ソフトバンクの2軍は9日、タマスタ筑後で春季教育リーグの中日戦に7-1で勝利した。初回に笹川吉康外野手、増田珠内野手の適時打で2点を先制。3点リードの8回には笹川、リチャード内野手、代打の三代祥貴外野手らの適時打で3点を加えた。先発した育成の中道佑哉投手は4回2安打1失点と好投。同じく育成の村上舜投手とルイス・ロドリゲス投手も無失点で繋ぐと、終盤は田浦文丸投手、尾形崇斗投手がリードを守った。試合後の小久保裕紀2軍監督のコメント全文は以下の通り。
――2番手の村上投手は去年は主に3軍だった。
「球はちょっと面白いかなと思ってて、あとはコントロールですね、彼はね。突然乱調っていうイメージが強いので、この2試合はそこはあまり見えてないんで。今日はフォアボールは出しましたけど、あまり見えてないんで。彼は先発というより中で今やってますけど、本当にこれから1軍のピッチャーがいっぱい落ちてくるんで、1つ1つの登板がこのまま2軍に残れるかどうかを、僕らは見ているんで。選手たちも2軍といえども競争が厳しくなってるというのを分かっていると思うんで。きっちりゼロに抑えたというのは良かったですね」
――尾形投手はやはり変化球のところが課題。
「そうですね、今日も結構自分で変化球を意識して投げていましたけど、彼の場合はフォークボールの精度が上がりさえすればっていうところはずっと続く課題だと思うんで。あのくらいのバッターのクラスなら、そりゃ打ち取りますよね」
――今日投げていたのはスライダーとフォーク。
「スライダーとフォークも投げていたと思いますけど、なかなか落ちる確率というかね、いいフォークが10球に1球ぐらいしかないぐらいの、その感じを上げていってほしいんですよね」
――現状でフォークの精度は監督から見てどれくらい。
「まだまだ上がると思います。というか、上げないと1軍では厳しいと思うので、引き続き取り組んでもらいたいですね」
――笹川選手が2安打3打点。
「そうね、本人もなぜ4番で使われたか分からないでしょうけど、明石コーチの考えでやっている中で、ノーヒットっていうのはすごく気にしていたところだと思うので。まずは1打席目の初球にしっかりタイムリー打てた。しかも、前のバッターが凡退して、ノーアウト二塁から得点が入っていなかったんで、チームが有利に進めるためにはいい1点だったですね」
――今も率にこだわってやっている。
「それは続けるしかないんで。振り過ぎたら、振り過ぎって言いますしね。3割目指してやるというのが、今年の彼に対する合言葉ですから。今日は犠牲フライもボール球を2球、変化球を見逃したあと、1球でレフトフライ。最後の打席もしっかり詰まりながらもヒットを打った、と。いい内容だったと思いますね」
――増田選手、野村大選手の状態はまだまだ。
「大樹は今日はもう代打でいいところで使おうと考えていたんで、緒方には悪かったけど、ワンアウトからバントして一応、お膳立てを作ってやったんで。その理由は井上が一発でバントを決めないから悪いんで、アイツはいろんなヤツに迷惑をかけている。相変わらずバントが下手くそなんで。まあ(増田)珠は2ストライクアプローチが良かったんでね、ライト前のね」
――状態が上がってない理由は。
「理由はあんまりないんですよ。バイオリズムなんで、人間なんで良くなってきたら悪くなっていくもんなんで。当たり前ですけど。悪い時期がたまたまキャンプの後半に差し掛かったから、こっちに来ただけなんで、早く今のところを脱して、上にまた舞い戻れるようにしてほしいですね」
――渡邉陸選手はいかがですか。
「陸はスローイングが良くなった。キャンプが一緒じゃなくて春を見てなかったんで、同じ角度から同じ景色で、去年の残像が残ってるのと比べると、スローイングの精度が本当に上がったなって。イニングの合間のスローイングもそうですし、それはすごい感じます」
――今日は捕手が5人で練習していた。
「キャッチャー陣は去年は怪我人とコロナで全然足りなかったのが、今年は逆にありふれていてですね。3連戦で3つともキャッチャーが(1軍から)来たんで、もう九鬼とかふてくされてましたよ、出るところないって。だから今日1打席やったんですけど、フォアボールで残念ながら。明日からは彼らは来ないので、多分1試合ずつ任される3連戦になると思うので、溜まっているものを思う存分出してほしいですね。貴重な打席、貴重な試合だっていうのをすごく感じた3連戦だったと思いますよ。いつも試合に出られると思ったらそうじゃないっていうのが分かったと思うんで」
――川村選手が1軍でインパクトを残している。
「嬉しいですねえ、ああいう活躍はね。藤本監督が支配下がほぼ近いみたいなコメントを残してもらえるほどのインパクトだと思うんで、ここにいる選手たちにはものすごく刺激になっています」
――小久保監督の電話番号知らなかった、と。
「電話番号、知らないでしょうね。昨日、夜中電話かかってきて寝てましたからね。朝誰やこれって思ったら川村で。『なんの電話や』って聞いたら『打ちました』って言うから『オープン戦じゃ!』って言っておきましたけど。朝話しました」
――改めて川村選手はどんな選手。
「いや去年からというよりもスローイングは2軍ではダントツにいいです。一番良かったですね。だから補殺が多かったなと思うし、あとは走るタイミング、スチールするセンスがあるんで、そういう点では上でもそういう場面でアピールすればいいなと思うし。守りの面では不安がないんで、そういう点では1軍での最低ラインのスキルはあると思いますね。あとは打つところですけど、打つ方でアピールできているのはいいことだと思います。守りはあれぐらいやると思っていたので」
――飛ばす力もある。
「飛ばす力はもともとあります。去年の秋から一本足にさせたりとか、あと後ろの腕の使い方とかも含めて、ずっとやってきているのがだいぶ形になってきているんじゃないですかね。打ち損じがかなり少なくなったんで、いい打球と悪い打球の差が激しい選手だったんで、練習であれだけ差があってゲームでは打てないよっていう話をずっとしてたんで。それがほぼほぼキャンプの中盤以降、僕もいつも投げているんですけど、本当に打ち損じが少なくなってきていたんで、これはひょっとしたらと思ったいい状態のときには1軍に行ってね、ポンポンと打てたんで自信になっていると思いますよ」
――西尾選手と川村選手を選んだ理由は。
「西尾は仲田の肘がよくなかったんで西尾にした。狙いは前にも話した通りですね。川村は外野手で、笹川とかはこっちで試合していた方がいいから、あんまり上に行ったら試合に出られないけど、育成選手で1軍の舞台を経験させるっていう点では誰って聞かれたので川村ですよ、と」
――西尾選手は戻ってきて何かお話は。
「なんか今宮が凄かったって言っていたらしいけどね。足の運びを真似するとか言っていたけど、今宮の足の運びはアイツには合わない、と本多コーチと話はしました。肩の強さが全然違うのに、あの足の運びを真似したってあんな球行くわけないんで。僕は全然真似しない方がいいと思います。ダイナミックさはいいと思いますけど、足の運びは健太みたいに後ろに絶対引かない方がいいと思います。だって肩弱いもん。真似しても多分頭打ちですね。地肩が強い人しかできない投げ方です。アメリカの選手含め、後ろステップは。前に出せとは言わないけど、かかとに持って行く足の運びの勢いを使った方が僕はいいという意見は本多コーチには言いました。あとは内野守備コーチが考えてやるでしょう」