記念すべき4軍初の“勝利投手” 育成ドラ1赤羽蓮が実感するプロ入り2か月での成長

ソフトバンク・赤羽蓮【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・赤羽蓮【写真:上杉あずさ】

7日の九州共立大戦で1回を1奪三振無安打無失点に封じた

 ソフトバンクで今季新設された4軍初の対外試合が7日、九州共立大野球場で行われた。同大と対戦し、ソフトバンクの4軍が9-3で勝利。この試合で記念すべき初の勝利投手となったのが、育成ドラフト1巡目ルーキーの赤羽蓮投手だった。

 1点ビハインドの6回に5番手としてマウンドに上がると、1イニングを投げて無安打無失点。三振も1つ奪い、最速は145キロだった。直後の7回に中村宜聖外野手が逆転の2ラン。赤羽に4軍戦の記念すべき“初勝利投手”が転がり込んだ。

 赤羽は2022年育成ドラフト1巡目で茨城・霞ケ浦高から入団した最速152キロの本格派右腕。188センチの長身から投げ下ろす、球威ある直球とポテンシャルの高さが魅力だ。ソフトバンクのユニホームに袖を通して登板した初めての試合に「最初は緊張したんですけど、しっかり腕が振れました。抑えられて良かったです」とはにかみ、大学生相手の好投に「自信になった」と頷いた。

 プロ1年目の3月上旬に対外試合で登板出来るという環境に赤羽は感謝する。「3月に入ったばかりですぐ(試合に)投げられて良かった。素晴らしいコーチがいますし、環境も素晴らしい。ここまで怪我なく出来ているのもトレーナーさんたちのお陰です」と語る。筑後での春季キャンプも、離脱することなく完走した。

 中でも、中田賢一4軍投手コーチの下で精力的に取り組んだ体幹トレーニングの成果を感じている。技術面では「フィールディング面も成長出来ました。高校時代は苦手だったんですが、ステップや足さばきをしっかり反復してやってきて、自信も付きました」と語り、一歩ずつステップアップしていることを実感している。

 新人合同自主トレからここまで順調に歩みを進めてきた18歳。「1年間投げ通せる身体作りをしながら、経験も積めたらなと思います」と1年目の目標を掲げる。目標とする投手像は千賀滉大。同じ育成入団から大出世を遂げた先輩のように、プロで大きく羽ばたくための大きな一歩を踏み出した。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)