今年は正木智也が「面白い存在」、レギュラー争いは? 藤本博史監督のコメント全文

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:荒川祐史】

28日からは本格的にサバイバル「少しずつ減っていく可能性はあります」

 ソフトバンクは27日、宮崎春季キャンプ最終日を迎えた。昼過ぎにはこの日の練習を終え、選手会長の今宮健太内野手の音頭で手締めを行った。キャンプは打ち上げとなるものの、宮崎に残り、28日からは「球春みやざきベースボールゲームズ2023」でロッテ、西武と3試合を戦う。キャンプを終えた藤本博史監督のコメント全文は以下の通り。

――今の率直なお気持ちから。
「怪我人も少なくて、まず順調なキャンプだったと思います」

――監督自身2度目のキャンプ、去年とはまた違う雰囲気、そういったものを感じました。
「去年はマッチ(松田宣浩)がすごい元気を出して盛り上げてくれていたんですけど、今年は全員で元気もあったし、声も出ていたし、特に栗原なんかが大きな声を出して引っ張っていってくれてたのかなと思います」

――まずピッチャー陣は。
「もう初日からブルペンにたくさん入るとか、投手陣の方は本当、目の色変えてやってくれたんじゃないかなと思います」

――枠争いに関しては。
「まだ完全に決まってるわけじゃないんで。開幕投手は大関と決まりましたけど、あとの5枠はどこに行くのかっていうところもまだ決定はしてないので。また候補的には9人くらいいるので、そこからはまっていくと思います」

――リリーフについては。
「リリーフはもう8回、9回というのはモイネロ、オスナっていうところでほぼ確定しているんで、7回に又吉、松本、甲斐野、津森、嘉弥真、泉っていうところが入ってくると思いますけど、熾烈な争いになるんじゃないかなと思います」

――ピッチャー陣のMVPは。
「全員ですかね。個人的な名前より全員、このキャンプ頑張ってくれたんじゃないかなと思います」

――野手陣は近藤の加入などで新たな刺激もあった。
「投手陣と同じく目の色変えて、当然レギュラーは9人しか出られないわけですから、その9つのポジションを争うようないいキャンプができたんじゃないかなと思います」

――若手野手も活気があった。
「名前を出すと正木がそれこそいいキャンプを送れたんじゃないかなと思いますね。あと野村勇も頑張ってたんですけど、最後にちょっと坐骨神経痛みたいな形で、これは大ごとにはならないと思いますけど、最後に痛めたのはちょっとマイナスですけど、まあ若い選手もレギュラーに食い込んでこようと頑張ったんじゃないかなと思います」

――名前を挙げた選手たちは特にどの辺りを評価。
「正木の場合はもうバッティングですね。去年と全然、力強さが変わってるし、土台がしっかりしたというか、これでちょっとオープン戦を経験させたら今年1年、面白い存在じゃないかなとは思っています」

――新戦力の外国人選手は。
「練習ではアストゥディーヨ、ホーキンスっていうところはこれ楽しみだなっていうところがあるし、ガルビスも去年なかなか成績残せなかったんで、このオフしっかりとやってきたっていうことを聞いてるんで、あとはもう結果を出してもらうだけだと思うんで。昨日の侍の試合なんか、いいところでタイムリーも出たし、これからのスプリングマッチ、それからオープン戦、ここで結果を出してもらうだけですね」

――柳田選手や今宮選手、いわゆるレギュラーと言われる選手たちも本当に緊張感あふれる。
「本当うかうかできないと思うんですよね。若い選手も本当、何とかレギュラー取ってやろう、1軍の枠に食い込んでやろうという強い気持ちを持ってやってくれてるんで。もう主力、ベテランといえども、そろそろオープン戦のところから結果出していただかないと、こっちも考えてしまいますよね」

――野手のMVPは。
「正木です」

――その理由をお願いします。
「もう一番成長したんじゃないかなと思います、期待大ですね。特大ですね」

――彼にはどんな選手、どんな働きをしてもらいたい。
「一応、今、ファーストも練習してるし、外野もできるということで、空いているポジションのレギュラーを取っていただいていいかなと思ってるんですけど、あとはなかなか今、状態がいい中で維持するっていうのは難しいと思うんですよね。そこをどういうふうに彼が乗り越えていくか、どういうふうな調整をしていくかっていうのがこれから楽しみですね」

――開幕までおよそ1か月。ここから選手たちのどこを見たい。
「もう本当、投手陣も野手陣もサバイバルなんで。枠は野手が16、ピッチャーが15ぐらいの形になると思うんですけど、そこはもうしっかりと枠に入れるように、まず頑張ってもらいたいなと思います」

――キャンプの手応えを。
「去年は本当に、もう毎回言うんですが、悔しい思いをしました。今年はキャンプを順調に行うことができ、オープン戦が始まりますけど、ファンの皆様にいい試合を見せることができると思います。温かい応援をよろしくお願いします」

(ペン囲み)
――レギュラー白紙の状態はまだ続いている。
「近ちゃん(近藤)なんかは、やっぱり昨日までの2試合でもやっぱり出塁率っていうのは素晴らしいものを持っているし、当然あれを維持するのもなかなか難しいと思うけど、もう間違いなくポイントゲッターになってくるんじゃないかなと思います」

