」

――チームの雰囲気はいかがでしたか。
「ダルビッシュさんを筆頭に、本当にダルビッシュさんがみんなにやりやすい環境といいますか、アドバイスを。どうしても緊張している選手が多かったですし、僕もそうでしたし。声をかけてくださって、本当にダルビッシュさんの存在は大きかったので。その中で、試合を重ねていくごとに緊張がほぐれていきましたし、どんどんいいチームになっていった印象はあります」

――大谷翔平投手(エンゼルス)との再会には。
「投げるのも打つのも、全てにおいて規格外だなと。日本にいた時もそう思っていましたけど、よりレベルアップして。日本にいた時から意見交換をしていましたけど、今回もそういう機会を作って。ウエートのことやバッティングのことを聞けたのはよかったです」

――東京五輪などと比べて、雰囲気の違いは。
「一番はシーズン前の大会だった。プレミア12は終わった後でしたし、オリンピックは途中でしたし。自分が今どんな状況か、ある程度の数字だったりが出てきていますけど、WBCに関しては1年どうなるかわからないまま、一番大きな大会が始まるので。そういう難しさはありましたけど、チームメートに恵まれましたし、やりやすい監督、コーチの中でできたので。それは本当に良かったと思います」

――東京ラウンドからの活躍があったが、調子は。
「調子というよりも、ここまで試合に出られると思っていなかったですし、やっぱり1打席勝負の気持ちでホークスのキャンプからWBCに向けていましたし。その結果が一番、東京ラウンドからの好調につながったと思っています」

――ラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)はどんな存在だったか。
「ガッツ溢れて、1番打者でチームを勢いづかせてくれる大切な存在でした。僕も前にヌートバー選手がいたから、やりやすい打席を送れたのかなと思っています」

――新しい発見はありましたか。
「技術というよりも試合への入り方、考え方というところでは、翔平なんかとウエートの話もしましたし。そういうところはちょっとずつ、今に満足していないので。変化を求めて今シーズンもやっていきたいと思います」

――シーズンが近づいてきたが、PayPayドームに来てみて。
「こっち側のベンチから出るのは初めてだったので。不思議な感覚と言いますか、それこそ実感が湧いていないので。試合を重ねるごとに慣れていけたら」

――ホークスのユニホームを着て打席に立つイメージは。
「キャンプの時はある程度、イメージはできていましたけど、ジャパンにいってしまったので、イメージは膨らんできてはいないですけど。早く自分のプレーを見てもらえるようにアピールしていきたいと思います」

――ファンにメッセージ。
「こうやって野球が盛り上がった中で開幕を迎えるので、いろんな子どもたちに向けても大事なシーズンになると思うので。そういうところでは、まずは結果でいろんなファンの方に僕を覚えてもらえるようにやっていきたいと思います」

――今季の目標は。
「優勝するために、ここにきたと思っているので。リーグ優勝、日本一に貢献できるようにしたいと思っています」

(ペン囲み)

――疲労感はいかがですか。
「疲労感は、疲労感…。そうですね。足が重いですね」

――こういう経緯で開幕を迎えるのは初めて。
「野球界全体として盛り上がったと思うので、開幕でいいペナントレースを、どのチームも切磋琢磨できれば子どもたちもかっこいいと思ってくれると思いますし、そういうプレーをしたいと思います」

――大谷と交わしたウエートトレーニングの意見とは。
「重さも上げますし、より一番深い位置といいますか、ストレッチがかかったところで体を動かすと言っていたので。僕はそれよりは一番出力を出すことをやっていたんですけど。一番深い位置、ストレッチがかかったところでも力が出るようにと話して、やっていこうかなという感じですね」

――長打力の向上につながる。
「長打力もそうですし、自分の力が入る範囲を広げていきたいというところです」

――打撃に関しては、どんな意見交換を。
「規格外すぎて参考にならないです(笑)。よくわからないことを言っていました」

――チーム全体として勝利にこだわる姿勢が印象的だったが、シーズンにも生きること。
「もちろんトップの選手が集まって、自分の役割は確立されているチームだったと思うので、そういうところも僕自身もどういう役割になるのかは早く理解して。監督が求めている選手像にフィットしていくのが一番だと思うので。空いているので早く、シーズンを通しながらになりますけどフィットしていきたいと思います」

――侍ジャパンでは盛り上げ役だった。
「盛り上げ役ではないですよ」

――ホークスではどんな役割を。
「ちょっとしかいなかったですけど、その中でも仲がいいなと思いますし。(優勝を)2年逃しているので、勝ちに飢えている感じも2週間ちょっとのキャンプでも感じたので。そこは気遅れじゃないですけど、みんなの思いに乗っかっていきたいと思っているので。僕が引っ張るというよりも、そこに乗っかっていけたら」

――大会前は大谷を「生意気」と表現していたが、印象は変わりましたか。
「生意気ですね」

――人柄としてそんなに変わっていた印象は受けなかった。
「全然変わっていなかったですね。全然、日本にいる時と変わっていない印象です」

――選手としてはすごく成長を感じた。
「すごかったですね。想像の、みんな話していましたけど、想像の10倍すごいというのは。見ていない選手がほとんどだったので。いざ目の前で見たら。ダルビッシュさんが言っていましたけど、村上が一番衝撃を受けていたんじゃないですかね。すごかった、その一言ですね」

――近藤選手の技術ですら参考にならないほど、すごかった。
「打球のスピード、スイングの速さ、すごかったです」

――米国でプレーしていて、日本の盛り上がりは感じていた。
「いや、ここまでとは感じていなかったです。でも東京ラウンドの時でも盛り上がっていましたし、アメリカにいってメキシコ戦でもいい試合をしましたし。盛り上がっているんだろうなとは思っていましたけど、ここまでとは思っていなかったです」

――大会が終わっても熱を感じる。
「不思議ですね。優勝した、三振を取ったグラウンドに立っていたのは不思議な感覚ではいます。テレビを見ても」

――大会にピークを合わせていたと思うが、もちろん開幕戦には出るつもり。
「もちろんそこに向けて準備しますし、いい意味で移籍してきているので。新たな気持ちで、これで自チームに帰ってきていたらどうなるのかわからないですけど、移籍して1年目なので。そこはしっかりと切り替えられるかなと思います」

――「2番・近藤」が日本にも浸透したと思うが、ホークスでも担いそうな打順。
「後ろに翔平がいましたし、やっぱり甘い球がくる。僕の実力以上のものを、後ろの威圧感で出してもらったと思っているので。何番を打つにしても、そういう繋ぎの部分は大事にしたいと思っているので。チームが、打線がうまく回るように何番に入ってもやっていきたいと思っています」

(竹村岳 / Gaku Takemura)

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