昨オフよりブルペン入りの回数増…確かめるトレーニングの効果
開幕まで、着実に時間は過ぎている。それぞれが調整を進める中で、ソフトバンクの大関友久投手はファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」で自主トレを行なっている。22日にはブルペンで97球を投じ、状態の良さを自分でもはっきりと感じている。
「ブルペンに入る数が多いみたいですね。去年は90、100球を3回くらい投げてキャンプインだったので。今年は5、6回入って。その分球数は50、50、50、70、90球みたいな感じなので。今日も90球投げようと思って投げた訳じゃない。普通にやっていたら(その球数に)いったので。すごくいい傾向です」
ブルペン入りする回数が増えるのは、トレーニングの効果を感じたいから。このオフは球速アップをテーマに、ウエートトレーニングにも精力的に励んでいる。「そういうところを求めていたら投げないと(効果を感じるのは)無理じゃないですか」。仕上がりも昨季より早いのは、決して意図的に早くしているわけではない。
「勝手に(ブルペン入りする回数が)増えるので、勝手に仕上がっている感じです。仕上げようと思って投げているわけではないです。変に急いでいるわけでもないですし、全力で投げているわけでもないので。状態が上がって良くなった時に、調子に乗って思い切り投げたらとかそういうのは気をつけようと」
2月1日から春季キャンプが始まる。選手にとっては首脳陣へのアピール、そして開幕に向けて状態を上げ始める時期でもある。大関は現時点で状態の良さを感じているだけに“逆算”はしっかりとできている。「キャンプはランニングとかトレーニングが最初は多いので。そこで一回球数を減らす感じでいけたら」と今後を見据えた。
ハードなトレーニングを行うクールでは、投げるペースは一度落としていく。キャンプ後半になり、実戦での結果を求められるようになればそこでしっかりと仕上げ「オープン戦に入っていくのがベスト」と、ペース配分は頭の中にある。「キャンプで上げようとしたら投げるのもいっぱい、ランニングもいっぱいで体が苦しくなるので」とどこまでも冷静だ。
春季キャンプは、藤本博史監督にとっても開幕投手を決めていく時期となる。東浜巨投手、石川柊太投手ら経験者がいるが、大関も“挑戦権”がある一人だろう。意気込むわけではなく淡々と、目標を見据えながら、らしく心境を語った。
「開幕投手のためにアピールするつもりはないので。とにかく1年間しっかり結果を出し続けることに集中しているので。ローテーションに入るためのアピールはしますけど、開幕投手が俺だと思って投げることはないですね。自分の中で一生懸命やって、その上で選んでもらえたら、その試合に勝てるように一生懸命投げようという気持ちです」
キャンプ、開幕、そして日本一になるまで……。1年間戦力であり続ける道のりだけを、大関は見つめていた。
(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)