特大場外弾を放った新助っ人ホーキンス 豪快さの裏にある“超マジメ”な人柄

紅白戦で特大の2ランを放ったコートニー・ホーキンス【撮影:福谷佑介】
紅白戦で特大の2ランを放ったコートニー・ホーキンス【撮影:福谷佑介】

「ランナーが塁にいるときに、得点が入るっていうのが自分の仕事の一つ」

 ソフトバンクの新助っ人コートニー・ホーキンス外野手の評価が急浮上している。19日に行われた紅白戦では第3打席で左翼場外に飛ばす特大の2ラン。第1打席は安打、第2打席でも粘った末に四球を選び、2安打3出塁と結果を残し、藤本博史監督も「いいですね、評価高いですね。選球眼もいいしね」と褒め称えた。

 昨季は米独立リーグで本塁打と打点の2冠王に輝いた実績を持つホーキンス。身長190センチ、体重111キロと大柄で、たっぷりと顎髭をたくわえている。一見すると、豪快な助っ人外国人の印象を抱くが、実際に話を聞くと“超マジメ”。勤勉で、藤本監督やコーチ陣にも日々、アドバイスを求めにいく姿が見て取れる。

 この日の紅白戦。特大の本塁打を放ったが、意識は“フォア・ザ・チーム”にあった。「ランナーが塁にいたんで、そういう意味で打点が自分についたのは良かった。どういう状況であれ、ランナーが塁にいるときに犠牲フライでも内野ゴロでもヒットでも、チームに得点が入るっていうのが自分の仕事の一つだと思うんでその役目を一つできたのは本当に良かったと思います」。自身の打席内容や結果よりも、まずチームのために働けたことを喜んでいた。

 そんな姿勢がより色濃く出たのが第2打席だ。1死一、二塁で打席に立つと、粘った末に四球を選び、満塁へとチャンスを広げた。この打席について「あの状況で、自分のやるべき仕事というのもある。前にいたランナーを進めるというのが最低限の自分の仕事だと思っていたので、決して低めの球でゴロを打って、ダブルプレーとかにはならないようにという意識だった」と振り返る。一発長打を期待される大砲であっても、状況に応じて果たすべき役割を意識している。

 来日してまだ3週間ほど。キャンプでは状態を上げるとともに、チームに馴染んでいく必要もある。その点、ホーキンスは積極的にホークスというチームを理解しようと努めている。「自分のことだけではなくて、チームの中で結構ベースランニングとかを大事にしている印象が強い。守備もですけど、今までに自分が経験してきたことではない緻密さ、細かい動きもある。コーチとかとしっかり話をしながら、学びながらやっています」。

 否が応でも期待を抱かせる特大のホームラン。新助っ人ホーキンスの豪快さの裏には、緻密な野球を理解しようとする“超マジメ”な人柄が隠されている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)