――柳田選手でも状態が良くないと安泰ではない。
「安泰ではないって言っても、実績が違いますからね。うちの看板選手ですからね。キャンプ始まる前も言ったけど、やっぱり近藤、柳田という打順が相手にとったら脅威じゃないかなと思うし、そのあたりは変わりはないと思いますよ」

――打順はホーキンスがポイントになりそう。
「彼が結果出してくれれば、近藤、柳田という打順が前に行く可能性もあるし、彼が結果を出さなかった場合、柳田が4番になって、近藤が3番っていうところがあると思いますね」

――今宮選手は昨日も良い打球を。
「状態は普通ですね、良くもなく悪くもなく。まあ、ガルビスが昨日もいいタイムリーを打ったんで、またケツに火がついたんじゃないかなと思うし、やっぱり競争っていうのはレベルの高いところでしてくれれば、選手は成長しますから。そういう意味ではガルビスのタイムリーは良かったですね」

――三森選手はもうひと踏ん張り欲しい。
「三森はまだまだちょっと頑張ってもらわないと、まだ若いんだから。ああいう送球ミスとかバント失敗とか、ちょっと見ていて精彩欠くようなところがこの2試合見られたんで、スプリングマッチの3試合で、しっかりとオレはこんな選手じゃないよっていうところを見せてもらいたいなと思います」

――正木選手は優先的にオープン戦でも使っていく。
「当然良いものを見せてくれたら優先的に使いますよね。ある程度、主力、ベテランっていうところは最初のうちは2打席っていうところになるのかなと思いますけど、正木とか三森、当然サードにコンバートした栗原、この辺はメインのところで使っていきます」

――集合の時に「今日からサバイバル」と。
「少しずつ減っていく可能性はあります。今でも19人ですからね、野手は。ピッチャーは古川くんが入って22人だったかな、ピッチャーの場合はちょっとオープン戦があるんで(人数が)必要なんで、なかなかまだ絞りづらいけど、野手の場合はある程度絞っていかないと、やっぱり打席数がどんどんどんどん減っていくんで、その辺は考えています」

――松田選手がいなくなり、元気というところでは栗原選手が頑張った。
「栗原が筆頭になって、全員が声出してたかな。リチャードも大きな声出していたし、若い選手はみんな元気よくこのキャンプを乗り越えてくれたんじゃないかなと思います」

――王会長は「自分が主になれ」と。そういう姿勢が見えた選手は?
「姿勢が見えたのは、当然引っ張ろうという、自分が主役になろうというのは栗原ですよね。リチャードも元気ありましたけどね」

――リチャード選手はどうでしたか。
「いろいろ波のある選手ですからね。あとはこれからの結果じゃないですか。結果さえ出せば、当然残れるし。まず波の少ない選手にならないと。心の波も少なくなっていかないと。もっと王会長が言われる『俺が主役だ』というぐらいの気持ちでやるためには、三振しても知らん顔しとけばいいんですよ。そのくらいの気持ちでやってくれた方がいいと思いますけどね」

――正木選手の成長を実感したシーンはありますか。
「いや、フリーバッティングなんかでも1打席1打席集中して打っているし、ちょっと一時、秋山さんが来られて、インコースの球を打つときにちょっと上半身を煽っているなというところも、1日で修正できたというか、そういう修正能力もあるのかなと。実際、キャンプ始まった時に一番目立ってたし、途中ちょっと尻すぼみになったんですけど、こうやって対外試合始まって結果も出してるし、面白い存在じゃないかなと思いますけどね」

――あとは場数を踏んでいけば。
「場数を踏むのもそうだけど、ちょっと性格がおとなしい子ですからね。あまりそういう野球馬鹿になってやる人間じゃないですから。慶応ボーイですから、スマートに野球するタイプですから、もうちょっとワーッてやってくれたら、案外面白いんじゃないかなと思いますけどね」

――柳田選手は怪我なく完走。
「体の方は順調に、このキャンプを送れたんじゃないかなと思います。柳田とも話をして、ちょっと追い込むところを追い込もうなというところを言っているんです。ずっと同じようなペースでいって、さあ開幕っていうのもね。ちょっとどっかで追い込まないと、どっかで落とさないと、そういうメリハリつけたこともやらないといけないのかなというのは考えてます」

――キャプテンがずっとグラウンドにいた。
「当然キャプテンがグラウンドにいないということはちょっと寂しいところもあるし、副キャプテンに栗原をつけて、この2人でチーム引っ張ってくれ、そして中村晃とか近藤とかもね、ちょっと下でいるわけですから、その辺がいて、若い選手がついていくって形になれば一番いいんじゃないかなと思ってるんで。柳田がキャンプ1か月間いられたっていうのが一番大きかったんじゃないかなと思います」

――正木選手以外に評価が上がった選手は。
「うーん、みんな。みんな普通より上。平均して、ずっといい選手はいないからですね。目立った選手は正木であって、キャンプ初日から目立っていたし。ホーキンスもフリーバッティングでは目立っていたし。ただ10点満点で10点というのはいないですよね。平均点より上というのがたくさんいるということで」

――明日から開幕戦に向けて。
「まだ早いですね。明日はお客さんも来るわけですから、明日は去年の実績メンバーで行こうかなと思っています。明後日は若手メンバーで行こうかなと思ってます。西武戦は主力メンバーを2打席くらい立たせて、半分替えようかなと思っています」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)