「自分が監督でも代打」OP戦1号の正木智也はDeNA戦の“屈辱”をどう受け止めた

ソフトバンク・正木智也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・正木智也【写真:藤浦一都】

広島とのオープン戦に6-1で勝利…途中出場の正木智也がオープン戦1号

 ソフトバンクは24日、広島とのオープン戦(PayPayドーム)を迎え、6-1で勝利した。途中出場した正木智也外野手がオープン戦1号含む2安打2打点と奮闘。最終コーナーまで来た競争の中で「自分は当落線上の立場。1打席1打席がアピールになりますし、評価につながると思うので、無駄な打席を作らないように」と意気込んで臨んでいた。

 上林が右膝に違和感を訴えたことで、5回の守備から中堅に入った。5回に3点を奪い、なお2死二塁。中崎からアドゥワに投手交代し、その初球だった。143キロをバットの先で捉え、左前適時打となった。「代打のつもりでいきました」。7回2死ではルーキーの河野の139キロを左中間テラスに運び去った。春季キャンプも含めて、ようやく生まれた待望の一発だった。

 結果を出すしかなかった。19日のDeNA戦、8回のチャンスで代打を出された。DeNAベンチが左腕・石川から、右腕・三浦にスイッチしたことで、すぐさま代打・中村晃が打席へ。ベンチで悔しさあふれる表情を浮かべながら、戦況を見つめる。その試合後もマシン打撃にウエートトレーニングなど、前だけを向いた。数日が経った今だから、少し冷静になってその瞬間を振り返ることができる。

「あれは正直、悔しかったですけど、当たり前だと感じました。自分が監督でもあそこは代打を出すと思ったので、やっぱり右投手が課題ですし。そこを1年目、悔しい思いをしたので、2年目で克服できるように。1つ1つ課題をつぶしていかないといけないし、練習しないと打てないのも感じているので。もっともっと練習していきたいです」

 21日からの日本ハム2連戦(エスコンフィールド北海道)では3打数1安打。WBCも終わり、開幕へメンバーの絞り込みが本格化する中で、この日は右投手から2安打2打点だから価値がある。昨季は左投手打率.293だったのに対して右投手打率.192。対右投手という課題に対して、本人はどう感じているのか。

「右投手を難しいと思ったことは正直、あまりなくて、なんでかなとずっと考えていたりとか。右投手に苦手意識を持っているわけではなくて。コーチとずっと話し合いながら。なんで左投手のように入れないのかとか、そういうのをずっと考えていたので。色々見直した部分もありますし、今日結果が出たからといって満足せずに次の試合でも打てるように頑張りたいと思います」

 当然、これで終わるつもりはない。藤本博史監督は増田珠内野手、ウイリアンス・アストゥディーヨ内野手、コートニー・ホーキンス外野手の名前を挙げつつ、正木を含めた4人の右打者で競争させている。「期待されているのはもちろんわかっていますし、焦りもありました。自分にも悔しい思いをしていたので。絶対にアピールする気持ちでした」と、正木は前だけを向いた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)