オープン戦2号も打撃は「納得いかない」 栗原陵矢が不満を感じる“ファウルの跡”

ソフトバンク・栗原陵矢【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・栗原陵矢【写真:福谷佑介】

栗原自身が気にする「145キロ以上の真っ直ぐを前に飛ばせていない」

 ソフトバンクの栗原陵矢外野手が11日、ベルーナドームで行われた西武戦でオープン戦2号となる本塁打を放った。1点ビハインドで迎えた2回の第1打席。西武先発の與座海人投手の119キロのスライダーを捉えると、打球は右翼スタンドへと突き刺さり、試合後には「ちょっと詰まったくらいですけど、角度が良かったです」と振り返った。

 この打席、1ボール2ストライクからの4球目、128キロのストレートも完璧に捉えていた。わずかにポールの右に切れてファウルとなったものの「あっちの方が芯に当たった」という会心の当たりだった。本塁打にしたのは直後の5球目。打ち直しとなったボールを再びスタンドに叩き込んだ。これでオープン戦では2本目の本塁打となった。

 左膝の前十字靭帯断裂の大怪我を負い、昨シーズンのほとんどを棒に振った。長いリハビリ期間を経て怪我も回復し、開幕に向けて調整を続けている。オープン戦6試合で15打数7安打2本塁打、打率.467と結果が出ているものの、自身は「ちょっと納得いかない」と、状態には満足していないという。

 ボールの「見え方自体はそんなに悪くはない」と言うものの、気になるのは「145キロ以上の真っ直ぐを前に飛ばせていない」ところだという。この日本塁打にしたのは119キロの変化球。7日のヤクルト戦で放ったオープン戦1号の本塁打も144キロの真っ直ぐを弾き返したものだった。145キロ超、さらに言えば150キロを超えるボールに対して、なかなか対応できていないというのだ。

 ファウル1つとっても内容が良くないとも語る。「体が追いついてないのか、バットの出方が悪いのか。ファウルの跡を見ても、バットについてるファウルの跡が詰まった位置に当たっている。芯でファウルをしていないので、それがちょっと納得いかない」。選手がファウル後にバットを見るのは、バットのどこに当たっているかを確認している部分もある。ホームランが出たとはいえ、まだまだ本人の中で好調とは感じていない。

 とはいえ、少しずつ浮上の兆しもある。「見え方もそうですし、バッティング練習で打ってる感じはちょっとずつ良くなってきているんで、そこはいいかなともいます。(劇的に、急には)良くならないです。ならないですけど、一気に悪くなるっていうのはあるのでそこは怖いです」と現在の胸中を明かしてくれた栗原。残り3週間。少しずつ状態を上げ、納得した状態で開幕を迎えられるように調整を続けていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)