栗原が早出特打で着用した「アローズ」Tシャツの秘密
ソフトバンクの栗原陵矢外野手が意外な交友関係を教えてくれた。24日に行われた広島とのオープン戦前に行われた早出特打でのこと。ジャージ姿のチームメートたちの中で1人、栗原が変わったTシャツを着ていた。青地にオレンジで縁取られた「アローズ」の文字。パッと目を引くインパクトのあるTシャツだった。
実はこのTシャツ、バレーボールのVリーグ女子の名門「東レアローズ」のものだという。栗原は「石川真佑ちゃんから貰いました」と明かした。石川真佑選手は男子バレーボールのエース・石川祐希選手の妹で、自身も日本代表として東京五輪に出場した実績を持つ。そんな石川真佑選手からのプレゼントだった。
このTシャツの写真をSNSにアップしたところ、予想以上に反響があった。東レアローズを応援するファンからも反応をいただいた。コメントで多かったのは、2人の意外な繋がり。福井県出身で26歳の栗原と、愛知県出身で22歳の石川真佑選手。共に東京五輪に出場しているとはいえ、どこで繋がりがあったのか。栗原に聞いてみた。
「もともとはインスタグラムですね。僕もずっとバレーボールが好きで、女子バレーをよく見ていたんで、石川選手のことは知っていました。向こうがインスタでフォローしてくれて、僕がフォローを返したのが知り合ったキッカケですね」
交流が始まったのはイマドキのインスタグラムだった。直接の面識があるわけではないが、共にアスリートで、将来はそれぞれの競技を担う存在ということもあって、時には電話で「スポーツ選手としての相談を受けることもある」という。
栗原自身、野球だけでなく他競技にも関心が深い。「バレー、バスケ、サッカーも見るのが好きです。見ていると疑問に思うことがあるんですよ。こうやって跳べる人ってどういうトレーニングしているんだろう、とか、足の速い人ってどういう走り方してるのかな、とか。野球に繋がるところもあると思うんで」。競技としての魅力ももちろん、自分に生きる部分もあるのでは、とプレーに目を光らせている。
石川真佑選手に関しても「すごく真面目な子ですし、シンプルに選手として尊敬できる部分もあります」という。1枚のTシャツから明らかになった意外な交友関係。選手たちは自分たちの競技の枠にとらわれず、広くアスリート同士で刺激を与え合い、成長に繋げているということ。これがキッカケで野球だけでなく、他のスポーツにもファンの方の目が向けば、栗原も石川真佑選手も喜ぶのではないだろうか。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)