ソフトバンクの甲斐拓也捕手が25日、牧原大成内野手、周東佑京内野手と共にチームに戻ってきた。WBCで世界一に輝いた侍ジャパンでの活動を終え、この日、広島とのオープン戦が行われる本拠地PayPayドームを訪れて、軽めに体を動かした。練習前には報道陣にも対応。WBCでの激闘、シーズンに向けた思いなどを語った甲斐のコメント全文は以下の通り。
――千賀投手にも会った。
「会いました。メキシコ戦が終わった後ですかね。少し会って、千賀の状況もそうですし、お互いの話とか、僕を含めて佑京もそうですし、マッキーもそうですし、そこで4人でいろいろな話をしました」
――優勝の瞬間はどのような景色。
「全てが終わった瞬間ではあったので、その瞬間のために去年からそうですし、オフもそうですし、選手みんなそのためにやってきたと思うので、それを迎えられたのは良かったと思いますし、とてもすごい雰囲気でした」
――チームの雰囲気は。
「ものすごく良かったと思います。楽しく明るくできたと思いますし、いろんな人とコミュニケーションを取りながら、キャッチャー陣も村田コーチをはじめ、キャッチャーと4人で食事に行ったりもしていたので、良い時間になったと思います」
――大谷選手とはどんな話を。
「もちろん、いろいろな話をしました。試合の中でのやり取りもたくさんしました」
――どんな選手でしたか。
「どんな感じかな……。初めてあそこまで話をしたんですけど、野球のためにじゃないですけど、そういう人物だなと思いましたし、野球に関してはレベルが違うというか……。ただ話をしてみると普通の人間だったので、そこは良かったなと思います」
――ダルビッシュ投手から学んだこと、感じたこと。
「ダルビッシュさんの存在がものすごく、このチームの中にとって大きかったことは間違いないと思います。宮崎キャンプの初日から来て話をしてもらったり、野球ももちろんそうですけど、人としての存在のあり方というか、そういったところもすごく勉強になりましたし、本当にすごい人だなと思いました」
――王会長とお話は。
「まずは『お疲れさま』と。ああいったところでできたというのは間違いなくいい経験だったと、これからはしっかり切り替えてチームのために頑張ってくれ、という話でした」
――優勝メダルは。
「なかなかこういったメダルをもらえることはないと思うので、とてもいい経験をさせてもらったと思いますし、自分の財産だなと思います」
――来週金曜には開幕を迎えます。
「自分の中では切り替えてここに来ることができていますし、これからシーズンに入って戦っていかないといけないので。WBCで仲間だった、チームメートだった選手と戦っていかないといけないですし、そこは僕も切り替えてやらないといけない。切り替えることはできていると思っているんで、しっかりと準備をして1年間戦い抜きたいと思います」
(ペン囲み)
――体の疲れ、メンタルの疲れはどうですか。
「思った以上に大丈夫でした。大丈夫かなと思います」
――時差ボケは。
「うん、大丈夫だと思います。もともと(アメリカに)行く方が大変だと聞いていたので、僕は向こうに行ってからがしんどかった。昨日の午前中、昼ぐらいに帰ってきたんですけど、昼は眠かったですけど、寝ずに家族と過ごして夜に寝たので大丈夫かなと。今のところなんともないです」
――選手としてWBC期間に得たものは。
「たくさんの素晴らしい投手と一緒に野球ができたこと、もちろん(大谷)翔平もそうですし、ダルビッシュさんの話っていうのも、そういった方の近くでできたというのは、捕手として味わえない瞬間だったと思います。準決勝のバーンズ選手だったり、決勝のリアルミュート選手だったりを間近で見ることができたので、これはなかなかできないことで良かったと思います」
――これまでに経験した国際大会とも違う。
「そうですね。さっきも言ったような捕手が出ているし、たくさんのメジャーの選手もいる中で、自分が同じフィールド内で野球をしているというのは今までとちょっと違うと思いますね」
――今後に繋げていきたい。
「繋げられるところは繋げて、今回は今回でしっかりと切り替えていくことも大事かなと思う。今回のことは去年から準備をして、もう終わったことなので。この期間というのは間違いなく、僕の野球人生でも消えることのない財産だと思いますけど、そこは終わったことなので、切り替えてホークスのためにしっかりと僕自身やっていきたいと思います」
――藤本監督との話は。
「しっかりと準備をして、この期間どうやるのかという話をしました。(開幕スタメンについて)そういう話は全くしていないですけど、1年間戦い抜く準備はしたいと思います」
――ウエスタン・リーグの試合には出る。
「28日、29日ですかね」
――最後の瞬間にグラウンドに立てなかった悔しさはあるか。
「チームが勝つことが一番ですし(中村)悠平さんの姿を見て、大城卓三もそうですけど、捕手3人でやってきて、僕自身いい刺激をもらいましたし、もっともっとレベルアップしたいなと素直に思える期間だった。そこは悔しさというよりも改めてまだまだ向上していきたいなと思えましたし、村田コーチが最後に言っていたように、捕手みんなで勝ちきったというのが大事になってくるので、最後にジャパンが勝つことができたっていうのは本当に良かったと思います」
――今までの代表と違ってイキイキしていたようにも見えた。
「今回は凄かったですね。今回はめちゃくちゃ緊張しましたし、あそこに出た人にしかわからない気持ちだったり、プレッシャーだったりがありました。僕も含めて試合前のロッカーで、行く選手はみんなめちゃくちゃ緊張していたので。近ちゃん(近藤)なんか毎日『緊張する~』と言っていたんで、みんなそういう思いでグラウンドに立っていたと思うので。そこにいる人たちしか分からない気持ちもあると思うんですけど、それだけのプレッシャーが大きい大会だったと思います」
――城島健司さんはもう1回と言われても嫌と言っているが、3年後は。
「考えきれないですね。あまり先を見ることもできないので。終わったことなんで、まずはホークスの一員としてチームに貢献できるように、去年の悔しさがあるので、そういった思いでやっていきたいです」
――打席数は11打席だった。
「そういったところも切り替えて、これから1年間戦いが始まるんで、そこに向けてしっかりとやっていきたいと思います」
――ダルビッシュ投手が凄いという話だったが、甲斐選手が同じようにチームに還元できることは。
「正直、真似ようと思っても真似できるレベルではないと思ったんで。それくらいダルビッシュさんの対応というのはチームにとってすごかったので、真似られるだけのものではないと思うので。しっかりとやるべきことはこのチームでやっていければと思います」
――ダルビッシュ投手の人としての在り方とは。
「コミュニケーションだったりとか、いろんな人に話を聞いてくれて、あそこまでの人でも、僕を含めて捕手陣にもいろんな話を聞いてくれたので。もちろんこっちから聞くこともありましたけど、ダルビッシュさんの方から『どういう風にしていったらいいと思う?』っていう話をしてくれたりとか、あそこまでの方がするっていうのは凄いなと思うので。野球の技術どうこうの前に、そういった人としてのコミュニケーション、気遣いを含めてすごいなというのはそういったところもありますね」