育成・川村友斗がまたアピール! 小久保2軍監督への報告は「電話番号を知らなくて…」

ソフトバンク・川村友斗【写真:竹村岳】
ソフトバンク・川村友斗【写真:竹村岳】

ヤクルトとのオープン戦で8-8の引き分け…3時間48分ゲームに

 ソフトバンクの育成・川村友斗外野手のアピールが止まらない。8日のヤクルトとのオープン戦(PayPayドーム)で7回の守備から途中出場。1安打1打点と結果を残し「チャンスだったので、どうにかしたいと思って打席に入っていました。ああいうチャンスの場面で打てたのは自信になります」とホッとした表情で振り返った。

 見せ場は6-6で迎えた8回1死一、二塁だった。右腕・木澤の153キロにバットを出すと、白球は右翼の頭上を超えてフェンスに到達。一時勝ち越しの一打となり、塁上ではにかんだ。8-8の9回2死満塁では右翼へ大飛球。サヨナラ弾が期待されたが、惜しくもファウルに。ベンチがリクエストするも判定は変わらず、最後は低めのフォークに手が出て最後の打者となってしまった。

 必死な姿勢を見せ続ける一方で、初々しい一面も。仙台大から入団して今季が2年目の若鷹は1軍での活躍を小久保裕紀2軍監督に報告したか問われると「しようと思ったんですけど電話番号を知らなくて……」と苦笑いで明かす。現役時代に2041安打を放ったレジェンドにはさすがに「オープン戦だしな……とか思ったりもして、連絡先は見たんですけど分からなくて…」と最後までタジタジだった。

 とはいえ、藤本監督も「100点満点」と活躍を評価する。川村自身が成長を感じたと振り返ったのは、木澤との対戦だ。勝ち越し打の直前に153キロを空振りしたことを挙げて「ストレートを空振りした後でも、その後をとらえられたことが通用するじゃないですけど、去年の僕なら当たらなかった」と自己分析した。確かな成長の足跡が、この日の一打だ。

 現在の支配下の枠は67人で、狭き門であることは変わらない。川村自身も「左打ちの外野手は先輩もたくさんいるので、入っていくことは難しいと思いますが、与えられた打席や全部でなんとか1軍の戦力になれるように」と力を込める。小久保2軍監督にも、これまでお世話になった恩人たちにも、必ず支配下登録の吉報を届けてみせる。

(竹村岳 / Gaku Takemura)