なぜリチャードがキャンプA組入り? 「1番検討した」悩む藤本監督に推した人物とは…

ソフトバンクのリチャード【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのリチャード【写真:藤浦一都】

ロマン砲A組発進も「1番検討したところ」

 ソフトバンクは24日、春季キャンプのメンバーを発表した。A組のメンバーは投手22人、捕手4人、内野手9人、外野手9人という振り分けとなった。藤本博史監督が「1番検討したところ」と頭を悩ませたのが、リチャード内野手のA組入り。「例えば寝坊でもしたら一発でB組にいかせます」と“一発レッドカード”もありえると強調した。

 藤本監督にとってリチャードは2軍、3軍での指導者時代に何度も言葉を交わし、成長を願ってきた存在だ。それと同じだけ、プロとしての心得を厳しい言葉で叩き込んできた存在でもある。昨年の春季キャンプでも「集合の10分前に出てくるとか。いつもギリギリなんですよね」と苦言を呈したことも。2022年は何度も1軍切符を手渡しながらも3本塁打に終わった。

 そんなリチャードをA組に呼ぶかどうか。藤本監督は昨季オフから明言してこなかった。A組に推薦したというのは小久保裕紀2軍監督だったという。「いい意見の交換ができて、このメンバーを選べた。リチャードも粋に感じてやってもらわないと」。リチャードの能力に期待する首脳陣に、ここでも背中を押された。「寝坊でもしたら一発でB組」というのも、そういう部分さえ改善していければ1軍でも結果を出せると全員が信じているからだ。

 当然、リチャード自身も覚悟を持って西武の山川穂高内野手らとオフを過ごしている。指揮官も「どこか(の記事)で見たけど、コメントで『何も気にしません』ってね。そういう気持ちでやってくれたらいいんじゃないかな」と改めて期待を込めた。能力も長打力も、チームではトップクラス。あとは結果に変えて、藤本監督に恩返しするだけだ。

「同じようなことをしていたらすぐにB組に行かせます。そのくらいの覚悟を持ってやってもらいたいなと思います」

 確かに言えることは、厳しい言葉は期待している証。リチャードの可能性を、誰よりも藤本監督が信じているからだ。

(竹村岳 / Gaku Takemura)