ドラ2の大津亮介がシート打撃に登板…打者9人に投げて無安打投球
ドラフト2位の大津亮介投手が11日、シート打撃に登板した。持ち球の7球種を操り、打者9人を無安打に抑えた。「普段通りのピッチングができました」と振り返った。
まずはガルビスを迎えた。変化球で空振りを奪うなど追い込み、最後は146キロ直球で三飛。球種の多さも緩急も生かして、最後は直球で仕留めた。その後も中村晃を遊ゴロ、近藤を右飛など1軍で実績のある打者にも快音を許さなかった。「自分的にはアジャストは完璧にされた感じではなかったので。自信になりました」と、まずは納得の表情だ。
谷川原とバッテリーを組み、打席に周東を迎えていたシーン。フルカウントとなりラストボールを決める際、何度もサインに首を振った。思わずマウンドで笑みを浮かべてしまうほど、少しサインを決めるのに時間を要してしまい「1回も欲しい球が出なくて、なかなか外のスライダーが出なかったので」と説明。これも球種が多いからこそだ。
バックネット裏から見ていた藤本監督も「130キロから134キロくらいが3、4種類あるっていうことだから。同じくらいの球威で、微妙に曲がりが違うし。打者は嫌じゃないかな」と打者目線で大津の持ち味を解説した。よかったと思った変化球を問われても「何を投げているかわからないから」と苦笑いするほど。真後ろから見つめた指揮官ですら戸惑うなら、打席の打者も苦労するはずだ。
すでに7球種を操っているが、現状に満足などしていない。春季キャンプに入って以降、先輩と過ごす日々。「東浜さんが松本晴に教えているところに自分も一緒にいって、シンカーを教えてもらったんですけど。ちょっと投げられなかったです」と苦笑いで明かした。東浜のシンカーといえば代名詞とも言える球種。それをも盗もうとする姿勢が、この日残せた結果にもつながっていた。
藤本監督は「今日のピッチングだけなら合格点。中ロングも、中継ぎも先発もいける」と適性を解説する。「ひょっとしたら開幕に入っているかも」と、新人での開幕ローテーション入りの可能性も示唆した。大津自身は先発希望があるようで「自分も(先発に入れるように)頑張りたいです」と意気込みを語った。実戦が本格化していくこの時期。結果が全てだ。
「球数少なく、試合を作れる。先発向きだと思ってもらえるアピールをしていきたいです」
足跡はしっかりと残した。大津亮介。投手としての全てを生かして、ホークスの勝利に貢献してみせる。
(竹村岳 / Gaku Takemura)