永遠の課題“エースとは何か” 石川柊太が語る持論「認めてもらって呼んでもらえるもの」

春季キャンプに参加したソフトバンク・石川柊太【写真:竹村岳】
春季キャンプに参加したソフトバンク・石川柊太【写真:竹村岳】

キャンプ2度目のブルペン入り「マジでうまくいかないです」

 新生活に、今抱えている“夢”、今後の展望などを語ってくれた。ソフトバンクの石川柊太投手が3日、キャンプで2度目となるブルペンでの投球練習を行った。その後、報道陣の取材に応じた際の一問一答は以下の通り。

(テレビインタビュー)
――ご結婚おめでとうございます。
「ありがとうございます」

――心境としては。
「結婚に関しては、気が引き締まる思いです」

――1月に入籍してすぐにキャンプに来た。短い期間でしたが、新婚生活は。
「申し訳ないですけど、キャンプモードだったので。そんな余裕はなかったんですけど、より一層頑張らないといけないなというところで、気持ちを昂らせています」

――2度目のブルペン入り。手応えは。
「いいボールもあったんですけど、何を持っていいボールかという話で、です」

――変化球もすでに投げ始めていた。
「変化球はいいんですけどね。カーブとか、カットとか。スプリットはもう少しですけど。真っ直ぐがもうちょっと、イメージより体が動いてきていないなというのがあるので。そこのブレというか、毎年こんなですね。全然うまくいかないですけど、怪我なく、思い切りやるしかないですね」

――自主トレは米国で行っていたが、手応えは。
「まだわからないですね。今どんなに手応えがあってもシーズンが始まって良くないと。今の段階で良い、悪いはわからないです。開幕して公式戦で投げるまでわからない中で毎年やっていますし、新しいことをしても、今まで通りのことをしても、開幕の時にどうか、だけなので。今は良くすることだけを考えてやるしかないですね」

――藤本博史監督も打席に立っていたが。
「自分は打者に立ってもらった方が投げやすいです。どうだったですか? と聞きたいところですけど。打席に立ってもらった方が質のいいピッチングができると思ったので、引き続き、打席に立ってもらったりとか、監督に限らずですけど、そういう取り組みをしていきたいと思います」

――藤本監督は石川も開幕投手の候補だと。そこへの意欲は。
「常々言っていますけど、開幕投手を狙わないはずはないので。そこは狙っていく中で、ただひたすら、がむしゃらにやっていくだけですね。頭を使ってがむしゃらにやっていくだけです」

――2021年に開幕投手を経験した。振り返ってみるとどんな場所か。
「開幕投手、異様な雰囲気がありました。独特の雰囲気があったので、それは印象に残っています。またその先に続いていくシーズンというのが、また大きな役割になってくるので、そこだけにとどまらず、その先もやっていかないといけない覚悟と責任があるような立場ですね」

――今後に向けて。
「本当に1日1日、うまくなるという気持ち。また、日本一というところを掲げているので、そこから自分が日本一に向けてどうしていかないといけないのか。1日1日逆算していけたらと思います」

(ペン囲み)
――ブルペンはあまり納得のいかない内容だったのか。
「毎年ですね! もう諦めています。マジでうまくいかないです」

――キャンプだと疲労も影響しているのでは。
「どうなんですかね。どんなことをしてきても、キャンプでブルペンがいいことはほとんどないので。でも、逆にそれを知っているので、一喜一憂しないように頑張りたいですね」

「(斉藤)和巳さんには『荒れているからそこらへんをしっかりとやってほしい』というところを厳しく言われたんですけど、それはその通りだと思います。そこに対して自分がどうこう主観を述べる必要はないので。受け取る側がどう思うかなので、そこは頑張っていきたいです」

――打者と対戦しないことには、自分の調子も把握しにくいのか。
「千賀くんのボールを見ていたので。もう、自分が今のところビタビタの真っ直ぐがいっていても、それがいいボールだとは思わないし。上を目指しちゃうので。今日もある程度まとめていくんですけど、それじゃないじゃないですか。その先を求めたくなっているので」

「だから腕を振りたくなっているので。腕を振るとバラけるよね、みたいな。難しいですよね。限界を作らないようにすればするほど。でも、何が正解かわからないですし、ただ怪我しないように、変なことをしないようにしているだけ。目指すところは日本一です」

「山本由伸くんとか沢村賞を取って、ああいうピッチャーじゃないですか。そこと同じようなピッチングをしないと。比べるわけじゃないですけど、そういうボールを投げて、まだ満足できない自分でいたい。過信するとか、そういう話ではないですけど、目標を据えているがゆえに大変だなって、そのギャップに。諦めないようにしたいです」

――山本由伸投手くらい、圧倒できる投手になりたい。
「みんなそうじゃないですか? わからないですけど。どこのレベルを目指しているのかわからないですけど。メジャーとか、ああいうレベルの。ソフトバンクグループとしても世界一を謳っているので」

「よく最近、変な話『メジャー行く気ないの?』って友達とかに聞かれますけど、行かないと言ったら終わりだと思うし、行くと言っても現実的に無理だと思います。でも、常に上を目指していないと、目指さない限りは行くことも近づくこともできないと思うので、そういう投手になりたいと思いますよね」

――斉藤和巳投手コーチとは、ブルペン終わりに話していたが。
「そうですね、『頼むぞ』みたいな。和巳さんは自分の投球を見たのは2回目ですかね。思うところはそういうところだと思うので。今後、投げていく中で『いいな』と言われるようなピッチングをしないといけないでしょうし、それは少なからず目指していかないといけないと思います」

――もう少し体ができてくれば、イメージと投球が一致してくるのか。
「毎年そうなんですけどね。でも5月くらいなので、一致してくるのは。毎年こんなことを言っています」

――藤本監督は、現状のチームにエースと呼べる投手はいないと言っていた。
「自分からエースになりたいというものじゃないと思うので。呼んでもらえるものだと思うので、認めてもらえるように、エースと呼んでもらえるように頑張るだけですね。『エースになります』っていう人はいないですし、自分で『エースです』っていう人もいないと思うので」

「エースとしての責任というのはみんな持たないといけない。結果がエースか、エースじゃないか。でも気持ち的にはみんなエースの気持ちで投げないといけないと思うし、取り組まないといけない。そういう責任があるわけじゃないですか。その責任感は変わらず、結果がどうかでエースっていうのは言われます、という持論です」

――若手の頃から千賀投手といることが多かったが、不在のキャンプはどうですか。
「わからないですけど、でも高橋礼とかも話せるので。怪我でいなかった時期も千賀もあるし。それはその、いなくなったからオロオロするわけでもないので」

――ご家族は恋しくないですか。
「『恋しくない』って言ったらやばいでしょ(笑)。恋しいって言ったら『恋しい』みたいになるし。でも心配かけないように頑張りたいと思います」

(竹村岳 / Gaku Takemura)