「こういうピッチングをしていたら外される」 板東湧梧に募る開幕ローテ落ちへの危機感

1日のロッテ戦に登板したソフトバンク・板東湧梧【写真:竹村岳】
1日のロッテ戦に登板したソフトバンク・板東湧梧【写真:竹村岳】

ロッテに3-1で敗戦…板東は最速147キロに「もう少しほしい」

 ソフトバンクは1日、アイビースタジアムで「球春みやざきベースボールゲームズ」のロッテ戦に臨み、1-3で敗戦した。先発した板東湧梧投手は3回3失点と結果を残せず。降板後に取材に応じた右腕のコメント全文は以下の通り。

――初の対外試合登板を振り返って。
「やっぱり立ち上がりから不利なカウントを作って、それで打たれたり、自分の中で良くないところが見えたので、逆にそれは良かったかなと思います」

――重点を置いたところは。
「まだ出力が思ったよりも上がっていないので、そこをしっかり自分の中で上げていきたいなと思っていました。ゲームで自分の出力を出す中でコントロールするというところ。イメージはしていたんですけど、そこはうまくいっていなかったです」

――出力に関しては自分の中ではどれくらいまで上げていきたい。
「マックスの問題ではあんまりないと思っているんですけど、やっぱり150キロはしっかり投げられるように。どの時期とかはわからないですけど、シーズン開幕までに上げたいなと思っている。そこに少しでも早いタイミングで上げていかないとっていうふうに思っている部分があります」

――ステップとしてはどれくらい。
「今日何キロなのか正直わからないんですけど、そこと自分の感覚とのギャップが今のところあるので、そこを埋めていって、その中でどうするかという感じだと思う。ちょっと確認します」

――表示では147キロが最速だった。
「やっぱりイメージしているよりは、出ていないというか、もう少しほしいと思います」

――課題を挙げるとすれば。
「これまでの実戦の中では、割と変化球とのコンビネーション、今日はやっぱりそこが良くないとこういった形になるなっていうのは、改めて自分でも感じた部分ではある。そこが本当に生命線だなというふうに、改めて。しっかりしなきゃなと思いました」

――変化球はカーブとカットボールだけでしたか。
「フォークも何球か投げていました」

――変化球で特に試したかったところは。
「やっぱりカットボールの部分をもっとうまく使えたらって、ずっと課題にはしているんですけど、それで打ち取れた球とかもあった。そこは悪くなかったかなとは思いますけど、全体的な精度というところはまだまだだと思います」

――今日投げたそのカットボールで特にうまく投げられたシーンは。
「フィルダースチョイス(3回1死三塁で友杉篤輝内野手の遊ゴロをガルビスが本塁に転送してセーフ)にはなりましたけど、ショートゴロで1ボールから打ち取れた部分。ボール先行になったときに、ああやって1球で打ち取ることができたら、自分自身が楽になるなというふうに思うので。ああいうのと空振りが取れるとよりいいかなと思います」

――登板後に斉藤和巳投手コーチと話し込まれていた。
「和巳さんに言われたのは、やっぱりシーズン中でも自分がうまくいかないときに、その中でどうするかっていうことは絶対に自分の中で修正しなくちゃいけないっていう話をしてもらった。それが今ここで確認できてよかったなっていうふうには言ってもらえたので。自分も前を向いていかなくちゃいけない。しっかりこの反省を生かして、次どう良くしていくか、そこだけを考えてやっていきたいなと思います」

――開幕までの意気込みをお願いします。
「こういうピッチングをしていたら、チャンスをつかめないと思う。しっかり次は自分の課題を見つめ直して、自分の投球ができるように頑張ります。そして開幕ローテーションをしっかりとつかみ取れるようにやってきたいと思います」

(ペン記者囲み)
――体を大きくしたのはシーズンを戦う体力のためだと思うが、それでももう少し球速は上がると思っていた。
「自分の元々のマックスにやっぱりまだ届いていないというか。そうですね、元々自分の出せる力以上を出せたらもっといいんですけど。そこには最低でもいきたいなと思っているので、そこは今目指しているところです」

――まだちょっと自分の思ったように力が伝えられていない。
「シーズン中に比べたら。まだ届いていないので」

――体を大きくしたり、怪我をした前後は、体と感覚をすり合わせる作業があると思うが、まだギャップを感じている。
「最初はありましたけど、そこはもうほとんどというか、別に今のところ自分では感じてはいないので。実戦でどう上がっていくかって感じです」

――斉藤和巳投手コーチから修正に関しての意見などはありましたか。
「技術的な問題になるんですけど、やっぱりカーブでカウントが取れないと苦しいなというふうに感じたので。改めてそこをしっかり自分の中で、いつでもカウントを取れるようにしていかなくちゃなと思います」

――マウンドで嶺井博希捕手と話していたのは。
「打たれてピンチが続いていたので、あの時は『打ち取っているから、切り替えて野手を助けるっていう気持ちでしっかり投げてくれ』と言われました」

――制球に苦しんだのは、出力を意識したからなのか、調子なのか。
「自分の中で出力のところは意識を強くしちゃってた部分があった。振り返ってみるとやっぱりそこもあるのかなというふうに思う。シーズン中、絶対力む場面もあるので、その中でコントロールしなくちゃいけない。そこは技術不足というか。もうちょっとやっていかないとなと思いました」

――変化球でカウントを取るのが生命線と言っていたが、理想の打ち取り方は。
「どんな球でもやっぱり、不利なカウントからカウントを取れる。カウントを取れるというか、的を絞らせない投球をしたいなと思っています。不利なカウントをあまり作らないように、リズムよくストライクをどんどん取っていくっていうのがスタイルというか、目指すところではあるので、そこが今日はできていなかったです」

――この時期にこういうピッチングになったことで改めて自分のスタイルを再確認した。
「って言えるようになればいいなと思います。次、しっかりやらないと、そんなことも言っていられないので」

――大関友久投手が開幕投手に決まったことをどう受け止めた。
「やっぱり若い選手が開幕投手を勝ち取っているので、そこを自分もいつか目指したい部分ではある。いい刺激になります」

――開幕ローテーション入りへの手応えは。
「こういうピッチングをしていたらすぐ外されるっていう危機感はある。でも終わってしまったことは仕方ないので、とにかくいつも言うように自分の投球をするだけだなと思っています。あまり周りは気にしないように」

(竹村岳 / Gaku Takemura)