周東を「足だけで使われたら…」 侍Jに送り出した鷹監督の懸念「実戦の打席に立てない」

ソフトバンク・周東佑京【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・周東佑京【写真:藤浦一都】

藤本監督がオンラインで取材に対応 侍戦士に「懸念はあります」

 複雑な胸中かもしれない。ソフトバンクの藤本博史監督が6日、オンラインで取材に応じた。3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する野球日本代表「侍ジャパン」にソフトバンクから近藤健介外野手、甲斐拓也捕手、周東佑京内野手が選出されているが、指揮官は「懸念はあります」と率直な心境を吐露した。

 今月17日から日本代表は宮崎で合同合宿をスタートさせる。決勝戦に進出すれば、日本時間の3月22日に行われるだけに、1か月以上自分のチームを離れることになる。バットが期待される近藤や、栗山監督も信頼を寄せる甲斐は主戦力としてグラウンドに立つ機会は多そう。藤本監督が「当然、心配です」と話すのが、周東だ。

「周東は足だけで使われたら、実戦の打席には立てないですから。実戦の間が空いていたら、なかなか。さぁ開幕で結果を出せるのかは心配ですね。当然、走るとか守るのは心配ないと思いますけど、打つ方ですよね」

 藤本監督の中でも、過去に経験がある。2013年のWBCで本多雄一(2軍内野守備走塁コーチ)が日本代表に選出。チームに合流して開幕戦で1号満塁弾を放ったが「そのあとが全然ダメだった。僕が打撃コーチの時だったんですけど。そういう例もあるので」と、今でも忘れない教訓だ。周東もレギュラーを争ってほしい1人だけに、実戦の機会を確保できないまま開幕を迎えてしまう可能性があることを心配していた。

 もちろん日の丸を背負うという栄誉を指揮官も当然、わかっている。「なかなか難しいと思いますけど、できるだけ実戦に近い練習をね。練習から実戦のつもりでやってもらいたいのはありますね」とエールを送っていた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)