2軍で5回無失点好投 高橋礼が挑む“逆転”開幕ローテ入り「使いたいと思わせる」

春季教育リーグの阪神戦に先発したソフトバンク・高橋礼【写真:上杉あずさ】
春季教育リーグの阪神戦に先発したソフトバンク・高橋礼【写真:上杉あずさ】

最速141キロをマークも初回に不満げ「自分的にあまり納得いっていない」

 ソフトバンクの高橋礼投手が14日、タマスタ筑後で行われた春季教育リーグの阪神戦に先発し、5回2安打無失点と好投した。3回に2本の安打で得点圏に走者を背負ったが、後続を打ち取った。最速は141キロをマークし、真っ直ぐの威力が光った。春季キャンプ中からアピールを続け、この日は登板機会確保のためにファームで登板する形となったが、開幕ローテ入りへ好アピールとなった。

 前回のヤクルトとのオープン戦でも3回無失点と好投。今回はファームではあるものの、5回を無失点と貫禄を見せた。ただ、高橋礼は「まあまあですかね。初回は自分的にあまり納得いっていないイニングでした。あとからちょっとずつ修正出来たのは、長いイニングを投げる上で大切な部分ではあるんですけど、初回の入りはもっと圧倒できるようなボールから入りたいなと思いました」と自らに厳しく言った。

 初回は全て内野ゴロを打たせ、11球で終えたが、満足のいく立ち上がりではなかった。「上を見据えての登板なので」と自覚するように、より強い球を投じることにこだわる。唯一走者を背負った3回は2死一、二塁とされたところでギアを上げた。高寺に対しての初球でこの日最速の141キロ。「去年、2軍の優勝争いで打たれているという個人的なことがあったので、しっかり強いボールを投げて抑えたいなと思い、強いボールから入りました」と闘争心を覗かせた。

 今春の実戦での最速は142キロ。「140キロも投げられるけど、常に138~139キロっていうのが増えてくれば。135キロとかがないようにしていきたい」と球速は1つのバロメーターだ。この日は137~139キロが多かったものの、134~135キロというのも数球見られた。

 本人の感覚としても、この数キロの差は大きいようだ。「投げていて、球の強さが全然違います。(自分の理想の)基準以上のフォームで投げられたら138~140キロ出ますけど、自分の中で気持ち悪いなと思った時は134~135キロ。バッターにとっては嫌かもしれないですけど、自分としては意図しないボールなので。意図して投げるのであればいいですけど、意図しないうちはそういうボールはなくしていく努力をしないといけない」と理想とする投球フォームの再現性を高める必要を感じている。

 ここまで無失点投球を続けるが、「自分も意識しているわけじゃないですし、1イニングずつゼロで抑えることだけを考えてやっている。その結果(無失点を)継続出来ればいいなと。点を取られる日は絶対来るので、動揺しないようにしたいですね」と色気はない。開幕ローテの候補にも残っており「抑えて、結果を出して、使いたいと思わせるしかないなと。使いたいなと思われる選手になる、ただそれだけです」。先発、中継ぎとどのポジションにしても競争は激しいが、地に足を付けて、黙々と目の前の試合で腕を振り続けて結果を積み重ねていく。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)